ゴーン逃亡も防げた? ロシアの例から考える「鉄道セキュリティー」

ゴーン逃亡も防げた? ロシアの例から考える「鉄道セキュリティー」

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ほとんどの読者が承知のとおり、2019年12月29日、保釈中であった日産自動車の前会長、カルロス・ゴーン被告がレバノンへ海外逃亡した。

今回の逃亡劇では関西空港のセキュリティーが話題となっているが、この逃亡は、仮にロシアだったら不可能だっただろう。なぜ、ロシアでは逃避行が無理なのか。今回は日露の鉄道セキュリティーを考えてみたい。

指定席なら車内改札はなかった

簡単ではあるが、ゴーン被告の海外逃亡を振り返ってみよう。報道によると、ゴーン被告は東京都内の住居から徒歩で近くのホテルに移動。そこで、協力者と一緒にタクシーに乗り、JR品川駅へと向かった。品川駅から東海道新幹線に乗り、新大阪駅へと向かった。新大阪駅からタクシーに乗り換え、関西空港近くのホテルに立ち寄ったことが確認されている。その後、何かしらの大きなケースの中に入り、関西空港からプライベートジェットで日本脱出。トルコ経由でレバノンに到着し、逃避行は見事に成功した。

ゴーン被告は2時間30分〜3時間もの間、東海道新幹線でバレなかったのだろうか。東海道新幹線では2016年3月から基本的にグリーン車と指定席での車内改札を取りやめた。また、車内にある3列席にゴーン被告を挟むように協力者が座れば、第三者からも気づかれにくいだろう。とは言っても、ゴーン被告にとって手に汗握る東海道新幹線の旅だったと思われる。

「空」のセキュリティーが話題を呼ぶが...

今回は日本の話であったが、ロシア鉄道では逃避行は難しいように感じる。ロシアを走るほとんどの長距離列車では乗車前に「乗車チェック」があり、ドアの前では車掌によるパスポートとチケットのチェックが行われる。すぐに終わるケースもあれば、数分にわたってパスポートと顔をジロジロ見られたこともあった。

駅構内に入る際は荷物を金属探知機に通す必要がある。大型の楽器ケースでも何かしらのチェックが必要になるのではないだろうか。さらに、ターミナルの駅ではそこかしこに警察が歩き回っている。

このように、ロシア鉄道は日本の鉄道よりもセキュリティーチェックが厳しい。関西空港のセキュリティー体制が話題となっているが、日本の鉄道も検討したほうがいいのでは......と思うのは筆者だけだろうか。

(フリーライター 新田浩之)