シンプルで美しい高機能車いすのWHILLが50億円の資金調達、MaaS事業を拡大へ

シンプルで美しい高機能車いすのWHILLが50億円の資金調達、MaaS事業を拡大へ

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 美しく、高機能な車いすを開発するWHILLは、SBIインベストメント、大和証券グループ、ウィズ・パートナーズらから約50億円の資金調達を完了した。

■インフラとしての車いすを世界へ

 WHILL株式会社は2012年5月に日本で創業し、2013年4月には米国カリフォルニア州にも拠点を設立。「すべての人の移動を楽しくスマートにする」をミッションに、パーソナルモビリティを日本・北米・欧州で販売している。

 「100m先のコンビニに行くのをあきらめる」という一人の車いすユーザーの声から始まったWHILLは、世界的に高齢化が進む中、これまで車いすを利用していた人だけではなく、長距離の歩行が困難になった人々の自立促進や社会参加の機会を増やしていくことも目指している。

 2014年に発売した初号機「WHILL Model A」は日本・北米・欧州で販売しており、2015年度のグッドデザイン大賞など数多くのアワードを受賞。2017年4月に発売した2号機となる「WHILL Model C」は、世界的なデザイン賞であるRed Dot Design Award(ドイツ)のBest of the Best(最優秀賞)の受賞をはじめ、2017年度のグッドデザイン賞、iF Design Award(ドイツ)など国内外のデザイン賞で入賞している。技術面も高く評価され、北米モデルである「WHILL Model Ci」はCES 2018でBest of Innovation Awardを受賞した。

 「Model C」は、前輪に24個の小さなタイヤが集まったオムニホイールを備えており、これが縦だけでなく横にも回ることによって76cmの回転半径を実現。コンパクトな方向転換が可能になる。また、Bluetooth LEでスマートフォンと接続可能し、走行可能距離を確認したり、リモートコントロール機能を使って動かしたり、モード設定を変更することで、ユーザーが使いやすいModel Cに変更することができる。

 こうした特徴を備えた車いすを、WHILLは将来的には、公共交通機関などのインフラのように当たり前に利用できるサービスとしたいと考えている。

■MaaS事業も拡大へ

 WHILLは9月18日、SBIインベストメント、大和証券グループ、ウィズ・パートナーズら、および既存投資家から約50億円の資金調達を完了したと発表した。今回調達した資金は、2018年1月に米国で発売開始した北米モデル「Model Ci」の米国・カナダでの販売拡大、2018年6月に進出した英国・イタリアでの販路拡大とその他欧州各国への進出に利用する。また、MaaS(Mobility as a Service)、すなわち、自動運転やAI、オープンデータなどを掛け合わせ、従来型の交通・移動手段にシェアリングサービスも統合して次世代の交通を生み出す事業の拡大、これらに伴う組織体制の強化などにも用いられる。

 今後、WHILLは、個人用のモビリティとしての製品販売に加え、MaaS事業によるサービスの拡大も目指していく。具体的には、スポーツ施設、商業施設、空港、駅などさまざまな場所で、長距離を歩くことが困難な人々が、WHILLをシェアリングで一時利用することで、人々の移動をより便利にするというサービス・システムの構築を想定している。

 また、その際、より安全に走行するための自動停止機能、介助スタッフや車いすの回収に必要とされる人手を軽減する自動運転・追従走行機能などの実装も、パートナー企業とも協力しながら研究開発を進めていく予定だ。

 今回の資金調達に参画する新規投資家は以下のとおり。

・SBIインベストメント株式会社(SBI AI&Blockchain 投資事業有限責任組合)
・大和証券グループ(大和企業投資株式会社が管理運営するDCIベンチャー成長支援投資事業有限責任組合、大和PIパートナーズ株式会社)
・株式会社ウィズ・パートナーズ
・Mistletoe株式会社
・Endeavor Catalyst
・日本材料技研グループ(JMTCキャピタル合同会社)
・株式会社エスネットワークス

 また、今回の資金調達に参画する既存投資家は以下のとおり。

・三井住友海上キャピタル株式会社
・株式会社産業革新機構
・Eight Roads Ventures
・日本ベンチャーキャピタル株式会社
・株式会社DGインキュベーション
・みずほキャピタル株式会社

 WHILLは今回の資金調達をもって、これまで総額で80億円超を調達したことになる。

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