就寝前はぬるめのお湯に長めに浸かったほうがいい理由

就寝前はぬるめのお湯に長めに浸かったほうがいい理由

@DIME アットダイム

■連載/阿部純子のトレンド探検隊

◆新製品&リニューアル品では炭酸量が従来の約4倍に

 バスクリンのロングセラー商品『きき湯 ファインヒート』からリニューアル3商品と、発汗や代謝促進に着目した新商品『きき湯 ファインヒート スマートモデル』(いずれもオープン価格)が発売された。「ファインヒート」はきき湯の中でも温浴効果を追求した製品で、きき湯より粒が大きく濃厚な炭酸で体を芯から温める。

 リニューアル品は「グレープフルーツの香り」「レモングラスの香り」「カシス&シトラスの香り」の3種で、日々の疲れとは違った重い疲れや、どうにかしたい疲れの緩和として開発。疲れがたまった週末や、旅行やスポーツ後などに使用することを勧めている。

 新製品の『きき湯 ファインヒート スマートモデル』は発汗、代謝促進がテーマで、濃厚炭酸湯に発汗促進作用のあるトウガラシエキスや塩を配合し新陳代謝を促進。体にたまっただるさ、太り気味という悩みを解決するための製品として開発され、代謝が悪く冷えを感じている人や、食事に気を遣い健康と美容に関心が高い人など、女性を意識した商品になっている。

 4製品はいずれも従来のきき湯の約4倍の炭酸量で、きき湯にふくまれている温泉ミネラル(有効成分・硫酸ナトリウム)と、従来のきき湯にはなかった、血流促進効果の高い生薬のジンジャー末を配合している。お湯に溶かすと炭酸量が多いので発泡量も多いのがわかる。

「スマートモデル」は発売前の評価では「お風呂に入ってすぐ汗が出た」、「むくみがすっきりした」というコメントも。また、20代と50代の男性を対象に「スマートモデル」の入ったお風呂とランニングをしたときの発汗量の比較実験を行ったところ、20代、50代ともにランニング15分より、40度15分の入浴の方が発汗量が高かった。さらに20代はランニング30分よりも入浴15分間の方が高い発汗量に。

「湯船につかる全身浴は温熱作用、静水圧作用、浮力作用があり、体が温まり血流が促進、リラックス効果が得られる。入浴剤を使えば含まれている温泉ミネラルによって保温効果が高まり、炭酸ガスで血流が促進される。

 現代は空調設備が整い、体を動かす機会も減っているので汗をかく機会が少なくなっている。汗は体温を調整するうえで大事な役割があり、汗をかかない生活が続くと汗腺機能の低下につながり、夏場は熱中症や脱水症状になりやすくなる。外的要因で汗をかくには運動以外では入浴だけしかない。ランニングとの比較テストでは、ランニングよりも入浴の方が手軽に汗をかけることが判明した」(バスクリン 製品開発部 吉岡 涼介さん)

◆スポーツ現場における入浴の関わり

 発表会では順天堂大学准教授の柳谷 登志雄さんによる、スポーツの現場における入浴の関わりについて講演が行なわれた。スポーツ科学者である柳谷さんはスポーツバイオメカニクスの先駆者としても知られている。大ヒット商品の子ども靴『瞬足』(アキレス)の開発や、「アニソン・エクササイズ」の監修を手掛けるなど幅広く活動している。

 順天堂大学スカッシュ部部長でもあり、柳谷さんがトレーニング計画を立てているスカッシュ部における選手やコーチらとの関わりの中で得られたデータや体験談が語られた。

○「超回復の原理」

 激しい運動を行なうと伸張性収縮が筋肉痛で起こる。筋肉が傷ついたまま放っておくと筋肉痛が起こるため、日々の疲労をその日のうち取り除くことが大切で、毎日きちんとリフレッシュする必要がある。

 トレーニングを続けると疲労でパフォーマンスが落ちていくが、練習を止めて回復させると調子が上がってきて、前のレベルを上回るようになる。この「超回復の原理」で計画的にトレーニングを行い、疲労を確実に回復させるのが大切。トレーニングはやり過ぎるとケガの可能性もあるし、疲労が残ったまま試合に臨むことにもなり、トレーニングはただやればいいのではなく、休むこともトレーニングになる。

○トレーニング直後はアイシング

 トレーニングで傷ついた筋肉の炎症は冷やさなくてはいけないので、トレーニング直後はアイシングを必ず行なう。氷嚢で冷やす方法もあるが、氷嚢だと皮膚表面と浅層の筋肉だけしか冷やさないので、「アイスバス」という氷を入れたバケツに足を入れて一気に冷やす。そうすると短時間で芯まで冷やすことができるので効果が高い。練習直後にすぐに冷やすのが肝心で、毛細血管が収縮して血液の流れが止まり、代謝が止まって炎症も止まるので痛みもなくなる。

○アイシングのあとは温浴で体を温める

 アイシングをしたあと、温浴をして体が温まると血管が拡張して血行が良くなる。温められた部分の血液量が増加して、血液中に含まれる栄養分が増加し、老廃物を取り除いてくれる。また硬くなった筋肉もほぐしてくれる。普段は重力の影響で立っていても座っていても体に力がかかっているが、水中では浮力が発生するので無重力に近い状態になる。水やお湯に入ると浮くので今まで使っていた筋肉を休ませることができるため、疲れが取れてリラックスできる。水による圧力がかかるのでマッサージ効果もある。

 温浴は交感神経と副交感神経にも作用し、副交感神経支配になると心拍数が下がりリラックスできるので、寝る前はぬるめのお湯に長めに入る。逆に熱いお湯に入ると交感神経が活発になりやる気が出て気持ちが高まり、やがて収束して心身が落ち着くので、緊張しているときは熱めのお湯に短時間入るといい。

 近年、スポーツ界で取り入れられているのが交代浴。熱いお湯と冷たい水に交互に入ることで、血管が縮んだり拡張して循環が高まり、血管のポンプ作用がよく働くといわれる。国際的なスポーツ大会などのウォーミングアップでは、日本を含め各国で交代浴を採用している。交代浴をやることでけが人が減り、パフォーマンスが伸びた選手も実際にいた。

 アイシングと温浴の効果を話したら選手の意識も変わってきて、練習のあとシャワーだけだった選手がお風呂に入るようになり、自宅でも浴槽を利用する選手が多くなった。入浴後は柔軟性が高まるので、試合の前に入浴させて、筋肉、関節を温めストレッチをすれば柔軟性が上がるのではと考えている。ただし、温めすぎると瞬発力が落ちるので、そのあたりは見極めながらやっていきたい。

○普段あまり運動をしない人にも温浴は効果的

 リラックスして温浴すると血液循環が高まり、汗をかいて代謝も高まる。運動したくない人でもお風呂に入るだけで汗が出るので運動したのと同じ気分を味わうことができる。疲れた体を回復させることもできる。代謝が高まるとエネルギー消費もするのでほんの少しだけ痩せるかもしれない。

 筋肉の中にあるストレスタンパク質のひとつ「ヒートショックプロテイン」は、熱によって誘導され、損傷した細胞を修復する働きを持つ。これにより筋肉のトレーニング効果を高めることができる。「ヒートショックプロテイン」は筋肉の萎縮を抑制するので、温熱負荷をかけることで、関節可動域の低下や筋力の低下を抑制する。年を重ねると筋肉痛が来るのが遅くなる「遅発性筋肉痛」も、温めることで抑制することができる。

 お風呂に入ることで温熱療法と同じような効果があると言われているので、子どもの運動会などでがんばったときはまず冷やして、その日の夜はちゃんとお風呂で温めると痛みを抑えることができる。

【AJの読み】疲れた、だるいというときや、運動したあとにはお風呂に入ろう

 温浴や入浴剤の効果は取材を通じていろいろと見聞きしてきたので、体が楽になるというのはわかっているものの、暑い日はついついシャワーで済ませてしまっていた。だいぶ涼しくなってきた最近はきちんと湯船を入っている。『きき湯 ファインヒート スマートモデル』を試してみたが、ぬるま湯で20分ほどつかっているとかなり汗が出た。発汗作用は従来の物より高いと実感。柳谷先生の話に出た「遅発性筋肉痛」もこの歳だと常に実感している。忘れたころに襲ってくる痛み。運動不足からかポタリングしただけでも筋肉痛になるので、帰ったらまずアイシングして、夜はゆっくりとお湯につかる。次回からはぜひ実践したい。

文/阿部 純子

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