賃上げ予定の企業は8割超もアップ率は低調 アジア圏で「6%以上の昇給」は中国51%、日本10%

賃上げ予定の企業は8割超もアップ率は低調 アジア圏で「6%以上の昇給」は中国51%、日本10%

賃上げの内訳

 人材確保のため、多くの企業が賃上げを予定する中、アジア各国との比較では日本の賃上げ率は低く、最も積極的なのは中国だった。

 東京商工リサーチは全国の企業7,151社を対象に、2018年度の「賃上げ見通し」と「労働環境の改善」に関するアンケート調査を実施し、その結果を3月23日に発表した。調査期間は2月15日から28日にかけて。

 2018年度の賃上げ予定について聞いたところ、86.1%の企業が「実施する予定」と回答した。企業の規模別では大企業(資本金1億円以上)が89.4%、中小企業(資本金1億円未満)が85.6%だった。内訳をみると、「定期昇給のみ」が33.1%で最も多く、「定期昇給+賞与の増額」(15.4%)、「定期昇給+ベア」(14.1%)が続いた。

賃上げの内訳

 定期昇給を予定している企業に具体的な金額を聞くと、最も多かったのは月額「5,000円以上1万円未満」の29.8%で、「3,000円以上4,000円未満」(24.7%)、「2,000円以上3,000円未満」(16.3%)が続いた。中央値は大企業、中小企業ともに3,000円だった。

 ベースアップについては最も多かったのは月額「5,000円以上10,000円未満」の24.3%で、「3,000円以上4,000円未満」(20.3%)、「2,000円以上3,000円未満」(19.7%)が続いた。5,000円以上のベースアップを予定している企業を規模別にみると、大企業が24.5%に対して中小企業が39.3%となり、中小企業の方がベースアップ額が高くなった。

 賞与の増加額については「30万円未満」が78.2%で最も多く、「30万円以上50万円未満」(13.6%)、「50万円以上70万円未満」(3.2%)が続いた。

 賃上げを予定している企業にその理由を複数回答で聞くと、最も多かったのは「従業員引き留め」の74.7%で、「従業員採用」(31.4%)、「業績回復」(26.4%)が続いた。「従業員引き留め」と回答した企業を規模別に見ると大企業が65.9%だったのに対し、中小企業が76.1%となった。人材確保のため、中小企業が積極的に賃上げを実施しているようだ。

 一方、ヘイズ・スペシャリスト・リクルートメント・ジャパン株式会社は3月1日、「ヘイズ アジア給与ガイド 2018年版」の日本における調査結果を公表。給与・雇用に関するトレンド解説と、日本・中国・香港・シンガポール・マレーシアの15業界・1244職種の給与水準(実績ベース)と3,000社を上回る組織(総従業員600万人超)を対象に実施した調査についてまとめている。

 昇給の状況について各国を比較すると、最も大幅な昇給を予定しているのが中国で、51%の企業が今年「6%以上の昇給」を予定していると回答。一方、日本は「6%以上の昇給」を予定している企業は10%にとどまり、「3%以下の昇給」が60%で過半数を占めた。そのほかの国を見ると、「6%以上の昇給」と回答した企業の割合はマレーシアが39%、香港が22%、シンガポールが14%だった。

 日本では多くの企業が賃上げを予定しているものの、アジア各国と比較すると昇給率は低いようだ。

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