シーズン到来!ディスク型、カマド型、風利用、焚き火台選びのコツ

シーズン到来!ディスク型、カマド型、風利用、焚き火台選びのコツ

@DIME アットダイム

■連載/大森弘恵のアウトドアへGO!

◆シンプルなディスク型焚き火台がヒット中

 焚き火が恋しい季節がやってきた。

 アウトドアショップやホームセンターではいろいろな焚き火台が販売されているが、今シーズンはペトロマックス『ファイヤーボウル』に代表されるシンプルな「ディスク型」と、ロゴス『LOGOS the KAMADO』やユニフレーム『薪グリル』など調理向きの「カマド型」が売れに売れている。

 ペトロマックスはご存じの通り、灯油ランタンを発明したドイツが誇る老舗メーカーだ。2006年にジョナス・タウレック社長が就任後、伝統的な灯油ランタンだけでなく、ダッチオーブンやフライパンなど重厚で長く使える焚き火アイテムを次々に投入。ライトでコンパクトな製品を主流とするキャンプ市場の逆をいくラインナップだが、これが次々ヒット。2016年春日本上陸のファイヤーボウルもスチール製で、一番小さなfs38で約3kg。決して軽くはないが、ちょっぴりレトロな雰囲気と自由度の高さが実に魅力的だ。


ペトロマックス/ファイヤーボウルfs38(9000円+税。fs48=1万1000円+税、fs56=1万5000円+税もある)。
重厚なスチール製の鉄板に3本の脚を装着する焚き火台で、食材を焼く鉄板としても使えるのがおもしろい


脚はねじ込み式。シンプルなので、準備も片付けも簡単だ。スチールなので、使用後は薄く油を塗っておく等メンテナンスをする楽しみもある


薄く収納できる。クルマやクローゼットのすき間に収まるサイズ感が魅力的

 


“焚き火はクリエイティブな遊び”と呼ばれるが、多くの焚き火台はフチがあって薪の組み方は限定される。ファイヤーボウルはふちなしなので、直火同様いろいろな組み方を試せるのがおもしろい。


一番小さなfs38はφ38cm。キャンプ場で販売されている薪は35〜45cmなので、はみ出した薪が落ちないように気をつけたい


薪が燃え尽きたら、灰を指定場所に捨てるのだが、ロストル(炭や薪の下に敷く火格子)がないのでそのままガバッとひっくり返せばOK。フラットなので細かなところに灰が入り込むこともない


灰捨て場がないキャンプ場では、火消し壺など密閉容器に入れて確実に消火して持ち帰る。この後、雑巾でサッと拭うだけでいいのはありがたい

問い合わせ先:スター商事 03-3805-2651
http://www.star-corp.co.jp

◆カマド+窯! 焚き火料理を同時進行

 一方、カマド型人気をけん引しているのは、ロゴスの『LOGOS the KAMADO』。2015年にリリースされ、上部のかまど部分を取り付ければピザのようなオーブン料理やかまど風の鍋料理もできると瞬く間に評判となった。

 ベースとなる焚き火台は、同社のロングセラーであるピラミッドグリルによく似た構造。底から空気を取り入れる構造で薪が良く燃えるのはピラミッドグリル同様。違いといえば、脚部の形状と、オーブン時に薪や炭の調節をしやすいようフロントにマドが付いていることだろう。焚き火台の準備はスピーディーにできる。

「日本古来の竈とドーム型の石窯をヒントに、収納性と熱効率に優れたピラミッドグリルを発展させました。

 オーブン料理では、食材の周りに燃料を配置することで400℃以上の温度で調理が可能。ピラミッド10面体構造で効率よく熱対流を推進させ、石窯のように短時間でおいしく調理できます。鍋料理では、カマド構造から鍋の周囲からも過熱されるようになっています。オーブン料理と鍋料理が同時に行え、収納もコンパクトにするためにこの形になったんです」(ロゴスコーポレーション 中村愛実さん)

 焚き火台がベースなので、調理をするならローチェアに座りながらが基本。立ったままの作業ができないのが残念だが、来年度は別売のハイスタンドが登場する予定だから楽しみだ。


ロゴス/LOGOS the KAMADO(1万9900円+税)。
同社が培った焚き火台の技術をベースにした多機能グリル。かまどと窯の仕組みを組み合わせることで、かまどでの鍋料理、窯でのオーブン料理を同時に進行できるのがユニーク。もちろん、バーベキューもOK


かまど部分の天蓋を取り除けば、10インチのダッチオーブンを載せられる。熱がダッチオーブンを包み込むので、効率よく煮込めるし、ごはんもおいしく炊ける


独自のピラミッド10面体構造により効率よく対流熱を発生させるので、石窯のような効果を生み出す。上部には温度計がセットされているので、ローストチキンやピザ、グラタンなどオーブン料理がはかどる


かまど部分を取り外すと、焚火ピラミッドグリルのような焚き火台に変身。焚火ピラミッドグリルよりも炎が見えるのでダイナミックな印象だ

問い合わせ先:ロゴスコーポレーション 0120-654-219
http://www.logos.ne.jp

◆野営場のかまどがポータブルに生まれ変わった

「キャンプ場の炊事棟によくあるブロックやレンガで作っているかまどをキャンプサイトに持ってきたいという声からスタートしました」(新越ワークス ユニフレーム事業部 横田直之さん)と言う通り、ユニフレームの薪グリルは、キャンプ場のかまどをそのまま再現したようなデザインだ。

 ぺたんこの板を広げて、灰受けとロストル、ゴトクを載せるだけというシンプルな構造だが、灰受けは同社のロングセラー卓上BBQグリルのユニセラを思わせるV字。本体と灰受けの下部には小さな空気孔があいており、本体が風を防ぎつつキチンと燃焼できる設計だ。ユニセラのサイドトレーを装着して、トングや調味料を置けるのもおもしろい。

「調理する際に鍋やハンゴウを並べて使えるように横長の形状を採用しました。また、コンパクト性と防風性を高めるために“コ”の字型にして、12インチのダッチオーブンや大鍋が置けるように奥行きをもたせています。この商品は燃焼効率を追求した商品ではなく、薪いじりをしながら、火力調節、調理を楽しむアイテムなんです」(横田さん)


ユニフレーム/薪グリル(1万1112円+税)。
炊事棟のかまどをイメージした、調理ができる焚き火台。ダッチオーブン12インチが置けるタフな作り。炭にも対応する。

 
本体となるステンレス板を広げて、灰受けを奥の穴から差し込む。あとはロストルとゴトクを載せるだけで準備完了


背面が出っ張っているのは大鍋に対応するため

 
ゴトクの高さは3段階に変えられる。火がついた状態でも、トングで1段ずつ楽にずらせた


手前に張り出している灰受け。この形状により、薪や炭を補充しやすくなっている


灰受けの下は熱くはないがほんのりあたたかい。濡れてしまった薪を置けば、乾きが早いようだ

問い合わせ先:新越ワークス ユニフレーム事業部 03-3264-8311
http://www.uniflame.co.jp

◆焚き火がもっと簡単になる風を操る焚き火台

 最後に、新しいブームを起こしそうな「風を操る焚き火台」について。アウトドアメーカーによる2017年新製品展示会では、風を利用する焚き火台がいくつか発表されている。その先陣を切るのが11月中旬よりリリースされるSOTO『エアスタ』なのだ。

 SOTOが初めて手がける焚き火台、『エアスタ』は空気の力を利用して焚き火ビギナーでもスムーズに着火できる仕組みを搭載している。

「焚き火の達人は新聞紙1枚あれば薪へ着火してしまいますが、慣れていないとなかなか薪を燃え上がらせるのは至難の業です。そこでSOTOが考えたのが、少しでも薪への着火の手助けができる機能はないか? ということ。

 エアスタは、筒の中に小枝などの比較的燃えやすいものを入れて着火。それを種火にして薪へ着火していく仕組みです。メンテナンスの手間を軽減するステンレスダッチオーブンや予熱不要のガソリンストーブなど、扱いが難しい製品でも敷居を低くしていくことがSOTOらしさ。『エアスタ』もSOTOらしい機能が備わった焚き火台ではないかと思います」(新富士バーナー 坂之上丈二さん)


SOTO/エアスタ ベース(1万2500円+税)、ウイングM(5300円+税)、ウイングL(7300円+税)。
中心部の脚付きの筒とトレイなどがセットになった「ベース」に、MまたはLの「ウイング」を装着して使用する。使用シーンによってサイズを変えられるのがおもしろい


エアスタ ベースの筒部分に小枝を詰めて着火する。筒の煙突効果を利用するのかと思われるが、新富士バーナーによると、下から上への空気の流れは生まれるが、その効果を最大限に活用して着火させるにはエアスタ ベースの筒では短いのだという


ポイントは写真のフィンキャップ。これを筒の真下に置くことで、横から吹き付けた風を上部の筒に取り込むことができるのだ。小枝は筒に沿って縦に詰められているので、新鮮な空気がスムーズに筒の中を通り抜ける。無風であれば、フィンキャップに向かってうちわをあおげばいい


「フィンの形状や取り扱い方は最後まで試行錯誤しました。当初は筒下に固定して着脱不可の設計でしたが、小枝が確実に燃えはじめたら、もう空気を取り込む必要がないため着脱式にしました」(坂之上さん)
炭を使用する場合、そのままでは炭が筒の中に落ちてしまう。そこで、このフィンキャップを筒のふたとする機能も盛り込んだのだという

問い合わせ先:新富士バーナー 0533-75-5000
http://www.shinfuji.co.jp

取材・文/大森弘江

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