マネーフォワード、SaaSメディア「ボクシル」のスマートキャンプを子会社化、マーケティング領域へ事業拡大

マネーフォワード、SaaSメディア「ボクシル」のスマートキャンプを子会社化、マーケティング領域へ事業拡大

(左から)スマートキャンプ代表取締役 古橋智史氏とマネーフォワード代表取締役CEO 辻庸介氏

 マネーフォワードは、SaaSマーケティングプラットフォーム「BOXIL(ボクシル)」を提供するスマートキャンプをグループ会社化すると発表した。

■サービスの検討に欠かせないメディア「BOXIL」

 マネーフォワードは、SaaSマーケティングプラットフォーム「BOXIL(ボクシル)」を提供するスマートキャンプの既存株主から19億9,800万円で72.3%の株式を取得し(議決権所有割合ベース)、スマートキャンプをグループ会社化すると発表した。

 「BOXIL」は月間1,000万以上のPV、12万人以上の登録会員(2019年10月末時点)を持つ、国内最大級のSaaSマーケティングプラットフォーム。企業のIT投資がハードウェアからソフトウェアへとシフトするなか、これまでパッケージソフトウェアとして利用されていたものやメールサーバーなど自社で構築して利用していたサービスが、SaaS(Software as a Service)へと移行しつつある。

(左から)スマートキャンプ代表取締役 古橋智史氏とマネーフォワード代表取締役CEO 辻庸介氏

 BOXILに掲載可能なSaaSの領域はマーケティング、営業、コラボレーション、人事、会計など多岐にわたり、掲載されているプロダクトは現在1,000種類以上。SaaS企業は「BOXIL」にサービス情報を掲載することによって、サービスに興味がある・導入を検討している見込み顧客(リード)を簡単に獲得することができる。一方、導入を希望する企業は、それぞれのプロダクトの評価をもとに比較検討・資料請求することができる。BOXILはこの両者をマッチングすることが可能なプラットフォームである。

 BOXILの料金体系は、資料請求発生1件につき12,000円から。また、システム利用料として月額50,000円。商談発生件数は同社サイトによると月間30,000以上となっている。営業担当者が対面で商品を紹介し、商談に持ち込む従来の営業手法から、現在では企業があらかじめウェブで情報を検索し、複数サービスを比較検討してから、商談に入るスタイルにシフトしつつある。BOXILはそうしたB2Bのマーケティングおよび営業の変化に最適化するかたちでビジネスを展開してきた。

 スマートキャンプはこのほかに「BALES」「Biscuet」といったサービスを展開。「BALES」は、コンサルティングとアウトソーシングの2軸で、見込み顧客・営業の質を向上し、営業シナリオ設計からインサイドセールス代行まで支援する。「Biscuet」は、営業活動を効率化するインサイドセールスの最適化を実現するツール。営業の入り口となるリードの提供から、その次のプロセスであるインサイドセールスにも事業範囲を広げている。

■マネーフォワードグループとのシナジー

 スマートキャンプが、マネーフォワードグループに加わることによって、Money Forward Business(BtoB事業)の事業領域拡大が見込めるほか、従来のバックオフィスSaaS領域だけでなく、SaaSマーケティング領域に事業領域を拡大することができる。これによって、マネーフォワードグループの潜在市場は1兆円から1.9兆円へと約2倍に拡大すると試算している。

 また、「マネーフォワード クラウド」利用事業者に、スマートキャンプのサービス利用を促進。「BOXIL」や「マネーフォワード クラウド」それぞれのデータを活用し、SaaSレコメンドエンジンを開発する予定だという。

 総務省が2019年5月に発表した「平成30年通信利用動向調査」では、クラウドサービスを利用している企業の割合は上昇傾向が続き、調査対象の約6割となっている。クラウドサービス利用企業においては「非常に効果があった」または「ある程度効果があった」と回答した企業が8割を超えている。

総務省「平成30年通信利用動向調査」より

 しかし、クラウドサービスを利用しない理由の1位は「必要がない」が46.0%で1位。また、「営業支援」や「生産管理」などの高度な利用は低水準にとどまっている。今後のクラウドサービス、SaaSの普及には、こうしたギャップをどう埋めていくかがポイントになるだろう。

 注目なのは、今後マネーフォワードグループのネットワークを活用し、スマートキャンプのオフライン(展示会など)事業を加速するとしている点。業務を効率化する新しいサービスについての知識を持たない層、あるいは、受注金額が大きいエンタープライズにアプローチするためにもイベントが重要な役割を果たしそうだ。

関連記事(外部サイト)