『プリウス』VS『リーフ』究極のエコカーはどっちだ?

『プリウス』VS『リーフ』究極のエコカーはどっちだ?

@DIME アットダイム

『プリウス』と『リーフ』。エンジンも造り方も全く異なる2台だが、世界で販売台数を伸ばし続けている日本を代表するエコカーだ。その最新モデルを比較試乗した。

 1997年12月、トヨタは、世界初の量産ハイブリッドカー『プリウス』を発売。以来、改良を重ねながら、2代目(03〜09年)、3代目(09〜14年)を送り出してきた。4代目は同社の新しいクルマ造りの手法(TNGA=トヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー)を採用した第1号車として登場。4WDモデルを追加した。また、電池はリチウムイオンとニッケル水素を、タイヤは15インチと17インチホイールの仕様をラインアップした。

 今回、試乗したのは「Aプレミアム、リチウムイオン電池、15インチホイール」のFF車。撮影前に各仕様を乗り比べたが、個人的にはAかAプレミアムのリチウムイオン電池車の、15インチタイヤ、4WDモデルがベストな組み合わせだと思った。

 新型になって格段に性能が向上したのが乗り心地。特にリアシートは、リアサスペンションをダブルウイッシュボーンに変えた効果が大きく出ている。電池については将来リチウムイオンのほうが主流になると思われる。実走燃費は21〜38km/Lだった。

 一方、日産『リーフ』は2010年に販売を開始。こちらも改良を重ねながら、15年末までに世界累計で約20万台を販売。世界で最も売れている電気自動車(EV)となっている。『リーフ』の改良の歴史は、走行距離を延ばすことにあった。同社は開発を重ね、最新型はリチウムイオン電池を採用。280km(JC08モード)を達成した。デビュー当初は100kmを走るのがやっとだったことを思うと別次元の進化だ。

 今回、試乗したモデルは走行4800kmのGグレード。『リーフ』は全モデルFF車で、電池容量は最新の30kW/Nと24kW/Nが選べる。30kW/Nモデルに乗ってみると、メーター内の充電量は100%を表示。航続可能距離は215kmと表示されていたが、エアコンやオーディオを使いながら、15kmほど走った時点で充電量は90%、航続可能距離は169kmになった。これだけ走れば100km圏内のドライブは安心だ。

 ハイブリッド車はこの先、プラグインにシフトしていく可能性が高い。EVは排ガス0のタウンユース中心からロングツアラーカーへと進化する可能性を秘めている。いずれも今後の進化から目が離せない。

◎走りが楽しい最強ハイブリッド
トヨタ『プリウス』

Specification
■全長×全幅×全高:4540×1760×1475mm
■ホイールベース:2700mm
■車両重量:1380kg
■排気量:1797cc
■エンジン形式:直列4気筒DOHC/交流同期
■最高出力:98PS/5200rpm/72PS
■最大トルク:142Nm/3600rpm/163Nm
■変速機:電気式無段
■燃費:37.2km/L
■車両本体価格:319万9745円


先代(3代目)とホイールベースは同じだが、全長は前に25mm、後ろに35mm延長。全高は20mmほど下がったが、前席のヒップポイントも59mm下がったので室内は広く感じる。独特のプロポーションが特徴的だ。


リアゲート付き5ドアハッチバック形状を踏襲。スポイラーとバンパーの間の後方確認用ウインドウも受け継がれている。リアのデザインはユニークだが徐々に見慣れてくる。

◎世界で20万台以上売れているEV
日産『リーフ』

Specification
■全長×全幅×全高:4445×1770×1550
■ホイールベース:2700mm
■車両重量:1480kg
■排気量:0
■エンジン形式:三相交流同期
■最高出力:109PS/3008〜10000
■最大トルク:254Nm/0〜3008rpm
■変速機:電気式無段
■燃費:280km(1充電航続可能距離)
■車両本体価格:401万8680円


ホイールベースは『プリウス』と同じだが、全長は95mmも短く、全高は75mmも高い。デザインの違いで印象はかなり変わる。エマージェンシーブレーキや車線逸脱警報などが全グレードに標準装備された。


基本的なフォルムはデビュー以来変わっていない。今回の改良型から写真のオレンジとブルーが加わった。ルーフスポイラーとコーナーの形状で空気の流れを制御する。

《実用性と上質感を両立させた最新モデル》

◎トヨタ『プリウス』

■エンジンルーム


エンジンは1.8Lの直列4気筒ガソリンエンジン。アクセルをオンした時のエンジン音はやや大きめ。モーターの回生音もやや大きめだ。

■運転席と各種装備


ダッシュボード中央にあるメーターのレイアウトは初代から同じ。ナビ画面も見やすい。ハンドルやコンソール部の白いパネルが目立つ。

■シートスペース


先代より大幅に低くなった前席のポジション。腰を支えるようランバーサポートがスイッチで調整できるようになった。後席も乗り心地は快適。

■ラゲージスペース


搭載する電池の形状と搭載位置を修正したことで広くなった。リアのラゲージスペースには9.5インチのゴルフバッグが4セット収納可能。

◎日産『リーフ』

■エンジンルーム


前部にあるパワーユニットは、モーターとインバーターと車載充電器やDC/DCコンバーターを一体化したパワーデリバリーモジュールなどを格納。

■運転席と各種装備


運転者の目の前にくるのは、2段重ねのツインデジタルメーター。内装は黒の本革とファブリックを組み合わせている。

■シートスペース


前席の着座位置はやや高め。後席もクッションが分厚く着座位置も高め。天井が高いので開放感がある。後席の中央も大人が座れる。

■ラゲージスペース


左右のサスペンションの張り出しは大きいが、ゴルフバッグも9インチサイズなら2セット収納できる。後席は6対4の分割可倒式。

【ココがポイント!】

◎トヨタ『プリウス』

『プリウス』のシフトレバーはインパネから生えている!


ポジションは、R、N、D、Bから選択。Pはインパネのボタンを押す。EV/パワー/ノーマルの走行モードの選択は、シフトの横にあるスイッチで行なう。

縦列駐車が苦手な人にうれしい自動駐車機能


超音波センサーを使って、周囲の障害物を検出し、駐車スペースを判断する。運転者が右下にあるハンドルマークのスイッチを押すだけで、縦列・並列駐車を自動でやってくれる。

◎日産『リーフ』

こんなに小さいシフトレバーは見たことない!?


『リーフ』のシフトレバーはセンターコンソールにある。PからR、N、D/Bを選択。シフトの頂部にもPボタンが付いている。Dレンジで停車している時のクリープが意外に強い。

こんなところにソーラーパネルが!


リアスポイラーに埋め込まれているソーラーパネルは、12Vのサブバッテリーに補充電するためのもの。スポイラーも車体後部の空気の流れを整える役割を果たし燃費向上に貢献。

〈クルマとしての完成度の高さで『リーフ』に軍配〉

◎トヨタ『プリウス』

[運転性能]EV、パワー、ノーマルのモード切り替えでドライビングスタイルを選べる。まだ足回りの重たさも感じる。17点

[居住性]全高は低くなったが、シート位置も下がったので広く感じる。後席の乗り心地もかなりよくなったがまだまだ。16点

[装備の充実度]安全装備の精度は高い。自動駐車機能は使い勝手がとてもよいが上級グレードだけの標準装備。17点

[デザイン]フロント、リアともに幾何学的なラインが交差し、独特の新世代デザインが展開されている。18点

[爽快感]新規格「TNGA」を採用し、乗り心地、ハンドリングともに向上したがあくまで旧型と比べてというレベル。17点

[評価点数]85点

◎日産『リーフ』

[運転性能]スタート直後からのトルクの太さと中間加速でのレスポンスのよさはEVならでは。コーナリングも安定感がある。18点

[居住性]前席の視界は『プリウス』にやや劣る。後席は座面の厚みがあり快適。床中央のトンネルがやや高い。17点

[装備の充実度]エマージェンシーブレーキと車線逸脱警告を全モデルに標準装備。リアのラゲージスペースはやや狭い。17点

[デザイン]デビューして6年目に入るが古さを感じさせない。発売当初は大きすぎると感じたが、航続距離が伸びると納得。18点

[爽快感]スタートからのアクセルレスポンスは抜群で加速感は爽快。遮音性が向上すれば、スピード感も楽しめる。17点

[評価点数]87点

【OTHER CHOICE】激化する次世代エンジンの開発競争。主役はPHEVとEVへ

 ガソリンエンジンとディーゼルが主流だった自動車の動力源。しかし近年、水素や電気を用いモーターで走行する自動車が次々と実用化されている。エンジン+モーターのハイブリッド車、そのモーター用電池に外部充電もでき、EVの航続距離を延ばした(排ガスを出さない距離を増やした)プラグインハイブリッド(PHEV)。電池の充電にエンジンを用いたPHEVやEVも発売されている。

 こうしたクルマは、排出ガス(CO2)を出さずに走行することが主目的で開発された。理由はアメリカや欧州での排ガス規制が厳しくなり、自動車の販売に影響を及ぼし始めたからだ。自動車メーカーとしては利益を出すために、高価格=高性能なクルマを売りたい。しかし、そういうクルマは排出するガスの量も多い。排ガス規制はメーカーの総量で計算するので、排出量の少ないクルマを多く売れば、排ガス量の多いクルマも売れるというわけだ。しかし、北米ではハイブリッドカーはクリーンカーに認定されなくなった。今後はPHEVやEV、燃料電池車の開発に力が注がれるはずだ。

三菱『アウトランダーPHEV』
359万6400円〜(補助金上限29万円)

VW『ゴルフGTE』
499万円(補助金上限38万円)

BMW『i3』
499万円(補助金上限約17万円)

文/石川真禧照

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