4社に1社が借金ゼロ、無借金率トップは高知県

4社に1社が借金ゼロ、無借金率トップは高知県

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 金融機関の貸出は増加傾向にあるが、その一方で4社に1社が金融機関等からの借入金や発行する社債がゼロの無借金経営となっている。

 日銀が9月9日に発表した「貸出・預金動向 速報(2019年8月)」によると、銀行と信用金庫をあわせた8月の貸出平均残高(平残)は前年比2.1%増の537兆9,760億円だった。

 今年になってからの平均残高の推移を見ると、1月〜3月が同2.3%増、4月〜6月が同2.4%増と増加が続き、直近では6月が同2.3%増、7月が同2.3%増で推移した。平均残高は1カ月間の日々の残高の合計額を期間中の日数で除した残高で、期末要因による残高の変動を平均化する。また、金融機関向け貸出と中央政府向け貸出は含まれていない。

 8月の貸出平均残高の内訳は、都市銀行等が前年比2.2%増の216兆6,631億円、地方銀行が同2.3%増の251兆9,079億円、信用金庫が同1.2%増の69兆4,050億円で、金融機関が貸出を伸ばした。

 ただし、地方銀行については、第二地方銀行が同5.7%減の46兆3,522億円と貸出を減らす中、第二地方銀行以外の地方銀行は同4.3%増の205兆5,557億円と貸出を増やし、地方銀行全体の貸出を底上げした。なお、第二地方銀行は1月〜3月が同0.8%減、4月〜6月が同6.6%減で、直近でも6月が同5.6%減、7月が同5.7%減で推移し、貸出しの減少傾向が続いている。

 一方、東京商工リサーチは、同社が保有する財務データ・約34万社のうち、貸借対照表の長短借入金、社債の項目がゼロの企業を「無借金企業」と定義して、2018年1月〜12月期以降の財務データを集計。その結果を9月11日に発表した。

 約34万社のうち、無借金企業は8万3,978社で、全体の無借金率は24.4%となり、4社に1社が借入金がゼロだった。

 地区別の無借金企業数は、「関東」の2万5,713社(構成比30.62%)が最も多く、以下、「九州」が1万3,410社(同15.97%)、「近畿」が1万1,998社(同14.29%)、「中部」が8,425社(同10.03%)で続き、最も少なかったのは「北陸」の2,691社(同3.20%)だった。

 都道府県別では多い順に「東京都」の1万82社(同12.01%)、「大阪府」の5,411社(同6.44%)、「北海道」の4,319社(同5.14%)、「福岡県」の4,101社(同4.88%)、「埼玉県」の3,844社(同4.58%)となり、大都市を抱える都道府県が上位に並んだ。

 地区別の無借金率は「九州」が28.03%で最も高く、以下「四国」の27.99%、「中国」の25.94%、「近畿」の25.35%が続き、西日本地区が上位に並んで「西高東低」の実態が浮かび上がった。一方、無借金率が最も低かったのは「中部」の21.06%だった。

 都道府県別の無借金率を見ると、「高知県」が31.60%で最も高く、以下「佐賀県」の31.29%、「沖縄県」の30.70%、「島根県」の30.67%、「徳島県」の30.40%が続き、最も低かったのは「長野県」の17.14%だった。

 産業別の無借金率は「サービス業他」が54.87%で最も高く、医療機関などが比率を押し上げた。以下「金融・保険業」の37.68%、「情報通信業」の29.21%が続き、第3次産業が高くなる傾向にあった。一方、無借金率が最も低かったのは、機械装置など設備投資の資金需要が旺盛な「製造業」の13.12%で、土地の仕入などの事業資金を借入で手当てするビジネスモデルの「不動産業」も13.89%で低かった。

 金融緩和が続く中、金融機関は企業への貸出を伸ばしている。その一方で、無借金経営を続ける企業も多いようだ。

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