「山」は設定されず ? 第15循環の景気の谷以降の景気動向指数

「山」は設定されず ? 第15循環の景気の谷以降の景気動向指数

画像提供:マイナビニュース

●第15循環の景気の谷以降の状況
内閣府経済社会総合研究所が「第17回景気動向指数研究会」を開催し、第15循環の景気の谷以降の景気動向指数の動き等について議論を行い、その結果を6月15日に公表した。同研究会では、どのどのような議論が行われたのだろうか? その内容を見ていこう。

○景気動向指数からみた第15循環の景気の谷以降の状況

第15循環の景気の谷(2012年11月)以降のCI一致指数の推移をみると、2014年3月まで上昇した後、同年8月にかけて下降。その後上昇に転じ、2015年以降はおおむね横ばいでの推移となっている。

また、景気の波及の程度を示すヒストリカルDIの動きをみると、2013年3月〜2014年1月まで100%で推移。その後、2014年3月に66.7%、4月には33.3%と50%を下回ったものの、2016年3月には66.7%までに回復している。

ヒストリカルDIが50%を下回る直前の月を山の候補とすることから、2014年3月に景気の山が設定されるかについて議論を行なった。

○第15循環の景気の谷以降における波及度、及び量的な変化

景気後退と判断するには、経済活動の収縮が大半の経済部門に波及していることを確認する必要があるが、ヒストリカルDIの過去の推移をみると、後退局面において0%近くまで下降していることが確認できる。しかしながら、2014年4月〜2016年2月の間における最低値は、2015年2月・3月の22.2%(山をつけていない系列数が2)となり、この間、経済活動の収縮が大半の部門に持続的に波及したとはいえない結果となった。

●景気の谷以降における波及度、及び量的な変化
また、ヒストリカルDIが50%を下回る期間(2014年4月〜2016年2月)におけるCI一致指数の量的な変化をみると、この間の下降率は-6.0%(月平均下降率-0.27%)となっている。これは、1980年以降、低下幅が最も小さかった第10循環の後退局面(-3.4%)より大きい。しかしながら、他の後退局面(第11循環-25.5%、第12循環-12.5%、第13循環-12.5%、第14循環-33.8%、第15循環-6.3%)よりは小さいことから、経済活動の収縮の程度が顕著とは言い難い結果となった。

○参考指標(実質GDP、日銀短観等の景況感)の動向

ここで、実質GDPや日銀短観等の景況感の動きと大きなかい離がないかを確認。その結果、実質GDP(季節調整系列、前期比)の動向については、2012年第4四半期以降プラス成長が続くなか、2014年の第2・第3四半期にマイナス成長に。その後、同年第4四半期以降はおおむねプラス成長が続き、2016年第1四半期〜2017年第1四半期までの5四半期に渡って、連続のプラス成長となっている。

また、「日銀短観」における大企業・全産業の業況判断DI(「良い」-「悪い」)をみると、2012年12月調査を底として改善を続け、2013年6月調査以降はプラス推移が続いている。

これらの状況から検討した結果、同研究所は、「2014年の状況は景気の山を設定する条件を満たさず、第15循環の景気の谷以降の山は設定されない」と結論付けた。
(CHIGAKO)

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