スポンジたわしで10円玉がピッカピカになるのはなぜか?

スポンジたわしで10円玉がピッカピカになるのはなぜか?

@DIME アットダイム

 スポンジたわし……ツートンカラーのイカすアイツだ。普段何気なく使っているスポンジたわしが、ビックリするほどの高性能を秘めているってご存知だろうか?

■水も洗剤も使わず、スポンジたわしだけで10円玉がピッカピカ♪

 3Mが販売する“ザ・スポンジ”と呼びたくなる、ごくオーソドックスなスポンジたわし。元々がアメリカのメーカーらしい、ご機嫌にカラフルなパッケージでそそられる、『スコッチ・ブライト 抗菌ウレタンスポンジたわし(研磨粒子あり) S-21KS』。ご家庭の定番商品が本当にスゴい性能を持ってるのか? 疑いながら、実験を行なってみた。

 袋をあけると現れる、おなじみの黄色と深緑のツートンカラーが、やけにまぶしい。とはいえ、まあ、ごくごく普通のスポンジたわしである。

 スポンジたわしで実験する前に、比較のために紙やすりで10円玉を磨いてみる。ごしごし磨くと、周辺部分や飛び出しているところはピカピカになっていく。

 しかし、磨けたのはここまで。大部分は茶色くて古い10円銅貨のままである。

 そこで、スコッチ・ブライトのスポンジたわしの登場だ! まずは、かる〜くこすっていく。その時、水や洗剤は不要だ。

 するとどうしたことだろうか、10円玉がピッカピカになるではないか! 銅の真新しい輝きを取り戻した10円玉。昭和44年製造というから、40歳代の筆者よりも年長者なのに、まるで若者のようにまぶしい。しかも、大して力を入れずにササッと磨いただけなのに……。うらやましい……。

 ちなみに、こちらは紙やすりで磨いた場合。平等院鳳凰堂も、どんよりとくすんだままだ。

 なんで、こんな違いが出るのか。簡単にご説明しよう。

 まずは、紙やすりで10円玉を磨いた場合。下の略図でイメージしてもらえば分かると思うが、やすり面が表面の出っ張った部分にしか当たらず、そこしか磨けない。

 一方、スポンジたわしの方は「不織布(ふしょくふ)」というものが鍵となる。

 不織布とは、その名の通り、編んだり織ったりしないで作られた布のことをいう。

 このスポンジたわしは、濃い緑色の部分がナイロン不織布となり、泡立ちに優れた黄色のウレタンスポンジを、貼り合わせてできた製品だ。

 不織布は編んだり織ったりしないかわりに、研磨剤が付いている繊維が自由に、複雑に絡み合って、ばねのような状態になるのだ。だから、10円玉のように表面が凸凹していても、繊維が隅々まで届き、ナベについたコゲなどまで、しっかり磨くことができるというわけ。

 実際に、たわし部分がどのようになっているか? ルーペを使ってのぞき込むと……

 ちりちりの合成繊維が絡み合うようにしてできていることがわかる。

■ガラスをキズつけないスポンジたわしもある!

 不織布の偉大さはわかったけど、3Mにはさまざまなスポンジたわしがある。それはなぜか? 実は、”不織布の硬さ”と“研磨材の種類”の使い分けに、バリエーションが増えていった理由があるのだ。

 10円玉を磨いた、抗菌ウレタンスポンジたわしのたわし部分を触るとかなり硬いことに気づくはずだ。もちろん頑固な汚れには強いのだが、磨く相手がキズに弱いようだと、ちょっと厳しい。

 たとえば、ガラス。最近のガスコンロ・IHクッキングヒーターの表面は、ガラスで覆われていることが多い。だって、見た目がキレイだからね、主婦の自慢♪ ってな具合だ。

 しかし、美観に優れるとされるガラスだが、レンジを使って飛び跳ねる油汚れや、こぼしてしまう食べ物、飲み物……使えば使うほど、汚れまくっていくのである。それをキレイに掃除するために、ごしごしって強引に洗ってしまうと、汚れを落とした後、ガラス表面に無数のキズができ、後悔の涙が流れ落ちる。

 後悔をする前に知っておきたいのが、ジャジャ〜ン、スポンジたわしのバリエーションだ。

 こちらは、『スコッチ・ブライト ガスコンロ・IH用クリーナー』である。研磨材にコゲよりも硬く、ガラスより軟らかく、油を吸着する活性炭粒子を使っているので、ガラス天板をキズつけず、油汚れやコゲ汚れを落とせるよう、工夫されているのだ。そして、分割して4つとして使えるのも、ありがたい。

 試しに、ガラス板へびったりと、油汚れをつけたものを用意する。汚れが大嫌いな筆者は、見ただけでウンザリしてしまうが、ここは腹をくくってガスコンロ・IH用クリーナーで磨くことにする。

 汚れの表面にちょっとだけ、水をつけて磨いていく。するとどうだろう、汚れがグングンと落ちていくではないか! しかも、大した力を必要としない。これは主婦の心強い味方といえよう。

 ウレタンスポンジたわしを使えば、10円玉もピッカピカ、ガラスについた油汚れもピッカピカ。この様子に今まで、スポンジたわしなんて、どれも一緒だよ……と高をくくっていた筆者も、目から鱗がバラバラと落っこちた。

 性能を決める重要なポイントは、不織布と研磨材の硬さとのバランスにあるようだ。

 だからだろう、3Mだけでもこ〜んなに、ウレタンスポンジやたわしの種類があるというのだ。といっても、この写真内に収まっているのも、全体の一部でしかないのだが……。

 身近でいながら知らなかった、スポンジたわしの秘密。研磨粒子と不織布に着目して調べてみれば、その性能の違いが分かってくる。これで、週末のホームセンター、スーパーでスポンジたわしを選ぶのも、そして、買ったスポンジたわしで炊事、掃除を手伝うのもきっと、今よりグ〜ンと楽しくなるってものだ。

文/中馬幹弘(ちゅうま・みきひろ)

慶應義塾大学卒業後、アメリカンカルチャー誌編集長、アパレルプレスを歴任。徳間書店にてモノ情報誌の編集を長年手掛けた。スマートフォンを黎明期より追い続けてきたため、最新の携帯電話事情に詳しい。ほかにもデジタル製品、クルマ、ファッション、ファイナンスなどの最新情報にも通じる。

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