外食産業、2019年はファストフード業態がけん引、増税・ラグビーW杯はどう影響した?

外食産業、2019年はファストフード業態がけん引、増税・ラグビーW杯はどう影響した?

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 2019年の外食産業はファストフード業態を中心に堅調に推移している。9月は増税前の駆け込み需要の影響で外食の客足が伸びたようだ。

 株式会社富士経済は、外食産業14カテゴリー138業態の国内市場について総合的に分析し、その結果を「外食産業マーケティング便覧 2019 No.3」にまとめ、10月29日に発表した。

 外食産業の国内市場は、2012年以降テイクアウトが旺盛な中食需要を獲得して伸びているほか、一時期縮小していたファストフードが2016年以降ハンバーガーの回復を受け伸長していることなどから、緩やかな拡大を続けている。

 2018年の同市場は、市場規模が大きい料飲店の苦戦が続いているものの、テイクアウトやファストフード、給食、宿泊、宴会場などが伸びたため、市場規模は前年比0.6%増の34兆42億円となった。

 注目されている市場のひとつがファストフードで、2019年は前年比2.7%増の3兆1,381億円に拡大すると見込まれている。中でもハンバーガーは、上位チェーンが割安感を訴求したメニューで集客力を高めており、2019年は同4.0%増の7,048億円に拡大する見込み。また、回転ずしは、上位チェーンの店舗数増加に加えて季節限定メニューへの取り組み強化が奏功し、2019年は同3.7%増の6,698億円に拡大。ラーメンも上位チェーンが積極的に新規出店を進めたことなどから、2019年は同0.9%増の4,480億円に拡大する見込みだ。

 丼物をメインに展開する丼物ファストフードも好調で、2019年は前年比2.8%増の4,928億円に拡大すると見込まれている。中でも牛丼は、大手チェーンの「すき家」が2017年11月、「松屋」が2018年4月にメインメニューの値上げを行ったことで客離れが懸念されたものの、期間限定メニューの積極投入により好調に推移。「吉野家」は店舗数の増加によって売上を伸ばしている。市場は堅調に推移し、2019年は同2.4%増の3,926億円に拡大すると見込まれている。また、とんかつ・かつ丼は同6.2%増の615億円、天丼・天ぷらは同1.1%増の287億円にそれそれ拡大する見込みだ。

 一方、一般社団法人日本フードサービス協会は、協会会員社を対象とした「外食産業市場動向調査 令和元年9月度」の集計結果を10月25日に発表した。9月度調査の有効回収数は189事業者、3万5,237店舗。

 9月は大型台風の上陸で大きな被害があったものの前年より晴れの日が多く、全国的に気温も高くなったことから、全体の売上は前年同月比4.0%増で推移した。消費増率引き上げを控え、商業施設での駆け込み需要があったことも影響し、外食の客足も伸びたことなども売り上げの拡大に貢献した。

 好調だったのはファストフード業態で、売上は前年同月比6.8%増に拡大した。お得なセットメニューや期間限定の新商品などが好評だった「洋風」が同9.7%増、期間限定フェアの開催やメディア露出の効果が見られた「麺類」が同6.0%増、季節商品・定食メニューともに好調だった「和風」が同4.5%増などと寄与した。

 また、ファミリーレストラン業態は同1.3%増、ディナーレストラン業態は同2.1%増にそれぞれ拡大した。一方、パブ・居酒屋業態は、パブ・ビアホールがビアガーデンが好調に推移したほか、一部ではラグビーワールド杯の開催で客数が増え、売上は同11.1%増と堅調に推移。しかし、居酒屋は店舗の減少に加えて客数減で売上が同3.6%減に落ち込み、業態全体の売上は同0.7%減と苦戦した。

 2019年の外食産業はファストフード業態が市場をけん引し、堅調に推移している。消費増税が施行された10月以降の市場動向にも注目が集まる。

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