ハロウィンにもおすすめ!メキシコの“死者の日”ビール飲み比べ

ハロウィンにもおすすめ!メキシコの“死者の日”ビール飲み比べ

@DIME アットダイム

■連載/石黒謙吾のLOVEビール
〜語ってもウザくならない、スマートでコクのあるビールの話〜

 ビールが好き、もっと知りたい&楽しみたい。でも、マニア向けのものは結構、とは言っても当たり前の話は知ってる。そんな、粋でイケてるビールファンに贈る、なんでもありの読み物です。語ってもウザくならない、スマートでコクのあるビールの話をお楽しみください。

 子供の頃、法事の食事の席で親戚が、「けんぱい」と言ったのを聞いて、「ん? 言い間違ってるよ」と思ったことを覚えている。まだお酒を飲み始めてなどいないその頃は、お酒スタートの合図は「かんぱい」と決まっていると思っていた。

「献杯」という言葉を知ったのはいつだったか記憶にない。けれど、一般の方がジョーシキを身につける平均より大幅に遅れて、僕がある程度の社会性を携えた時からは、さすがに、葬儀や法事など故人を悼み、偲ぶ際には、「乾杯」ではなく「献杯」だと心得た。

●冠婚葬祭 マナー&ビジネス知識

 お酒は、日常である「ケ」から、非日常「ハレ」への心のスイッチとなる飲み物だ。その転換は必ずしも「陽」に向けてとは限らない。故人を思い瞑想する「陰」に至る扉でもあるのだ。

 日本ではお盆という年に一度の大切な儀式がある。亡くなった近しい家族はもとより、遠い祖先までに対しても感謝の気持ちを届けるイベントだ。といっても、しんみり過ごすばかりじゃない。普段は遠くに住む親戚が同じ地に集い、いい意味で、故人や祖先をサカナにお酒を酌み交わす。さらに、この日ばかりは無礼講的に、盆踊りという「一大合コン」が始まる(長引くので割愛するがこれは比喩じゃなくホントのこと)。

 そんな重要なイベントが、メキシコにもあるのだとビールを介して知った。

 「デイ・オブ・ザ・デッド」という、メキシコのマイクロブルワリーで作られるビールは、「死者の日のビール」らしい。

 リリースによると…

<死者の日とは毎年11月1、2日に制定されているメキシコを中心とした祝日で、家族や友人が集い故人に想いを馳せ、語り合い祈りを捧げる日。砂糖で作られたガイコツやマリーゴールド、故人の好きだった品などで華やかに装飾されたオフレンダという祭壇が、墓前だけでなく街じゅうに置かれる>

●タイムアウト東京<メキシコビール伝統の味、デイ・オブ・ザ・デッドが発売> 

 これはまさに、日本のお盆じゃないか! まったく同じ主旨だ。日本では、祭壇ではなく提灯が並んだり。

 そんな日にはやはり、「ケ」から「ハレ」に切り替えるスイッチとしてのお酒が登場するようだ。「デイ・オブ・ザ・デッド」はスタイルの違う4種の展開。

「ヘーフェバイツェン」「アンバーエール」「IPA」「ポーター」とラインナップ。

 ボトルや箱、さらに王冠にも、「死者の日」のシンボル、ガイコツがデザインされている。色味や雰囲気的にも、ハロウィンに対応とか、なるほど。

 

 ということで、今回はこの4種のインプレッションなのだが、そして、たまたま、本当に呼び込まれたような偶然で、僕は、この原稿を書いている前日に、「BABY METAL」のライブに初めて行ってきたところ。あの世界観、このビールにぴったりじゃないか!

●BABY METAL オフィシャルサイト

 まさに、本人達が、ガイコツのパーカー風衣装着てたりもするのだから。ということで、毎度おなじみ「女性タレント見立て」にも3人が……。

 ではインプレッションをどうぞ。

 苦さの単位IBU(参考)が明示されていたのが本格っぽくていいね。

■デイ・オブ・ザ・デッド「ヘーフェバイツェン」
(メキシコ 度数5.5% IBU12 330mil)

やや濃い目のゴールドで、若干の濁りが。泡立ち、泡持ち、ともに普通。まず感じたのが、甘味がたっぷり! ということ。リンゴ、ハチミツのフレーバーがあり(ハウスバーモントカレーかよ!)、とろみさえ感じるフルボディ系だ。バイツェン系と思えないストロング感があるが、注いでからそれが薄らいでやわらかくなるので、個人的には2口目以降のほうがおいしかった。マリアージュとしては、カレーにも野菜サラダにもよく合った。
★女性タレント見立ては、YUIMETAL(BABY METAL)

■デイ・オブ・ザ・デッド「アンバーエール」
(メキシコ 度数5.5% IBU30 330mil)

濃いクリスタルブラウン。これもまったり甘い! まとわりつくようなハチミツっぽさは、上の「ヘーフェバイツェン」と共通している。さすが同じブルワリーのものだ。度数5.5%だが、アルコール感はそれよりずっと強く感じる。苦味はゆっくり上がってくる印象。IBU30でそこそこしっかり苦味が。酸味はく、旨味は強く出ていて、和菓子のようなコク、あんこっぽさが。甘めでフルボディに近い。
★女性タレント見立ては、MOAMETAL(BABY METAL)

■デイ・オブ・ザ・デッド「IPA」
(メキシコ 度数6.8% IBU83 330mil)

深みのあるキャラメルブラウン。言い方はヘンだけど(笑)、甘いIPA!という感じ。たっぷりの甘味と、IBU83!というすごい苦味が共存している。苦味はずっとあとをひくタイプで、舌の横にしぶとく残る。この苦味は「足が長い」とでも言うべきか、インパクトより持続性がある。主張は強いのに、料理と合わせて映えるビールだ。甘めの肉団子とよく合った。
★女性タレント見立ては、SU-METAL(BABY METAL)

■デイ・オブ・ザ・デッド「ポーター」
(メキシコ 度数5.0% IBU1 330mil)

まったりこってり、ザッツ・ポーター! という印象のポーター。といっても、甘味のほうはぐっと抑えめ、苦味もIBU1 だからほとんど感じない。逆に酸味はそこそこある。濃い目のチョコフレーバーの中に、わずかにスモークっぽい味を感じる。飲み口は超なめらかで、するすると入ってくる。
★女性タレント見立ては、橋本環奈

★今日のビール川柳★
故人への 想いがビールの 泡となり

文・写真/石黒謙吾(いしぐろ・けんご)

著述家・編集者・分類王。日本ビアジャーナリスト協会・副会長、日本ベルギービールプロフェッショナル協会・理事。映画化されたベストセラー『盲導犬クイールの一生』はじめ、『2択思考』『図解でユカイ』『ダジャレヌーヴォー』『エア新書』『分類脳で地アタマが良くなる』『ベルギービール大全』など幅広いジャンルで著書多数。プロデュース・編集した書籍も、ベストセラー『ジワジワ来る○○』(片岡K)、『ナガオカケンメイの考え』、『負け美女』(犬山紙子)、『読む餃子』(パラダイス山元)など200冊以上。twitter: @ishiguro_kengo、facebook:石黒謙吾、blog:イシブログケンゴ

■連載/石黒謙吾のLOVEビール
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