青森の夜はちょっとヘビーに〆る! 「カツカレーラーメン」は飲んだ後に

青森の夜はちょっとヘビーに〆る! 「カツカレーラーメン」は飲んだ後に

画像提供:マイナビニュース

青森県内有数の飲み屋街と言えば、弘前市の鍛治町、八戸市の横丁、十和田市の三番街が有名だ。今回はその三番街に隣接する、昭和の時代から続く深夜食堂に注目。そこには、飲み屋街で働く人や飲み歩く常連客が、愛着を感じているメニューがあるのだが、それがちょっとヘビーな装いなのだ。

○なぜ、〆にカツなのか?

その人気メニューは「カツカレーラーメン」。カツと言い、カレーと言い、ラーメンと言い、それぞれが主役級のパワーをもっているはずなのに、それをあわせてしまうという大胆な一品である。驚きなのが、このカツカレーラーメンは飲んだ後の〆として愛されているんだとか。誰がなぜ、いつ、このメニューを編み出したのだろうか。今回は特に人気のある、十和田市にある「焼肉とラーメン 与作」にお邪魔し、その謎を直接うかがうことにした。

「うちのお店自体は今年で49年目。初めの内は、カレーライスが〆として人気があった。その後、カツカレーから与作味噌ラーメンと、お客さんの要求が変遷していき、人気メニューのカツカレーとラーメンを掛け合わせたのが、〆のカツカレーラーメンの始まり。今から10年くらい前になるかなぁ。作り始めた時は、ルーとスープの調和をとるのにとっても苦労しましたよ」と、大将の矢部勇(いさみ)さん。そして、今も昔と変わらない味を提供している。

○〆に食べたくなる意外なさっぱりさ

早速、その人気メニュー「カツカレーラーメン」(税込900円)をお願いした。注文が入ってからカツを揚げる。揚げ置きを使わないのも店主のこだわり。頃合いを見計らって麺をゆで始める。暗黙の連係プレーが見事である。

ゆで上がった麺に段取りよく、スープ、麺、カツ、カレーが重なっていく。そして、あっという間に完成だ。このボリュームで一杯900円(税込)ということに驚かされる。

カツカレーラーメンのカレールーは自家製。スパイスを調合し、粉っぽい臭いを消すために2時間蒸すなど、手間を惜しまない職人仕事である。タマネギは北海道産だが、ルーに使っているニンニクを含むほとんどのものが県産品という、地産地消へのこだわりもすごい。

「どろっとしているのかな? 」と思いきや、カレーとスープが溶け込んでさらさらとした仕上がり。ダシとカレーが絶妙なハーモニーを奏で、想像よりさっぱりといただける。

名前や見た目からするとボリュームがあり、女性には到底〆には食べられなさそうなイメージだったが、細麺とさらさらとスープがマッチして、意外にスルスルとおなかに入っていく。取材中も、女性のお客さんがひとりで〆として注文し、ささっと食べて行ったのには驚いた。

○親から子へ、客も店員も世代を越え合間見える

ラーメンだけでなく、その他のメニューも豊富にある。そのため、ラーメン屋さんとしてだけでなく、家族連れや同僚と訪れては、それぞれの楽しみ方でこのお店を愛していることがうかがえた。

ちょっと気になったのが「ロシアギョーザ」(税込550円)という存在。思わず店主におうかがいしたところ、なんと店主はもともと、新宿の名店「スンガリー」(ロシア料理)で修行したんだとか。スパイスから作るとか地産地消へのこだわりとか、店主の行き届いた気配りは確かな味への探究心と受け取った。

「週末の多い時は、60〜70杯のカツカレーラーメンが出るんだよね〜」と矢部さん。そんなに? これは十和田の〆と言えば与作! といってもいいのではないだろうか。さらに言うと、人気の「与作味噌ラーメン」(税込850円)も同じくらい出るという。店内にはたくさんの芸能人のサインがあったが、「口コミや紹介で地方取材の時にいらっしゃるんですよ」と、矢部さんもうれしそう。

青森の深夜食堂文化は、もともと親父が飲んでいたお店に家族を連れていき、その子どもが成長し、やがて変わらぬ味を求めてお店の常連客になるというもの。そんな親から子どもへつながる文化と同様に、与作でも今、息子さんが手伝ってくれていて、親子2代で頑張っている。孫もいずれ戻ってくるんだとか。親子三代で作る十和田の〆メニューは、これからも引き継がれていくことだろう。

●information
焼肉とラーメン 与作
住所: 青森県十和田市稲生町18-9
営業時間: 平日17:30〜翌03:00、日曜日17:30〜02:00
定休日: 月曜日
アクセス: 十和田観光電鉄バスで十和田中央バス停下車、徒歩3分
(福田栄美子)

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