L28改、13Bペリ、2T-G改…言葉の響きがすでにステキな1986ゼロヨン対決、その結果は? その4【OPTION 1986年1月号より】

L28改、13Bペリ、2T-G改…言葉の響きがすでにステキな1986ゼロヨン対決、その結果は? その4【OPTION 1986年1月号より】

L28改、13Bペリ、2T-G改…言葉の響きがすでにステキな1986ゼロヨン対決、その結果は? その4【OPTION 1986年1月号より】の画像

昭和後期、その頃のゼロヨンで主流だったのは、L型改にRE。メカVS.ターボチューンも見もの、そんな時代です。1985年末に谷田部(日本自動車研究所)をステージに繰り広げられたOPTIONゼロヨン計測会の模様をお伝えしているこのシリーズ、その4は前回のその3の続き、頑張ったけど上位届かず(悔)のマシンたちを紹介していきますよ!

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オリジナル・パイプフレームにオールFRPカウル、日本初の本格ファニーカーなのだ!
<V8カミナリZ> V8 5.7L/11秒71

●直進性は良好、ただシフトが…。
ドライバー:瀬法司 敏功

このマシンのポイントはシフトかな。クラッチのフィーリングがあまり良くないんで、2速に入れるときはゆっくり押し込んでやらなきゃいけないんだ。すると回転は落ちちゃうから苦しかった。マシン自体は安定してて、ステアリングを軽く持っているだけでまっすぐ走ります。スタートは6500rpm、シフトアップは8400rpm。

●メカニズムチェック

自作の本格的パイプフレームを使ったドラッグマシンとして注目を集めるカミナリZ。このマシンはかつてドラッグレースでその速さを見せつけたスーパーカマロでのノウハウを生かしたもの。

エンジンはこれまでのL型ツインターボからV8スモールブロック350CID(5.7L)に変更された。圧縮比は11。キャブはホーリー750cfmをツイン装着し、エーデルブロックのプロラムIIのインマニに付けられる。キャブセッティングは少しガスを濃いめにすることで、エンジンブローの危険を避けている。カムはクレーン製のマル秘対応を使用して、レブリミットは8200rpm。

ミッションはATを使用せずカマロの時と同様、4速MT。クラッチ系はクロワースのメタルを使いすべりなどの問題もない。ファイナルは4.625。

そしてシャシーにかぶせられるボディはオールFRPのカミナリZをモデルとしたもの。まさにファニーカーなのだ。

気合一発、450psにミッションが負けた!
<RSヤマモト・ドラッグ・サニー> L型3Lツインターボ/11秒82

●ドラッグ用タイヤがグリップしないとは!?
ドライバー:平田 芳滋

1発目のスタートラインでミッションのメインシャフトがいっちゃってね。根性で修理してタイム出したんすよね。しかし、タイヤと谷田部の路面との相性が悪くてグリップしないんですよ。直進性の良さには自信があったんだけど、ちょっとアクセル踏めなかったすね。スタートは6000rpm、シフトアップは8000rpmでした。

●メカニズムチェック

サニー310・2ドアクーペにL28改3Lツインターボを搭載したRSヤマモト・ドラッグ・サニー。L28は89×79mmのボア・ストロークをもち、総排気量は2948cc。ピストンはオリジナルで、コンロッド、クランクシャフトはL28ノーマルだが入念なバランス取りがされている。カムシャフトは作用角288度のオリジナルを使用、IN45、EX38φのビッグバルブが組み込んである。圧縮比は7.5。

タービンは日立製HT18改をツインで装備し、A/Rは0.65。ウエイストゲートはHKSのレーシングタイプを使う。吸気システムはソレックス44φ、チャンバーはオリジナル加工されたものだ。インタークーラーはHKS製、オイルクーラーはサーク製の16段コアを使用。

最大過給は1.0kg/cm2、最高出力450psを発揮。パワーバンドは4000〜8000rpmでレブリミットは8500rpmを可能にしている。

サスペンション系はRE雨宮でオリジナル加工されたもので、ショックとコイルは純正レース用が使用される。ジョイント部分はピロボール式に変更済み。ミッションは2L・Z用、クラッチはB&Bツインプレートを使用。タイヤはミッキートンプソンETドラッグの14インチを履く。

カウルを外してトライするも伸びず、GCマシンベースのゼロヨン・レーサーに10秒の壁!
<エンデューロRX-7> 13Bペリフェラル/11秒75

●扱いやすさは文句なし、だが…
ドライバー:金子 健一

軽量化のため前後のショックをいじったのが裏目になっちゃったみたい。パワーかけてもリヤタイヤにトラクションがかからなかった。スタートは6000rpm、シフトアップは9500rpm。400m地点だと3速8200rpmあたりです。ノンターボなのでいきなりパワーが出ないので扱いやすいとはいえます。タイヤがドラッグスリックじゃないんで、あまりホイールスピンさせないよう気を配っています。

●メカニズムチェック

GC用のシャシー(シェブロン)をドラッグレースに使って注目を集めたエンデューロRX-7。13Bペリの強烈なEXサウンドを轟かせる。FISCOや谷田部の常連マシンだ。

エンジンはエンデューロでチューニングされた13Bペリ。キャブはウェーバー48改51φ。パワーバンドは6000〜1万1000rpmで、最大パワーは335ps/10500rpm、レブリミットは1万1500rpm。ミッションはヒューランドFG400でギヤ比はマル秘とされる。ただ、今までに比べて3速を4速側に近づけているそうだ。

また軽量化のため、ラジエターを外してのトライ。スタート前の水温は70度くらいでも、走り出してしまうと100度をオーバーしてしまいそうになる。そのためか、途中からはエンジンが少しタレ気味になって、タイムアップにつながらなかった。

このエンデューロRX-7はエンジン関係パーツに市販オリジナルパーツを使って、極限を求めるためタイムアタックを重ねている。しかし10秒の壁を破るには、やや限界気味と思われるため、1986シーズンには新しいマシンの製作に着手する予定だ。
3T-G改ターボが心臓のスターレットは完成度の高さを実証!
<ATS-BMまいどどうもスターレット> 3T-GT改1918ccターボ/12秒19

●マシンの調子は悪くなかったんだけどね
ドライバー:三浦 靖

今回はどうしてもブーストが上がんなくてね。でもずいぶん走った割にはコンスタントにタイム出てるでしょ。谷田部に慣れているのもあるけど、耐久性もかなりですね。スタートは6000rpm、シフトアップは8000rpm。ターボチューンといってもマシンは安定してますね。

●メカニズムチェック

ATS-BMは軽量ボディのスターレットに3T-G改ターボエンジンを搭載。車重約800kgに最高出力400ps+αのパワーは凄いの一語だ。

3T-Gエンジンはトムス製鍛造ピストンを使って85.0mmから88.5mmにボアアップし、総排気量は1918cc。圧縮比は8.0に設定。クランクシャフト、コンロッドも大パワーに対処すべく精密なバランス取り、タフト処理などがされている。カムシャフトはBMオリジナルの308/288度、2T-G用ビッグバルブで強化。

タービンはKKK製K27タービンを使用し、キャブレターは使用せずEFIチューンだ。もちろんインジェクターも追加されているが、巧みなコンピュータチューンによりそれぞれの回転数に見合った燃料が噴射されるようになっている。冷却系はサーク製オイルクーラーと空冷式インタークーラーが備えられる。

パワーバンドは6000〜9500rpm、レブリミットは1万rpmを可能にしていて、過給圧は常時1.0kg/cm2以上をかけている。

足まわりはFストラット/RリジットでBMオリジナルのコイルとTRDショックで固められる。またミッションは18RG用を改造して取り付け、ファイナルは3.7。

0-100m加速勝負ならベスト4!
<ABRツインターボZ> L型3Lツインターボ/12秒02

●耐久性は抜群、トラブルもなかったもんね
ドライバー:生越 マモル/竹内 栄次

最高速仕様のまんま、ファイナルだけ変えた状態なんです。1発目は300mあたりでホースが外れちゃって。でもそれ以降はノントラブルだから耐久性はあるね。スタートは7000rpm、2、3速は8500rpmシフト。2速があっという間に吹け切っちゃうんで、それがもったいないんです。

●メカニズムチェック

オリジナルカウルをまとったABRツインターボZは外観、内装ともに完全ストリート仕様。けれどエンジン関係はL28改3Lツインターボで最大出力500ps以上を絞り出している。ピストンはHKS鍛造を使い、ボア・ストロークは89×79mmで総排気量は2948cc。クランクシャフトはL28を使用し、コンロッドはL14。当然、バランス取りとタフト処理がされている。

ヘッドはABR独特のノウハウにより燃焼室加工とポート形状加工などに、330度の作用角を持つオリジナルのターボ用カムシャフト、バルブはIN46.5、EX36.5φ、レース用バルブスプリングが組み込まれている、

タービンはTD06をツインで装着。エキゾーストマニホールドは排気効率を考慮したステンレス製のオリジナルで抜く。これに空冷式レーシング用インタークーラーやHKS製SPLオイルクーラーが取り付けてある。吸気系はウェーバー50φ、チャンバーはABRオリジナルのもので独特な内部構造をもっているものだ。パワーバンドは5500〜8500rpmで最大過給圧は1.5kg/cm2。サスペンションはノーマル加工のコイルにビルシュタインショック。Rタイヤは26インチのミッキートンプソンETドラッグを使用している。

レース仕込みのチューニングはコンスタントに12秒台をマーク!
<ユアーズRX-7> 12Aペリターボ/12秒37

●タイムはアクセルコントロールが決め手だね
ドライバー:岡田秀樹

谷田部は初めて。難しいのはスタートですね。ポンとつなぐとストールしちゃうし、だからって全開にするとホイールスピンでオーバーレブしちゃう。8000でつないでシフトは8500、4速フケ切り9000rpmでゴールのはずだったけど、今回はフケないんで5速でした。

●メカニズムチェック

ニューRX-7(FC3S)が登場して動向が気になる旧RX-7(SA22C)。しかしゼロヨンでは、やはりSAのほうが重量面など有利な部分が多いので、これからも増えていきそうだ。

このマシンの注目はエンジン! 12Aロータリーをペリフェラルポートにして、TD08タービンが付く。しかしそのEXマニからタービンへのパイプは、60φステンレスパイプを使用して、1.5mの距離をかせいでいる。この長いパイプによって、シングルターボながらタイムラグはビックリするほど小さくなっているという。そして80φEXパイプは手曲げでとても美しい。

吸気系はナント、ボッシュのインジェクションを使用する。これはGCマシンなどと同じで、ガスセッティングは少し濃くしている。またブースト圧に合わせて、0.8〜1.3kg/cm2に4本の600cc/分の追加インジェクターが付く。これでパワー的には最大ブースト1.5kg/cm2で450psを軽くマークするはずだ。

今回は燃圧が低い(2.5kg/cm2)ため、3速のフル加速時にガスが足りなくなって、タイム的には伸びが見られなかった。燃圧を3〜3.5kg/cm2にアップすれば、今のタイムを1秒近く短縮するだろう。

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今回紹介したショップも懐かしいメンツが勢揃い! 中でも…ユアーズの岡田秀樹さんって、あのウルトラオヤジの岡田秀樹選手ですよね! なんか…凄い! では、次回その5へ続きま〜す。

[OPTION 1986年1月号より]

(Play Back The OPTION by 永光やすの)

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L28改、13Bペリ、2T-G改…言葉の響きがすでにステキな1986ゼロヨン対決、その結果は? その4【OPTION 1986年1月号より】(http://clicccar.com/2019/02/22/704730/)

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