山ごはんからキャンプまで!調理に特化したSOTOの広口クッカーの実力検証

山ごはんからキャンプまで!調理に特化したSOTOの広口クッカーの実力検証

@DIME アットダイム

■連載/大森弘恵のアウトドアへGO!

◆山ごはんからキャンプまで調理に特化した広口クッカー

 ウインドマスターやMUKAストーブで国内外の登山家に高い評価を得ている新富士バーナー/SOTOブランドより、8月10日に待望のクッカーセットが発売された。1.8Lと1.3Lのクッカーのセットで、保温用コジーと活用範囲が広いリフターを付属した『ナビゲーター クックシステム』(7000円+税)だ。

 コジー付きクッカーといえば、縦型クッカーとストーブのセット、ジェットボイルが有名。クッカーにネオプレン製コジーを装着したまま調理できるので、ヒートロスが少なく、しかも、加熱中のクッカーも素手で扱えると人気だ。では、後発である『ナビゲーター クックシステム』のメリットは?

 第一のメリットは広口の横型クッカーであることだろう。1.3Lの小鍋でも袋ラーメンを折らずに調理できるサイズで、炒め物もしやすい。一般的な長さのはしやスプーンでも底まで届くので、グルメなハイカーにうれしい形状だ。

 しかも、1.8Lの大鍋とのセットで3人分くらいまでなら余裕で対応できる。1.3Lクッカーでごはんを炊いてコジーでカバーしておけば、1.5Lクッカーでおかずができあがったときにはどちらも冷めずにおいしい。初回生産1000台限定特典で、1.5Lコジーが用意されているのもありがたい。もちろん、スタッキング収納が可能で、付属のコジーに1.3Lクッカーを入れて収納すれば、1.5Lクッカーの底が傷つく不安を解消している。


SOTO『ナビゲーター クックシステム』(7000円+税)
「調理する際の使いやすさ、掃除のしやすさに配慮。使う汚れのたまりにくいシンプルな形状を心がけました。登山隊など水の使用が限られている環境ではペーパーで汚れを拭き取る程度の洗浄しかできません。そこで、鍋底まで指がとどきやすい深さと鍋底の曲面形状としました。表面をツルリとした光沢調にしているのも掃除のしやすさからです」(新富士バーナー・西島さん)


スーパーハードアナダイズド加工により、一般的なアルマイト加工よりも厚い被膜が施され、耐衝撃性・耐摩耗性・耐蝕性にすぐれたクッカーに仕上げている。トマトソースなど酸味の強い食材も安心して使えるのだ


1.3L鍋の中に付属の断熱ディスクを敷き、その上に付属のリフターと同社シングルバーナー(アミカス)とOD缶をセットして収納。リフター用のケースもあり、重ねて収納しても2つの鍋底が傷つきにくいのがうれしい


鍋の内側には、炊飯に便利な目盛りを刻んでいる。欧米でも評価が高い同社だけに、オンス表示もあるのがおもしろい

◆コジー×断熱ディスクで低温下でもできたてをキープ

 一番気になるのは、その保温力だ。

 沸騰した水(98℃)を冷蔵庫内(約9℃)に入れて20分後の温度を測ってみたところ、コジー付きは70℃、一方のコジーなし(ふたあり)は55.5℃となった。炊きたてごはん(95℃)の場合は、コジー付き73.5℃、コジーなし(ふたあり)は61℃。この日は気温33℃で、何度も冷蔵庫を開閉したため、後から計測したコジーなしのほうが庫内温度が高かったと思われる。それでもコジーありとなしでは最大約15℃の差が生まれた。風がある日やより気温が低い冬キャンプでは、コジーが大きな役割を果たしそう。


自宅の冷蔵庫に1.3Lクッカーを入れて温度を計測


熱いクッカーをコジーに入れるのは難しそうに思えたが、リフターはぐらつかず、食材の重みで難なく入る。ふたの上部には湯切り穴がついているので、隠すように断熱ディスクを乗せると保温効果が高まる

◆トングやふたまでアイデア満載

 おもしろいのが付属のリフターだ。内側にバネを組み込んでいるため、クッカーを挟む際に無理な力をかけなくてもいい。しかも、レトルト食品の袋を引き上げる際などトングのようにも使える。リフター用ケースはナイロン製でクッカーを洗うスポンジとしても活躍しそう。

 ナイロン樹脂性のふたは、麺の湯切りやまな板として、そしてOD缶のスタビライザーとして使える仕様。スタビライザーとして使うには裏返すのだが、つまみの分でぐらつかないよう高さを調整しているのも心憎い。

 唯一、残念なのがふたを密閉できないことだろう。ふたをしたままリフターでクッカーを持ち上げ、コジーに入れるという保温重視の一連の動作を考えると、仕方のない仕様なのかもしれない。実際に米を炊いてみたところ、多少のふきこぼれはあったものの、米にしっかり吸水させることでおいしく炊きあがった。

 標高の高い山での炊飯では湯切り穴などをふさぐ工夫が必要かもしれないが、SOTOらしいひねりの効いたアイデアが満載のクッカーセットに仕上がっている。


クッカーをつかむリフターは、鍋の縁に引っ掛けたままにしておける。さらに、トングとしても使えるのがおもしろい。肉抜きをしていて重量は38g。濡れた手で使用してもすべりにくいという利点もある


内側にバネを搭載しているので、クッカーをつかむ際に余計な力をかけなくてもいい


ふたの裏には刻みがあり、スタビライザーになる。同社のOD缶(パワーガス105トリプルミックスとパワーガス250トリプルミックス)を乗せて安定させることができる


ふたの持ち上げ用つまみは、ふたと水平になるよう開いて(写真の位置)使用。角度がついていると、料理の中にふたのはしが落ちてしまうことがあるためだ。また、ふたに湯切り穴がついている。多めに料理を作って翌朝は余り物でサッと準備……という場合はクーラーボックスに保管するほうが、こぼさず、においも漏れず安心


クッカーのふちは汚れがたまりにくい形状で、鍋底はバーナーから滑り落ちにくいよう粗め仕上げ。ふた、リフターとともにアイデアが詰まったクッカーセットとなっている。保温力が高いので、肌寒い季節の山ごはんやキャンプで重宝しそう

◆関連情報
http://www.shinfuji.co.jp/soto/

文/大森弘恵

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