ユニクロ好調に市場も反応 ファストリ株価も「谷間」抜け出すか

ユニクロ好調に市場も反応 ファストリ株価も「谷間」抜け出すか

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ユニクロを展開するファーストリテイリングの株価が好調だ。昨年2018年11〜12月に約3年ぶりに6万円台に到達した後、年明けから下落基調にあり、4月初めには5万1000円台をつけたが、春本番ともに買いが先行している。

初任給引き上げも「先行投資」と好感

最初の火種となったのは、4月2日に発表された国内ユニクロの3月の既存店売上高が、前年同月比4.5%増と伸びたことだ。客数も10.1%の大幅な増になる一方、客単価は5.1%減だった。全国的に暖冬だった冬から春に移ろうとする中で、春物の上着やスウェット、レギンス、「UT」ブランドのTシャツなど春夏商品の立ち上がりが好調だったことが要因だ。UTは「セサミストリート」「ガンダム」「葛飾北斎」といったアニメやアート、音楽などをポップカルチャーとしてあしらいプリントしたTシャツのブランド。1200以上の豊富なデザインをラインナップしており、消費者に見直されているようだ。

これを受けて3日の株価は一時、前日終値比5.5%(2870円)高の5万4670円をつけ、終値も5.4%(2820円)高だった。

3日の上げ材料としてもう一つ注目されたのが、ファーストリテイリングの新入社員の待遇を巡る報道だ。3日朝にNHKが2020年春に入社する新入社員の初任給を2割引き上げ、25万円を超える水準にする方針を固めたと報道。すぐに日本経済新聞などが追随した。世界で事業展開するファーストリテイリングにとって、国内外に転勤可能な幹部候補生として優秀な人材を確保することは必須の課題。25万円を超える初任給は、学生に就職先として人気の高い大手商社並みの水準だ。商社と報酬に差をつけないことで海外展開やインターネットビジネスに対応できる人材集めに手を打つことは、「コスト増にはなるが、先行投資として効果的」(外資系証券)と受け止められた。

さらに11日に発表された2018年9月〜19年2月期の連結決算は、前年同期比9%増の純利益1140億円と、過去最高を記録。これを受け、5万円台半ばを維持していた株価はさらに引き上げられ、12日の終値は6万円近くのラインにまで達した。

「暖冬」懸念で株価下落も...

ファーストリテイリングの株価は2016年11月〜12月の6万円台乗せ後、伸び悩んでいた。暖冬の影響でユニクロの業績が悪化するとの見方があったことが大きい。野村証券が12月25日付のリポートで、投資判断を3段階で最上位の「Buy(買い)」から真ん中の「Neutral(中立)」に格下げし、目標株価を7万3000円から5万8500円に引き下げたのに続き、SMBC日興証券や米系のジェフリーズ証券、三菱UFJモルガン・スタンレー証券が相次いで1月に目標株価を引き下げたことも響いた。

しかし、ふたを開けてみれば、1月の既存店売上高は前年同月比1.0%減と2カ月ぶりの減少となったものの、2月は3.0%増、3月は4.5%増となったことで暖冬の影響が限定的だったことが明らかになり、ムードが変わった。株式市場もこれを歓迎しているわけだ。