カード会社がアイドルグループを結成!? 東池袋52の担当者にインタビュー

カード会社がアイドルグループを結成!? 東池袋52の担当者にインタビュー

画像提供:マイナビニュース

●東池袋52ってどんなアイドル?
先月5月19日、セゾンカードで知られる株式会社クレディセゾンが、関係会社も含む女性社員24人による「東池袋52」の結成を発表。特設公式サイトおよびYouTubeでデビューシングル「わたしセゾン」のPVを公開した。

昨年、欅坂46がリリースした「二人セゾン」の勝手にアンサーソングとして制作された同作品は、公開直後から「ガチすぎる」「想像以上に良曲」など大きな反響を呼び、実に200以上のメディアから取り上げられたという。ちなみにグループ名は、東京・東池袋のサンシャイン60の52階に本社があることに由来する。

わたしセゾンPV

6月1日からは、同社の「永久不滅ポイント」を「わたしセゾン」のCDに交換できる企画もスタートしたが、この異例の取り組みを行なう狙いはなんなのか。プロジェクトを担当する同社プロモーション戦略グループの相川耕平氏に話してもらった。

○正直に言うと乗っかりたかったんです

―― 「東池袋52」結成の経緯を教えてください。

やっぱりあのグループのあの曲がきっかけで、正直に言いますと、乗っかりたかったんです。曲中で何度も「♪セゾン」と歌われていたので、こんなチャンスは滅多にないと。それで弊社のCMやコピーを長年手がけていただいている仲畑貴志さんにも相談したところ、勝手にアンサーソングを作ったらおもしろいんじゃないかと言ってくださって。それで、やるからには尊敬を込めて、どこに出しても恥ずかしくないものを作ろうということで動き出しました。

その後検討を進めていたんですけど、本当にやっていいのか、何をもって成功とするのか、社内でも決めきれない状況のときに、仲畑さんが歌詞を書いてきてくださったんですよ。それがまた素晴らしくて。この世知辛い時代も、あなたを見ている人が必ずいるというか。いま弊社では「一緒なら、きっと、うまく行くさ」というブランドコピーを展開しているんですけど、それを違う角度から歌詞にしたような素敵な内容で、これはやらなきゃいけないと決意して、年明けから本格的に動き出したんです。

―― メンバーの人選はどうされたんですか?

各部署の部門長に、社員の力が必要だから、協力してほしいというオファーをしました。そうしたら「この子はダンスの経験がある」とか、「この子は人前に出るのが得意」とか、たくさんの推薦が届いて。最初は十数人を予定していたんですけど、最終的に20代の社員24人が集まったんです。ただ、当然みんな通常の業務があるし、支社の社員もいるので、何度もメンバーを集めて練習することができない。だから練習日を2回だけ設けて、どちらかは必ず来てくださいという形にしたんですね。

○PV画像一覧

●メンバーの人選はどうやって?
でも、いざ練習日になったら、いきなりダンスの先生から本格的なレッスンを受けるわけですから、ほとんどのメンバーはキョトンとしてしまって。半分以上はダンス未経験者だったので、動きもカクカクしてて、それを見たときは不安しかなかったです(笑)。それに、彼女たちのモチベーションが心配だったんですよ。基本的には他薦で集まったメンバーなので、ある意味会社に言われて参加してみたけど、「こんな本格的なの!?」と戸惑って、気持ちが全然追いついてなかったんです。

―― みなさん、普通の社員ですもんね。

だから、最初の練習日が終わったときは、みんな不安いっぱいな顔で帰ってましたね。でも、2回目の練習日には、本格的なダンス活動をしていた子がいて、練習を引っ張ってくれたんです。そんなこともあって一体感も出てきて、そこから撮影までは1カ月半くらいあったんですけど、撮影前日に初めて24人が揃って、直前練習が始まったら、見違えるほどになっていたんです。

たぶん、相当自主練してきてくれたんでしょうね。そこで僕らも感動して、ようやくいいものできると確信できたというか。歌詞も曲も振り付けも、本当にいいものだという自信はあったんですけど、中身が伴わないとダメだという不安があって。とにかく中途半端なものを出すわけにはいかないというプレッシャーが、完全にその日で吹っ切れて、翌日の撮影に臨めたんです。

○中途半端はやめようが一貫した認識だった

―― そのPVは既に大きな反響を呼んでますけど、クレディセゾンらしさという部分で、こだわったことはありますか?

衣装はうちの制服と似たようなデザインになってます。本当は実際と同じ制服でやりたかったんですけど、さすがに動きにくいということで、動きやすい素材や形で特別に作りました。もちろん、本社のある池袋界隈で撮影したこともこだわった部分です。

仲畑さんに作っていただいた歌詞も、ただ社名を連呼しているのではなくて、「セゾン」を日本語の「季節」に読み替えれば、普通に成立しているんですよね。先ほど言った「一緒なら、きっと、うまく行くさ」という世界観も踏襲していますし、笑える方向の歌詞にしようと思えばできたと思うんですけど、それもなく本気で作ってますので、そういうところも評価していただけたのかなと思います。

○PV画像一覧

●発表後の反響は? 今後の予定は?
―― 発表してから多くのメディアでも取り上げられてますけど、社内的にはどうだったんですか?

すごい反響でした。事前に社内のイントラには流していたんですけど、正直誰も気にしてなかったと思うんです。それが公開したら、「元気をもらった」とか、「会社のことを好きになった」とか、若い人だけでなく、50代の社員からもメールをもらったりして。

いろんな商品やサービスを出すことも大事ですけど、こうして世の中をざわざわさせて、その会社に自分がいるということで、元気になれたという人もいたと思うんですね。反対意見もゼロではないと思いますけど、かなり好意的に受け止めてもらえたかなと思います。

―― メンバーは名前どころか部署まで公表されてますけど、そこに対しての反対はなかったんですか?

そこに関しては、たくさん反対がありました。最初は源氏名にしようみたいな案もあったんですけど、本物の社員が歌って踊っていることに意味があるので、部門名まで出さないと、本当に社員なのかという疑念がいつまでも拭えないと思ったんです。そこも含めて中途半端はやめようというのが、プロジェクトチーム内の一貫した認識でした。

○調子に乗ると絶対に失敗するので、やりすぎない程度に仕掛けたい

―― カードで貯めた永久不滅ポイントを「わたしセゾン」のCDに交換できる企画も始まりましたが、会社のビジネス的な目線としては、どんな効果を期待していますか?

広く言えばブランディングということだと思います。「クレディセゾンっておもしろいね」と感じていただいて、間接的にセゾンカードに入りたいとか、もっとカードを使おうとか、そういう効果があればいいなという期待はしてましたけど、本業とがっちり絡ませて何かをしようということは全然なくて。ただ、新卒の採用活動で引き合いが増えたり、クライアントさんとの打ち合わせで「おもしろいことやってますね」と言っていただけたり、そういう効果は現れてますね。

ポイント交換も、最初は考えてなかったんですよ。賑やかしのつもりで、そんなに数も作ってなかったんですけど、いまは本当に交換してもらえそうで、追加プレスも必要なんじゃないかと焦ってます(笑)。ちなみにPVは2分半なんですけど、CDでは2番も入ったフルサイズを聴くことができます。

―― 今後の予定は?

本当に想定以上の反響をいただいたんですけど、1カ月もしたら誰も覚えてないみたいな怖さはあるので、クレディセゾンっていいねと思い続けてもらえるように、仕掛けていかないといけないなと思っています。でも、次は握手会だとか調子に乗ると絶対に失敗するので、やりすぎない程度に一生懸命アイディアを考えている段階ですね。

あと、当初からあのグループと共演したいという目標を掲げているので、それが実現できたらいいですね。決まったことがあれば公式サイトにアップしますので、今後もチェックしていただけたらうれしいです。賛否両論あるとは思うんですけど、それもひっくるめてクレディセゾンという会社を認識してもらいたい。いまは圧倒的に好意の声が多いので、それをもっと広げていけたらいいなと思います。

○PV画像一覧

<著者プロフィール>

タナカヒロシ(ライター・編集者)普段は音楽やエンタメ関係の仕事が多いが、過去に勤めていた会社の都合でクレジットカード本を作ったことをきっかけに、クレジットカード、電子マネー、ポイントなどに詳しくなる。以降、定期的にクレジットカードのムック本を編集・執筆。3月8日発売の『最強クレジットカードガイド2017 本当にトクするカードの選び方・使い方=写真=』(角川SSCムック)では、編集統括および記事の大部分を執筆している。
(タナカヒロシ)