“苦味の違い”を愉しみたいビール3選

“苦味の違い”を愉しみたいビール3選

@DIME アットダイム

■連載/石黒謙吾のLOVEビール
〜語ってもウザくならない、スマートでコクのあるビールの話〜

 ビールが好き、もっと知りたい&楽しみたい。でも、マニア向けのものは結構、とは言っても当たり前の話は知ってる。そんな、粋でイケてるビールファンに贈る、なんでもありの読み物です。語ってもウザくならない、スマートでコクのあるビールの話をお楽しみください。

「ビールは苦いモノ」と、実は限らないのだけれど、日本人の大多数はそう刷り込まれているはず。そして、世界的に見て、甘味や酸味中心のビールもあるにはあるが、飲酒量で考えれば当たらずとも遠からずという状況ではある。

 3つ前のこの連載でも、ホップについて触れたが、近代のビールの歴史はホップの歴史とも言えるほど、ホップの苦味があってのビールということになる。

●ついにホップの銘柄が商品名になった!サッポロ『伝説のSORACHI ACE』

 その苦さ関連のことは、他に2回書いてきた。そして、毎回の銘柄インプレッシュンを重ねることで、苦味に関する自分の意識もシェイプアップされてきた実感が」ある。

●飲み会の罰ゲームに使える!?サンクトガーレンの苦さ極限ビール『罰茶IPA』(2016.04.08)
●「IPA」って何のこと?知られざる苦いビールとインドの関係(2016.03.11)

 その味わいの感覚とは、<苦さの分類><苦さのバリエーション>だ。

 通常、ビールのインプレッションは、味わいの要素と方向性(フレーバー)、香り(アロマ)、飲み口、発泡感などと共に、原材料、製法などについても考察し書かれる。

 この、味わいの要素と方向性(フレーバー)は、<苦味、酸味、甘味、旨味、麦味、コク、キレ、フルーティさ、スパイシーさ、ボディ、発泡感>などの要素のバランスについて語られることが多い。

 しかし、既成概念にとらわれないよう、純粋にどんな味なのかを舌で分類していると、この中の1要素である<苦味>だけをさらに分けたくなってくる。つまり、苦味をさらに細かく噛み砕いていきたいなと。

 ホップの種類による違いを覚えるのもひとつの方法だけど、それだけではなく、他の要素とのバランス、たとえば、甘味や酸味、フルーティさやスパイシーさ、ボディ、などとの相関関係として、苦味のバリエーションを考えていきたい。

 そうやって常に意識して飲んでいれば、かなり違いを感じられるようになるはずだ。いまここで、断定的な分類を明示できるほど、論を確立してるわけではないのだけど、そのあたりもテーマに、極力毎日1本、お初の銘柄を飲んでいくつもり。

 みなさんも、<苦味って一口に言ってもいろいろあるよね?>と意識を持って飲んでいると、舌の感性と、ビール民度がアップするはず! ぜひ。

 ということで今回のインプレッションは、苦味が強かったものから3本を。

[ベルギー以外の外国系]

■アンカー・ゴーウエスト IPA
(アメリカ 度数6.5% 355mil)

少し濁りがある濃い目のゴールド。泡持ちは普通だが泡立ちはいい。ボディはミディアムで飲み口はほどよい。苦味はかなりさわやかで、印象はカジュアルな苦味!? ホップ4種による若葉のアロマがそう感じさせるのだろう。全体にフレーバーは、キリッとしていて、でも強め。アンカーらしいIPAだ。たしかにこのネーミングどおり、西部を目指そうという気分になってくる(笑)。
★女性タレント見立ては、【剛力彩芽】

●アンカー社 他のラインナップ

アンカーを取り上げた連載過去記事はこちら
●“ザッツ・アメリカン!”なアンカービール3種飲み比べ(2016.05.06)

[クラフト系]

■だいだいエール IPA
(常陸野ネスト 度数7% 330mil)

やや濁ったブラウン。こちらも泡立ちは十分。泡持ちは普通。IPAというものの、苦いけどボディは重くないので、飲みやすいIPAと位置づけたい。柑橘のさわやかさがホップとうまくマッチ。特徴的だったのは、ぬるくなると、甘味がいい感じで立ってきて身苦味とうまくミックスされた。ボトルに<旨味>と書かれているのはそのあたりのことか。豚肉とタマネギのソテーによく合った。
★女性タレント見立ては、【南沢奈央】

●常陸野ネスト 他のラインナップ

[クラフト系]

■熊野古道麦酒
(伊勢角屋麦酒 度数5% 350mil)

これはブロンドエールなのだが、口に含んだ瞬間、IPA? と思ったほど粘っこい苦味が感じられる。そこに甘味が隠れてるようで、酸味と麦味もほんのり顔を覗かせる。美しいブラウンで、ボディは、ミディアムからやや重め寄り。米が使われていて、<古代米 黒米 使用>と書かれている。コクが多なところが、熊野古道のイメージにぴったり。 
★女性タレント見立ては、【黒谷友香】

●伊勢角屋麦酒 他のラインナップ

★今日のビール川柳★
あの苦さ、この苦味だと 酔い深め

文・写真/石黒謙吾(いしぐろ・けんご)

著述家・編集者・分類王。日本ビアジャーナリスト協会・副会長、日本ベルギービールプロフェッショナル協会・理事。映画化されたベストセラー『盲導犬クイールの一生』はじめ、『2択思考』『図解でユカイ』『ダジャレヌーヴォー』『エア新書』『分類脳で地アタマが良くなる』『ベルギービール大全』など幅広いジャンルで著書多数。プロデュース・編集した書籍も、ベストセラー『ジワジワ来る○○』(片岡K)、『ナガオカケンメイの考え』、『負け美女』(犬山紙子)、『読む餃子』(パラダイス山元)など200冊以上。twitter: @ishiguro_kengo、facebook:石黒謙吾、blog:イシブログケンゴ

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