ついに辞任のスルガ銀会長 第三者委が指弾したその「経営ぶり」とは

ついに辞任のスルガ銀会長 第三者委が指弾したその「経営ぶり」とは

ついに辞任のスルガ銀会長 第三者委が指弾したその「経営ぶり」とはの画像

地方銀行のスルガ銀行(静岡県沼津市)の不適切融資問題で、創業家出身の岡野光喜会長兼CEO(最高経営責任者)ら役員5人が経営責任を取って辞任した。

第三者委員会の調査報告書の発表を受けたもので、今後は、同行へ立ち入り検査中の金融庁が行政処分の検討を進める。

「極端なコンプライアンス意識の欠如」を指摘

第三者委は2018年9月7日、シェアハウスなど投資向け不動産で不適切融資が多くの社員が関わる形で行われていた問題について、沼津市内で会見を開いて調査報告書を発表した。「極端なコンプライアンス(法令順守)意識の欠如」を指摘し、不正融資が社内で横行していたことを認定。経営幹部の岡野会長や米山明広社長については、「不正を知り得た証拠はない」としつつも、一連の問題を見過ごしてきたとして、善管注意義務違反があったとした。調査がまとまったことを受け、岡野会長や米山社長ら役員5人が7日付で辞任した。

岡野会長は、創業から100年以上にわたりトップに君臨している創業家の出身。1985年に社長に就任後、2016年からは会長を務めた。今回の調査報告書の中でも「その責任は、創業家の社長・会長として長年経営に携わってきたのであるから...(略)」などと触れられている。

また、その経営ぶりについては、「経営層と執行の現場を切り放し...」「営業数字のみで人事をコントロールし...」と批判的に分析されている。

創業家の関連企業への融資めぐる疑惑も浮上

今回の調査結果は、2018年2月に融資をめぐる審査書類の改ざん疑惑が表面化したことをうけ、5月に設置された第三者委がまとめた。これまでの社内調査でも、広範に書類改ざんなどの不正が行われていた可能性が浮き彫りになっていた。

金融庁は、4月からスルガ銀に立ち入り検査を行っており、今回の第三者委調査結果も踏まえて行政処分を検討する。今回の報告書発表と同じ日の9月7日、麻生太郎金融相は会見で、スルガ銀の行政処分の可能性について「内容次第だ」と述べた。

この発表のわずか3日前の4日には、日経新聞朝刊が「創業家系に500億円融資」「スルガ銀、実態のない企業にも」と、創業家の関連企業にスルガ銀が500億円弱を融資していることが分かった、と報じた。翌日の朝日新聞報道では、創業家親族らが役員を務める複数の会社に行った多額融資のなかに使途不明のものがあり、創業家側に流れていた可能性もあると指摘している。

金融庁は、立ち入り検査を通じてこうした融資の動きも把握している模様で、行政処分を視野に実態解明を進める。