泉質も自然も文句なし! 温泉旅行博士イチオシの東京近郊日帰り温泉5選

泉質も自然も文句なし! 温泉旅行博士イチオシの東京近郊日帰り温泉5選

画像提供:マイナビニュース

関東の平野部は温泉が少ない地域だったが、掘削技術の進歩によりスーパー銭湯などの日帰り温泉施設がたくさんできた。かけ流しの施設も多く、泉質だけなら本格的な温泉地と遜色ない施設も増えている。東京近郊の日帰り温泉で欠けているのは、あとは周囲の自然環境だけと言えるだろう。今回は源泉かけ流しの浴槽がある上に、自然環境も素晴らしい施設を厳選して紹介しよう。

○都心で旅館の風情を - 前野原温泉「さやの湯処」(東京都)

東京都にも日帰り温泉は多数あるが、残念ながら源泉かけ流しの浴槽がある施設は少数派。その中で板橋区にある前野原温泉「さやの湯処」(東京都板橋区)は、東京23区内では貴重な源泉かけ流しの露天風呂がある日帰り温泉だ。

さやの湯処の温泉泉質は最高で、すでに多くの温泉マニアに認められ定評があるが、今回特にオススメしたいポイントは、旅館のような風情の素晴らしさ。唐破風の門がある玄関付近には、丁寧に手入れされた盆栽のような松がいくつもあり、外観からして既に旅館のような風情である。向かって左の温泉施設と右側の食事処「柿天舎」(してんしゃ)は、一度入館すれば自由に行き来できる。

食事処にはいくつも部屋がある。好みの場所で食事を楽しめるが、庭の風情が素晴らしいので、冒頭の写真の庭に面した大広間がイチオシだ。窓ガラスが完璧に掃除されており、ガラスが全く見えないので、夏に行くと「なぜオープンエアなのに冷房が効いているのか?」と不思議に思う程だ。

食事メニューにも改良が重ねられており、何を食べてもおいしいのがうれしい限り。特に十割蕎麦とカツ丼がセットになった「せいろかつ丼」(税込1,410円)は、ボリューム満点だ!

食事処「柿天舎」には有料の個室もあり、中でも庭に面した「桜の間」は旅館の風情そのもの。大切な人との会食や接待に最適で、東京23区内で旅館気分を存分に満喫できるに違いない。

●information
前野原温泉「さやの湯処」
住所: 東京都板橋区前野町3-41-1
アクセス: 都営三田線「志村坂上」駅下車、徒歩8分
○上質を湯でも施設でも - 杉戸天然温泉「雅楽の湯」(埼玉県)

埼玉も昔は秩父の鉱泉宿しかなかったが、今では平野部に雨後の筍のように温泉のスーパー銭湯がある。その多くが源泉かけ流しで、温泉好きにはうれしい限り。中でもオススメなのが、杉戸天然温泉「雅楽の湯(うたのゆ)」(埼玉県北葛飾郡)だ。

オススメの理由は、温泉の充実度。露天風呂だけが源泉かけ流しの施設が多い中で、内湯にも源泉かけ流しの温泉があり、「内湯生源泉湯」と名付けられている。もちろん、露天風呂にも生源泉のつぼ湯・石風呂、源泉あつ湯もあり、泉質にこだわる人でも納得の温泉三昧が可能だ。

温泉だけでなく、館内の食事処や休憩所も落ち着いた雰囲気で、どこまでも上質。その理由は、温泉ファンの評価が高い清河寺温泉と同じ経営で、そのノウハウが投入された施設だから。南関東を代表する日帰り温泉施設との呼び声も高い施設だ。

●information
杉戸天然温泉「雅楽の湯」
住所: 埼玉県北葛飾郡杉戸町杉戸2517
アクセス: 東武伊勢崎線「東武動物公園駅」下車。東口徒歩2分の停留所から無料送迎バス5分
○緑を感じながら - 見沼天然温泉「小春日和」(埼玉県)

実は埼玉県には源泉かけ流しのスーパー銭湯がそろっており、日帰り温泉施設の強豪が多い地域でもある。もう一軒紹介するなら候補は沢山あるが、周辺の自然環境で選べば見沼天然温泉「小春日和」(埼玉県さいたま市)をオススメしたい。

南には緑区がある緑豊かな場所で、さらに南は造園業が盛んな川口市。北の大宮には盆栽美術館もあり、ともかく緑に縁が深い土地柄だ。施設の周囲も緑豊かで、到着時に本当に温泉があるのか不安になる程の環境の良さである。

内湯も露天風呂にも、非加熱源泉掛け流しと加熱源泉掛け流しの浴槽がそろい、泉質にこだわる温泉好きも大満足。内湯から露天風呂を眺めても、緑が豊かなのが分かる。天然温泉は天然の自然とともに楽しむことで、一層味わい深くなるに違いない。

●information
見沼天然温泉「小春日和」
住所: 埼玉県さいたま市見沼区染谷3-191
アクセス: 東北本線北浦和駅下車。東口徒歩3分の停留所から無料送迎バス約15分(日祭日は運休)
○里山で癒やされる - 佐倉天然温泉「澄流」(千葉県)

一般的に平坦だと思われている千葉だが、実は里山と呼ばれる低い丘が多数続いている。里山と里山の間は谷津や谷地と呼ばれ、その平坦な場所を水田や住宅地に利用するのが土地柄だ。そんな千葉に近年、源泉かけ流しの温泉施設が増えているが、自然環境の秀逸さで言えば、佐倉天然温泉「澄流(すみれ)」(千葉県佐倉市)の名をあげたい。

緑豊かな里山に面する「澄流」には、食事処のある本館、浴室棟、休憩室棟と黒を基調としたシックな施設が点在しており、まさに千葉らしい風情が最高の日帰り温泉施設である。開業して一年経過したばかりの新しい施設なので、気分良く滞在できるのもいい。

源泉かけ流しの露天風呂が素晴らしい上に、休憩室のリクライニングチェアの寝心地も最高。風呂に入って休憩するだけでも半日はいたくなる、あっという間に時間が過ぎる竜宮城のような日帰り温泉施設である。本心を言うとこれ以上混雑してほしくないので、あまり教えたくない温泉でもある。

●information
佐倉天然温泉「澄流」
住所: 千葉県佐倉市染井野4-7-3
アクセス: 京成本線京成臼井駅南口から無料送迎バス約10分、または、JR総武本線佐倉駅北口から無料送迎バス約10分
○箱根でジブリ体験!? - 箱根湯本温泉「かっぱ天国」(神奈川県)

神奈川にも温泉泉質が良好なスーパー銭湯は多数あるが、住宅地として開発された場所が多く、周辺の自然環境まで素晴らしい所は少数派。神奈川には東京から最も近い大温泉地「箱根」があるのだから、箱根まで行くのがオススメだ。ただし、「箱根値段」と感じる高額な施設も多いので、ここでは穴場の「かっぱ天国」(神奈川県足柄下郡)を紹介しよう。

箱根湯本駅の裏山という交通至便な場所にあり、緑豊かな裏山の階段を上って辿り着くので、自然環境は抜群。大袈裟に言えば、ジブリの世界を彷彿とさせる雰囲気の中で到着する。

実際のところ、源泉かけ流しの露天風呂があるだけで、屋根があるので裏山の緑を直接眺める訳ではない。しかし、緑豊かな階段を上っていると、その世界観にいつの間にか没入している。屋根の向こう側に広がる裏山の緑が見えるような気がするし、気配を十分に感じるから不思議だ。こんな風に不思議な気持ちにさせる点もジブリっぽいと言える。

一般的には日帰り温泉施設として知られているが、実は宿泊も可能。駅前だが無料駐車場も完備しており、知っていると何かと役立つに違いない温泉施設だ。

●information
箱根湯本温泉「かっぱ天国」
住所: 神奈川県足柄下郡箱根湯本777
アクセス: 箱根登山鉄道箱根湯本駅下車徒歩3分

今回は源泉かけ流しの温泉に加えて、周囲の自然環境を重視して厳選して紹介したが、温泉泉質が良好なスーパー銭湯は他にも無数にある。源泉かけ流しの温泉浴槽の有無を確認して、近所の温泉でお気に入りの施設を見つけていただきたい。

○筆者プロフィール: 藤田聡
温泉研究家、オールアバウト「温泉」「紅葉スポット」ガイド。温泉旅行検定試験で2年連続日本一になり、検定協会から「温泉旅行博士」の称号を授与される。温泉地を中心に周辺観光地の取材・撮影を行い、海外旅行にも決して負けない、国内旅行の奥深い魅力をメディアで発信中。紅葉や一本桜、夜景や四季の花などの絶景スポットにも精通している。
(藤田聡)

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