行った気になる世界遺産 (68) ツール・ド・フランス開幕! 世界初の世界遺産となった大聖堂に勝利を誓う

行った気になる世界遺産 (68) ツール・ド・フランス開幕! 世界初の世界遺産となった大聖堂に勝利を誓う

画像提供:マイナビニュース

7月1日、世界最大の自転車レース「ツール・ド・フランス」が今年も開幕しました。23日までとほぼ1カ月続くこのレース、2日目のコースはドイツのデュッセルドルフをスタートし、ベルギーのリエージュにゴールするというものです。この道すがらに、世界で最初の世界遺産となったアーヘンの大聖堂があります。

今回の登場人物は、このツール・ド・フランスに参加中のベルギー人選手。彼の生まれた町・ヴェルヴィエはリエージュだけでなく、カール大帝の出生地と伝わるエルスタルにも近い場所。地元にゴールするこの日、コースマップ片手に戦略を練る彼は、果たして敬愛するカール大帝のように、目覚ましい戦果を挙げられるのでしょうか。

○自転車界のカール大帝、故郷に錦を飾れるか!?

「ツールで地元を走るなんてちょっと不思議な気分だけど、地の利を生かして今日は結果を出す走りをしなくては。後半の少し起伏が多いところで動いてみるか。アーヘンあたりから坂が連続するぞ、と。

アーヘンは小学校の遠足で行ったなぁ。確か、神聖ローマ帝国の歴代皇帝の戴冠式が行われた場所だって習ったけど、ガラスの礼拝堂のステンドグラスがきれいだったことの方がよく覚えてる。

そうそう、大聖堂はカール大帝が造り上げたんだっけ。僕も、自転車界における偉大なカール大帝よろしく、レースを掌握してやるぞ。今日のゴール地点のリエージュには家族も友だちも来てくれるって言っていたし、いいところを見せなくちゃね。さ、いっちょやるぞ!」

ツールで地元を走る
「フランス一周レース」の意味を持つツール・ド・フランスだが、フランス国内だけでなく、近隣諸国がコースに組み込まれることも多い。2017年大会では、フランスのほかドイツ、ベルギー、ルクセンブルクを通過する。

アーヘンは小学校の遠足で行った
今回登場の自転車選手は、ベルギーのヴェルヴィエ出身という設定。ドイツ国境とも近く、アーヘンの町へは30kmほど。世界で最初に世界遺産登録された12の物件のひとつ、アーヘンの大聖堂を遠足で訪れていたとしても不思議はない。

歴代皇帝の戴冠式
中世から1531年まで、ここアーヘンの大聖堂で神聖ローマ帝国皇帝30人の戴冠式が行われてきたことは、世界遺産に登録された大きな理由のひとつである。アーヘンは中世以降の西ヨーロッパ世界の政治的中心地であった。

ガラスの礼拝堂
カール大帝没後600年を記念し1414年に増設された聖歌隊のためのホール。パリのサント・シャペルをモデルにしたステンドグラス尽くめの建物である。高さ25mのステンドグラスは圧巻。

カール大帝
シャルルマーニュとしても知られる西ローマ皇帝。混乱を極めた中世西ヨーロッパ世界を平定し統一した。今日に至るまでのキリスト教文化を軸とした西ヨーロッパは、カール大帝によって礎が築かれたと言える。

自転車界における偉大なカール大帝
今回の登場人物である自転車選手のモデルは、ベルギー人のフィリップ・ジルベール。ゴール地点のリエージュに程近いヴェルヴィエに生まれたが、ここはカール大帝の出生地として伝わるエルスタルにも近い。圧倒的な強さでヨーロッパ中のレースで勝利を挙げてきたジルベールを、筆者はひそかに現代自転車界のカール大帝とみなしている。

○世界遺産データ

『アーヘンの大聖堂』。文化遺産。1978年登録。2013年範囲変更。ドイツ。

○筆者プロフィール: 小俣 雄風太(おまたゆうた)

「世界遺産検定」事務局の編集広報部員。自転車ロードレースに魅せられ本場フランスに一年留学。その後イギリスのサイクリングアパレルブランドで広報を務め、世界各地で自転車に乗るうちに世界遺産を強く意識するようになる。検定を通じて世界遺産の魅力と意義を広めたいと奮闘中。

○世界遺産検定とは?
世界遺産の背景にある歴史、文化、自然等の理解を深め、学んだことを社会に還元していくことを目指した検定。有名な観光地のほとんどは世界遺産になっているため、旅の知識としても役立つと幅広い世代に人気。
主催: 世界遺産アカデミー
開催月: 3月・7月・9月・12月(年4回)
開催地: 全国主要都市
受検料: 4級3,000円、3級4,500円、2級5,500円、1級9,700円、マイスター1万9,000円、3・4級併願7,300円、2・3級併願9,500円
解答形式: マークシート(マイスターのみ論述)
申し込み方法: インターネット又は郵便局での申し込み
その他詳細は世界遺産検定公式WEBサイトにて。
世界遺産検定公式Twitter
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(小俣雄風太)

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