【ネオ・クラシックカー グッドデザイン太鼓判!】第10回・デザインの基本を貫いた高速セダン。日産・プリメーラ(初代)

80〜90年代の日本車からグッドデザインを振り返るシリーズ。第10回は「パッケージ」という言葉を広く浸透させた、欧州志向の本格派小型セダンに太鼓判です。

1989年、東京モーターショウで発表された「プリメーラX」は、空力、居住性、走行性能をセダンで極めるコンセプトカーでした。翌年、「新大人主義」を掲げ、その量産版として登場したのが初代プリメーラです。

低いノーズにハイデッキという機能的ボディには、Aピラーを前に出した大きなキャビンが載り、先進性と合理性の高さをアピール。

軸がとおった張りのあるサイドボディには余計なラインがなく、素材色のモールとドアハンドルだけで構成。プレスドアと段差ゼロのフラッシュサーフェスの組み合わせが、ボディのかたまり感を強調します。

面一化されたフロントフェイスに対し、従来の日本車にはない立体感を持つリアランプがボディ後端を引き締めます。後に追加される5ドアでは、より魅力的なリアビューを見せました。

インテリアは、インパネやステアリング、ドア内張りなど、すべてに中身が詰まったような骨太感があり、道具としての合理性をも感じさせます。

後に評論家として活躍した、故・前澤義雄氏をリーダーとするデザインチームは、クルマを部品などのディテールで見せることを意識的に避け、全体のカタマリを重視したといいます。

造形の基本を妥協なく積み上げることで、そこに新しさや個性が生まれる。そんな高い志は、30年も前にユーザーに理解されてヒット作となりました。それは、現在の自動車デザインへの大きな提言なのかもしれません。

●主要諸元 日産プリメーラ 2.0Te(4AT)
型式 E-HP10
全長4400mm×全幅1695mm×全高1385mm
車両重量 1200kg
ホイールベース 2550mm
エンジン 1998cc 4気筒DOHC16バルブ
出力 150ps/6400rpm 19.0kg-m/4800rpm

(すぎもと たかよし)

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