意外と知らない万年筆の正しい使い方と手入れの方法

意外と知らない万年筆の正しい使い方と手入れの方法

@DIME アットダイム

使い慣れた万年筆ユーザーでも意外に知らないのが、基本的な使い方。持ち方ひとつでも知れば書き心地が劇的に変わります。書く楽しみも120%アップする「基本のき」を文具のプロである、文具コンサルタントの土橋正さんに教えていただきました。

◎万年筆は書き手の感情を伝える道具

 文具コンサルタントの土橋正さんいわく、「これほど書いた時の気持ちよさが、ダイレクトに伝わるものはない」という。

「しかも、万年筆で書くとインクの濃淡が出て、それが味わいになる。字のつたなさを覆い隠してくれるというか、そういう包容力が万年筆にはあります」

 では文具コンサルタントならではの、選ぶコツとは?

「サインに使うのか、礼状に使用するのか、しっかりと用途を決めてから買うことが大事です」

 試し書きの際は、2つのことに留意すべきと土橋さんはいう。

(1)座って書く。

(2)自分が使う想定をしている用紙を持っていき、それに書く。

「限りなく実際の状況に近づけて選ぶ、ということが大事なんですね。万年筆は、正しく使えば一生使えますから、自分に合った万年筆を探してください」


使うほど万年筆は手の一部に。土橋さんの20年愛用のペン先は、わずかだが平らになじんでいる。

01. ペン先ではなく軸側を持つ

「万年筆は、ボールペンなどのほかの筆記用具と違って、それほど筆圧を必要としません。疲れないんですね。力を入れたい時は、おそらくペン先に近いほうを持つと思うのですが、万年筆でしたら、軸側を軽く持つだけで、サラサラッと書くことができます。『これが万年筆の流儀だ!』という決まりがあるわけではありませんが、私は万年筆の軸側をやさしく持つようにしていますね」

02. ペン先の位置は常に上向きにする

「万年筆を使う方が、間違うことはおそらくないと思いますが、万年筆のペン先は常に上向きにして使用します。逆向きで使用しないようにしてください。万年筆のペン先はとてもデリケートなのです。万年筆を選ぶ際も、ペン先は重要です。ペン先は素材によっても感触が違いますし、ペンによっても硬さがそれぞれ違います。試し書きしながら自分の好きな書き味を見つけてください」

03. ボールペンの時より力を抜いて書く

「写真は、力を全く入れず、万年筆を動かしているところです。このように、ペン先が紙に触れているだけで書くことができるんですね。軽く素早く書ける、というのは、万年筆の最大の特徴で、私の場合で言いますと、思考の回転速度についてきてくれるんです。かつての文豪たちが、こぞって万年筆を使っていた理由がよくわかります。私も、草稿は必ず万年筆で書くようにしています」

04. お手入れは水洗いだけで意外に簡単

「万年筆のお手入れは、難しそうに見えますが、それほど手がかかりません。一番のお手入れ方法は、実は“使い続けること”だったりします(笑)。使わないでいると、ペン先のインクが固まってしまうことがありますが、これも、水洗いをすればまず大丈夫です。インクが落ちにくい時は、紙コップの中にぬるま湯を入れ、そこにしばらく浸しておけば、きれいになります」

文/編集部

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