全国百貨店の7割が減収、「地場独立系」の苦境が顕著

主要都市の百貨店が堅調に推移も地方では苦戦 全国の主要百貨店78社の7割が減収

記事まとめ

  • 月の百貨店売上高が4カ月ぶりにプラスになり、主要都市の百貨店は堅調に推移している
  • 一方で、地方の百貨店を中心に苦戦を強いられている企業も少なくないよう
  • 主要10都市以外の地方の売上高は、前年比0.5%減で22カ月連続でマイナスとなった

全国百貨店の7割が減収、「地場独立系」の苦境が顕著

全国百貨店の7割が減収、「地場独立系」の苦境が顕著

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 2月の百貨店売上高が4カ月ぶりにプラスになった。しかし、主要都市の百貨店が堅調に推移する中、地方では苦戦している様子も見られた。

 東京商工リサーチは3月26日、全国主要百貨店の業績調査の結果を発表した。全国の主要百貨店78社の2018年(1月〜12月期)の売上高合計は前期比0.087%減の5兆9,865億円で、前期決算に引き続いて減収となった。減収幅は2017年度が同3.1%と大幅なマイナスだったのに比べて縮小したものの、減収に歯止めがかからない状況は続いている。当期利益合計は170億9,100万円で、前期の46億3,400万円の赤字から黒字に転換し、減収増益となった。

 78社の業績は、増収の25社(構成比32.0%)に対して減収が53社(同67.9%)で、好調に推移した一部の業績が全体を押し上げた。損益を開示した77社の損益状況は、黒字が54社(同70.1%)、赤字が23社(同29.8%)で、黒字企業率は前期の65.7%からやや増加した。利益比較ができる76社の収益状況は、増益が43社(同56.5%)で前期の25社(同32.8%)から大幅に増加した。また、増収増益だった企業は17社(同22.3%)で、前年の1社(同1.3%)から大きく増加した。

 また、全国の主要百貨店78社のうち、大手百貨店などのグループや大手私鉄を親会社に持つ企業を除いた「地場独立系」百貨店35社を抽出して分析すると、35社の最新期の売上高合計は8,786億5,600万円で、前年の8,857億5,600万円から減少した。前々年は9,198億7,200万円だった。最新期の損益状況は20億3,000万円の黒字で、前年の26億1,500万円の黒字から減益となった。前々期は6,300万円の赤字だった。個別の業績では、35社のうち増収は8社(構成比22.8%)、赤字は13社(同37.1%)だった。

 一方、日本百貨店協会が3月22日に発表した「平成31年2月 全国百貨店売上高概況」によると、2月の売上高は前年同月比0.4%増(店舗数調整後 以下同じ)の4,220億3,303万9,000円で、4カ月ぶりのプラスとなった。2月は株価や為替が安定したことで、前月苦戦した高額商材が好転したほか、春節商戦を中心にインバウンドも活況を取り戻して売上が前年を上回った。顧客別では、シェアの92.4%を占める国内市場がわずかに前年を割れたものの、シェア7.6%のインバウンドが過去最高の319億円を記録した。

 地区別の売上高は、主要10都市のうち札幌が前年比0.7%増、仙台が同1.3%増、名古屋が同3.7%増、京都が同0.9%増、大阪が同4.0%増で5都市がプラスだった。そのほかでは、東京が同0.5%減、横浜が同1.8%減、神戸が同2.7%減、広島が同1.7%減、福岡が同0.8%減で、主要10都市全体では同0.7%増の3,007億7,815万7,000円となり、3カ月ぶりのプラスとなった。

 主要10都市以外の地方の売上高は、前年比0.5%減の1,212億5,488万2,000円となり、22カ月連続でマイナスとなった。地区別では北海道が同4.9%増、東北が同2.0%増、近畿が同2.6増、四国が同7.1%増、九州が同2.5%増と、5つの地区で堅調に推移した。しかし、関東が同3.1%減、中部が同2.0%減、中国が同2.9%減と苦戦し、ほぼ前年並みの水準まで回復したもののわずかながら前年を下回った。

 百貨店の業績は回復傾向が見られるものの、地方の百貨店を中心に苦戦を強いられている企業も少なくないようだ。

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