「もはやお手上げ状態」相次ぐ食品値上げとメーカーの本音 コスト削減にも限界が...

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食品メーカーや外食企業の間でこの春、主力商品や定番メニューの値上げが相次いだ。

飲料やアイス、即席麺など、対象となる商品は多種多様だ。人手不足による人権費の高騰などが値上げの理由だが、この先もその動きは止まらないとの見方が強い。

人気商品も相次ぎ値上げ

3月には赤城乳業が「ガリガリ君」を10〜20円値上げしたほか、4月には江崎グリコが「プッチンプリン」の価格を上げ、5月には日清食品が「カップヌードル」などを値上げする予定であるなど、主力商品の価格を軒並み引き上げるのが目立つ。単に価格を上げるだけではなく、価格を変えずに容量を減らして実質的に値上げする動きも広がっている。

一方、外食業界でも、定食チェーンを運営する大戸屋ホールディングスが4月に定食メニューなど12品目について10〜70円引き上げた。タリーズコーヒージャパンも同じ時期に「本日のコーヒー」などを10〜20円上げるなど、値上げの動きが止まらない状況だ。

各社が値上げを決めた大きな理由は、小麦や生乳など原材料費が上がっていることに加え、物流費や人件費が高騰していることだ。「これまで頑張ってきたコスト削減では吸収しきれないほど苦しくなっている」と小売り業者は話す。特に人手不足から、商品を配送するトラックなどのドライバーの確保は深刻化しており、「物流費の負担はもはやお手上げ状態」(同)という。

スーパー、コンビニの反発で難しかったが...

食品メーカーなどの値上げに対してはこれまで、デフレ下におかれている消費者の抵抗はもちろん、スーパーやコンビニエンスストアなど小売りサイドの反発が強かったため、なかなか実現できなかったとも言われている。しかし、流通業界に詳しいアナリストは「小売りサイドも、これ以上拒絶したら、メーカーから商品を卸してもらえないほど状況は差し迫っていると思っている。さすがにもう値上げはやむを得ないと受け入れ始めているのが実態だ」と話す。小売り側の理解が広がる中、メーカーの値上げの動きは今後も進んでいく可能性が高い。

ただ、10月に予定される消費税率10%への引き上げとの兼ね合いもある。増税に合わせて値上げすると「便乗値上げ」と言われかねず、今春が「増税前のラストチャンス」(ある食品メーカー関係者)というわけだ。

とはいえ、増税を前に、企業が値上げに踏み切るリスクは決して小さくない。消費者にとっては賃金がさして上がらない中、ほんの少しの値上げでも負担感は大きく、買い控えにつながりかねないからだ。「値上げしても消費者が納得できるだけの価値をもった商品やサービスをどう提供できるかがカギになる」(アナリスト)との指摘は多く、食品や外食企業にとってはいっそうの努力が求められる。