7月の延べ宿泊者数が過去最高に ホテルの売買取引も活発化

 外国人旅行者の増加で、大阪や京都などのホテル稼働率が高水準で推移。需給ギャップ解消に向けてホテル開発や売買も活発化している。

 観光庁が8月31日に発表した「宿泊旅行統計調査」によると、7月の延べ宿泊者数(第1次速報)は前年同月比2.2%増の4,579万人泊となり、7月としては調査開始以来の最高値となった。内訳をみると、日本人延べ宿泊者数は同0.4%増の3,853万人泊で、外国人延べ宿泊者数は同13.2%増の726万人泊だった。

 宿泊施設全体の客室稼働率をみると、7月は前年同期0.6ポイント増の63.4%だった。客室稼働率が高かったのはシティホテルの80.5%、ビジネスホテルの76.3%、リゾートホテルの62.9%など。旅館は39.9%、簡易宿泊所は32.2%だった。

 また、同時に発表された6月の第2次速報によると、大阪府の客室稼働率はシティホテルが86.1%、ビジネスホテルが83.9%、リゾートホテルが78.8%など、引き続き高い稼働率を維持。さらに、京都ではシティホテルが90.6%、ビジネスホテルが85.7%に達し、客室稼働率が最も高くなった。旅行者からの人気が高いエリアを中心に、ホテルの稼働率が高水準で推移しているようだ。

 こうしたホテル需要の高まりを受け、国内ではホテルの取引も活発に行われている。

 CBREが9月6日に発表した「日本のホテル市場の最新動向」によると、2015年のホテル売買の取引額は3,252億円に達し、2012年の3倍の規模に拡大した。これまではホテルを開発した事業主が所有し続けるのが一般的だったが、現在は竣工直後や稼働が安定した時点で上場している不動産投資信託「J−REIT」などに売却するケースが増え、取引が活発化している。

 また、活発な売買取引の動向や外国人旅行者の増加を受け、ホテルの開発は加速している。確認申請が提出された計画などから考慮すると、2018年には東京都と大阪市で既存ストックの2〜3割程度に相当する新規施設が供給されると同社では予想。ホテルの売買市場はさらに拡大すると指摘している。

 政府は2020年までに外国人旅行者の数を4,000万人まで増加する目標を掲げているが、ホテルの客室数不足が課題となっている。ホテルの高稼働率や活発な売買取引は当面継続しそうだ。