更新と引っ越し、どっちがお得?

更新と引っ越し、どっちがお得?

画像提供:マイナビニュース

●更新にどのくらいかかる?
マンションなどを借りていると、定期的に発生するのが物件の更新料。決して安くはない費用がかかるため、更新時期が来るたび「もしかして引っ越した方がお得?」と悩んでしまう人も少なくないかもしれません。また、更新や引っ越しにかかる費用、引っ越しで損をしないタイミングなどをまとめました。

○賃貸物件の更新時にかかる費用とは

更新料とは、今住んでいる物件に今後も住み続けるために支払う料金のこと。国土交通省の「平成28年度 住宅市場動向調査」によると、賃貸物件の更新時に更新料がかかるという世帯は39.5%、その月数は「1カ月ちょうど」が79.5%と最も多くなっています。また、更新料のほかに、仲介業者に支払う更新手数料が発生することもあります。一般的な更新時期は2年であるため、そのたびに2カ月分の家賃を支払う月が一度、やってくることになります。あらかじめ備えることができるとはいえ、なかなか大きな出費ではないでしょうか。

さらに、更新時には火災保険の保険料や保証会社を利用している場合はその利用料などもかかります。これらも合わせると、更新料のほかに数万円は上乗せされると心得ていた方が良いでしょう。「引っ越しするよりは安い」と思っていても、諸々の費用を考慮すると、契約を更新した場合でも意外とお金がかかるものなのです。

ただし、これまで住んでいて家賃の滞納などトラブルがなければ、大家さんや管理会社と相談して更新料を免除してもらうケースも中にはあるようです。入居時に更新料の支払いについて契約を交わしている場合もありますので、まずは書類を確認してみましょう。

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●引っ越しにかかるお金は?
○引っ越しにはどのようなお金がかかる?

一方、引っ越しをした場合はどうでしょうか。家賃が高すぎるのでもっと抑えたい、今より住みやすい物件を探したい、職場に近い家に引っ越して通勤の負担を減らしたい、といった希望がある場合、更新を機に引っ越しを検討するのもいいでしょう。

ただし、引っ越しをするには様々な費用がかかります。まず、新しく部屋を借りる際には敷金と礼金を支払う場合があります。敷金は家賃の1〜2カ月分、最近ではかからない物件も増えているようですが、礼金は1カ月分が一般的です。そのほかに、不動産会社へ支払う仲介手数料、火災保険料、保証会社を利用する場合には保証料が発生します。また、当然ながら、業者に引っ越し手配を依頼すると、その費用もかかります。近所へ挨拶に行く際の手土産や新たに買い替えるものなど、細々したお金を合わせると、それなりに大きな金額となるでしょう。

そのため、更新と比べると、引っ越しする方が費用はかかる場合が多いかもしれません。ただし、引っ越しの曜日や時間帯を工夫する、荷物量を減らす等をすれば引っ越し費用は抑えられます。また、礼金がない物件や、「フリーレント」といって、入居後の家賃が数カ月分無料になる契約形態の物件を選択することで、初期費用を圧縮することも可能です。また、退去時にはそれまで住んでいた物件における敷金の一部が戻ってきます。こう考えると、必ずしも「引っ越しの方がお金はかかるから損」とは言えません。

●選ぶときのポイントは?
では結局、更新と引っ越しは、どちらを選択するのがお得なのでしょうか。交渉次第で更新料の免除や、家賃が減額するのかどうかや、引っ越し費用や初期費用がどのくらい抑えられるかは、ケースバイケースと言えます。まず自分の場合はどちらがお得になりそうか、シミュレーションしてみましょう。ただし、一般的に引っ越し費用は更新にかかる費用より高くつくと考えられます。

また、引っ越しにはお金だけでなく、引っ越し業者の比較や荷造り、住所変更や各種手続きなどに時間と労力を使います。お金の面だけでなく、こうした手間がかかることを考慮する必要もあるでしょう。引っ越すことによって、賃貸契約を更新していては得られなかったメリットがあるかもしれません。更新より費用がかかったとしても、以前より快適に過ごせるならお金をかけた価値があるというものです。単純にどちらが安く済むかだけでなく、暮らしやすさなども含めて総合的に決めるのがベストでしょう。

○損をしない引っ越しのタイミングとは

最後に、引っ越しをするとなったとき、できるだけ費用を抑えられるタイミングについて解説します。これまで住んでいた部屋を退去するには、契約書に定められた期限までに退去の告知をする必要があります。1カ月前までというところが多いですが、中には2カ月前までの場合もあるので、入居時の契約書を必ず確認してみましょう。

退去の日までは今の物件の家賃を支払うので、退去告知が早すぎたり新居の契約から入居まで時間がかかったりすると、二重に家賃を支払う期間が発生し、不要な出費がかさみます。退去から新居への入居は、できるだけスムーズに行えるよう調整しましょう。

賃貸物件に住んでいると、更新時期が来るたびに更新か引っ越しかの選択で悩むものですよね。とはいえ、更新は今の住環境を見直す機会にもなります。金銭面だけでなく、気持ちの面でも豊かに暮らせる選択肢を、是非考えてみましょう。

筆者プロフィール:武藤貴子
ファイナンシャル・プランナー(AFP)、ネット起業コンサルタント
会社員時代、お金の知識の必要性を感じ、AFP(日本FP協会認定)資格を取得。二足のわらじでファイナンシャル・プランナーとしてセミナーやマネーコラムの執筆を展開。独立後はネット起業のコンサルティングを行うとともに、執筆や個人マネー相談を中心に活動中。FP Cafe登録FP。
(武藤貴子)

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