フォトジェニックな京都・祇園旅を--青蓮院門跡で知る伝統+ロックの美しさ

フォトジェニックな京都・祇園旅を--青蓮院門跡で知る伝統+ロックの美しさ

画像提供:マイナビニュース

京都の中でも有名寺社や史跡、名勝がいたるところに存在している祇園・東山。目的もなく路地から路地へと歩を進めても、思わぬ出会いがあるもので、「さすが京都! 」という気持ちになってくる。周辺マップを見ているだけでも、「八坂神社」の存在の大きさは伝わってくるのだが、そこからもう一歩足を伸ばした先にある「天台宗 青蓮院門跡」もまた、"ちょっと大胆な出会い"となることだろう。

○三十六歌仙と大胆な蓮が待ち受ける

青蓮院へは地下鉄東西線「東山駅」から徒歩5分、八坂神社からは徒歩10分。天台宗総本山比叡山延暦寺の三門跡(青蓮院、三千院、妙法院)のひとつとして知られ、現在は天台宗の京都五カ室門跡(青蓮院門跡、妙法院門跡、三千院門跡、曼殊院門跡、毘沙門堂門跡)のひとつに数えられている。日本天台宗の祖・最澄が比叡山を開くにあたり、山上に僧侶の佳坊をいくつか造ったが、そのひとつの青蓮坊が青蓮院の起源となっている。

また、門跡寺院としての青蓮院の始まりを担った行玄以後明治に至るまで、門主は皇族または五摂家の子弟に限られたという歴史もあり、青蓮院は古くより皇室と関わり深く、格式の高い門跡寺院とされている。まずは殿舎内を参拝し、それから池泉回遊式庭園を鑑賞するといいだろう。なお、境内全域が国指定の史跡となっている。

入り口から売店を経て最初に現れる華頂殿(かちょうでん)は、その名の通りの華やかを極めた空間となっている。見上げれば三十六歌仙額絵、そして、ロックな壁画絵師・木村英輝氏奉納の蓮の襖絵が待ち受けている。蓮の襖絵は3座敷にまたがる全60面で、「青の幻想」「生命賛歌」「極楽浄土」と3つのテーマが設けられている。

木村英輝氏の襖絵は2005年に制作2カ月というスピードで完成した。伝統的な画材にこだわらず、アクリルガッシュとネオ・カラーという現在の画材で描くことにも、木村英輝氏自身の思い入れが色濃く反映されている。

庭園に面した座敷には、「青の幻想」と題された青い蓮を描き、青が意味する慈悲の心を表現。続く座敷には、蓮とともにカエルやトンボという、子ども時代に誰もが親しんであろう小さな生き物を描いた「生命賛歌」が、そして、青・赤・黄・白と鮮やかに花開く蓮を描いた「極楽浄土」の座敷へと続いていく。襖の枠を越えたダイナミックな蓮は、それぞれ力強く、私たちに語りかけてくれているようにも感じられた。

○おみくじの創始者はちょっと辛口!?

境内には華頂殿のほか、小御所(こごしょ)、本尊「熾盛光如来(しじょうこうにょらい)」の曼荼羅を安置した本堂(本堂の東裏には国宝の青不動画像(複製写真)を安置している)、宸殿(しんでん)などの殿舎が設けられている。

途中には、第18代天台座主でおみくじの創始者でもある元三大師(がんざんだいし)の座像がある。その座像の前にはおみくじ(100円)もあるので、側に記された「効力のあるおみくじの引き方」にならって引いてみよう。たまたまかもしれないが、筆者が訪れた時、かなりの確率で凶を引き当てる人がいたようだが、自分はどうかぜひ試していただきたい。

庭園は池泉回遊式となっており、主庭は室町時代の相阿弥の作と伝えられている。跨龍橋がかかる龍心池、洗心滝と命名された滝、柔らかな曲線をえがいた築山。華頂殿でお茶(500円/お茶菓子付き)をいただきながら、心ゆくまで味わうのもいいだろう。

庭園に出るには一度、入り口まで戻る必要がある。相阿弥の庭を眺めながら、小堀遠州霧島の庭を越え、茶室・好文亭、本堂の側を過ぎ、鐘楼へ。鐘は「ご自由にお撞き下さい」とのことだったので、心を整えてひとつ撞かせていただいた。静かな境内に鐘の音が響き、厳かな気持ちになってくる。

天台宗総本山比叡山延暦寺の三門跡のひとつと聞くと、「なんだか難しそうな場所」と感じてしまう人もいるかもしれないが、まずは「フォトジェニックな空間を味わいたい」というところから入ってみてもいいのではと思う。実際に訪れたなら、独特な静けさや匂い、佇まいに、改めて京都の魅力を実感できるはずだ。

●information
天台宗 青蓮院門跡
住所: 京都市東山区粟田口三条坊町
アクセス: 地下鉄東西線「東山駅」から徒歩5分
拝観時間: 9:00〜17:00(16:30受付終了、春・秋に夜間ライトアップを開催)
料金: 大人500円、中高生400円、小学生200円
(松永早弥香)

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