増収増益企業数は2014年をピークに減少、10月は消費税増税で「小売」が苦戦

増収増益企業数は2014年をピークに減少、10月は消費税増税で「小売」が苦戦

記事画像

 増収増益企業数は、2014年をピークに減少傾向となっている。一方で、10月の景況感も悪化が見られ増収増益企業数は、2014年をピークに減少る。

 帝国データバンクは11月6日、「連続増収増益企業調査 2017・2018年度決算」の結果を発表した。調査は同社の企業概要データベース(10月末時点 約147万社収録)をもとに、2016年度から2018年度の決算数値が判明した約107万3,000社を対象に、最新2期連続で「増収増益」(赤字企業・変則決算除く)となった企業を抽出して集計・分析したもの。

 2018年度(2018年4月期〜2019年3月期)決算で2期連続で増収増益を果たした企業数は3万3,000社。出現率は3.07%だった。過去10年間の推移を見ると、リーマン・ショック直後の2009年度は1万1,388社にとどまっていたものの、その後は右肩上がりで推移し、2014年度には円安や訪日観光客数増加などの好材料が重なって3万7,462社まで増加した。しかし、その後はさまざまなコスト負担の増加や自然災害の頻発などを受け、ゆるやかに減少している。

 業種別の2期連続増収増益企業数は、最も多かったのは都市部の再開発や設備投資需要が堅調に推移する「建設業」の9,946社で、そのほかでは「サービス業」の6,023社、「卸売業」の5,952社、「製造業」の5,754社などが多かった。業種を細分類すると最も多かったのは「土木工事」の1,506社で、システム投資需要が多い「ソフト受託開発」が980社で2位、EC市場の拡大で追い風を受けている「貨物自動車運送」が903社で3位にランクインした。

 一方、帝国データバンクは同日、「TDB景気動向調査(全国)2019年10月調査」の結果も発表した。調査は全国の企業に現在と先行きに関する景況感の見通しを聴取し、非常に良いの6点から非常に悪いの0点まで7段階で点数化して景気DI値を算出している。DI値は50より上であれば「良い」、下であれば「悪い」を意味する。調査対象企業数は2万3,731社で、1万113社から有効回答を得た。調査時期は10月17日から31日。

 10月は消費税率の引き上げや台風19号などの自然災害の影響を受け、景気DIは前月比1.1ポイント減の43.9で、3カ月ぶりに悪化した。中でも「小売」のDIは同5.6ポイント減の37.0で、悪化は3カ月ぶりとなった。「小売」の悪化幅は2014年4月(消費税率8%・10.7ポイント減)と2011年3月(東日本大震災・6.0ポイント減)に次いで3番目の大きさとなった。消費税率引き上げに伴う駆け込みの反動や、買い控えなどが影響したようだ。

 全体の中でも好調な「建設」も、消費税率引き上げ前の引き渡しに向けて活発化していた工事が終了するなどし、DIは同1.0ポイント減の52.1となり4カ月ぶりに悪化した。また、「サービス」は消費税率の引き上げで外食を控える動きがみられた「飲食店」(前月比6.3ポイント減)や、台風などの自然災害で予約のキャンセルが発生するなどした「旅館・ホテル」(同5.9ポイント減)などが苦戦する一方、復旧工事にともなう需要拡大が寄与した「リース・賃貸」(同1.0ポイント増)などが底堅く推移し、全体では同0.4ポイント減の50.6となった。

 地域別では10地域中9地域で悪化しており、大消費地を抱える都市部での悪化目立っている。消費税率引き上げで「南関東」「東海」「近畿」など大消費地を抱える都市部での悪化が目立ったほか、台風による企業活動の停滞もみられた。一部地域では、設備投資の弱含みにともなう影響が関連業種へと波及した。

 増収増益企業数は2014年をピークに減少傾向にある。一方で足元の景況感も消費税率引き上げなどの影響で悪化しつつある。今後の動向に注視しておく必要がありそうだ。

関連記事(外部サイト)