ユーキャン冨山俊夫氏インタビュー 通信講座は「続けられる仕組みをいかに作るか」

ユーキャン冨山俊夫氏インタビュー 通信講座は「続けられる仕組みをいかに作るか」

お話を伺ったユーキャン教育事業部事業部長で常務執行役員の冨山俊夫氏 (C)oricon ME inc.

個人のライフスタイルや経済環境を踏まえながら、金融・保険・不動産などの専門知識をもとにアドバイスや資産設計を行う、ファイナンシャルプランナー(以下、FP)。2002年の職業能力開発促進法に基づき国家資格化されて以降、受験者や合格者の数はともに増加しています。そんなFP資格の通信講座を受講できるユーキャンが、オリコン顧客満足度ランキング通信講座 FPにて1位を獲得。顧客から高い支持を得た魅力を探るべく、同社教育事業部事業部長で常務執行役員の冨山俊夫氏にお話を伺いました。

■初めてでもわかりやすい教材を

━━今回2年連続の1位となりました。どのような取り組みが評価されたとお考えですか。

冨山俊夫氏(以下、冨山):「教材がわかりやすい」という声を頂戴するのですが、当社では、初めてその資格にチャレンジする方が講座を受けることが多いであろうということを大前提に、わかりやすい表現の教材を作ることを何より心掛けています。

 執筆する先生は市販のテキストを手掛けていらっしゃる方々なので、それよりもやさしい言葉で書いていただけるように依頼していますし、出来上がってきたものに対しても、もっとかみ砕いた説明にしてほしいというやり取りを行うことも多々あります。それくらい、わかりやすい教材を作ることを優先しています。

━━調査では、その「教材・テキスト」はもちろん、「問い合わせのしやすさ」「入会手続きの容易さ」「カリキュラムの充実度」「サポート体制」「適切な受講料」の全6項目、すべての評価項目で1位を獲得されました。特に「問い合わせ」に関しては、「迅速で丁寧」という声が寄せられておりました。

冨山:問い合わせにつきましては、「迅速に、正確に、わかりやすくお答えする」ことをモットーに仕組みを構築しています。特にFPの場合は、お客様から学習上のご質問をいただいた際、弊社内部に常駐している先生方が回答する比率が高いので、他のジャンルに比べてお返事するまでの期間が短いかもしれません。

 また、近年は紙教材に加えデジタルのサービスも並行して活用できるよう開発に取り組んでいます。webサイトで情報を登録していただくことで、さらにやりとりがしやすく、迅速に受け答えできるようになっています。

■“最後まで諦めずに続けられる”プログラム

━━現在の課題にはどのようなことがありますか。

冨山:通信講座は、学校と違って自助努力で学ぶものです。しかも自宅で学ぶので、続けるということが最大の障壁です。ですから、私どもとしては受講者が最後まで諦めることなく、学習を続けられる仕組みをいかに作るか。受講者が学びやすい教育プログラムを時代に合わせて常に刷新することが、過去はもちろん、今後も最大の課題であると考えています。

━━その課題をクリアするための取り組みの具体例を教えてください。

冨山:例えば、これまでのテキストでは『章』単位で学習効果を確認する演習問題を解いていただいていたのですが、今年の1月から数講座で『課』単位で演習問題を置くテキストを開発し、テストを行っています。

 学んだことが実際どれだけ自分の身になっているか簡単に確認できるので、安心や自信にもつながります。そうやって短期で成果を出すことを繰り返していくほうが今の時代には合っていますし、習慣化にもつながるのではないか、という考えからの取り組みです。確かな学習効果が確認できたら、ほかの講座にもこの仕組みを展開しようと考えています。

 また、長く学習を続けていただくためには、我々といかに繋がっているかも非常に大切だと思います。その時々で適切なアドバイスや励ましを差しあげるなど、お客様に寄り添ったサービスをご提供できるようデジタルを活用した新しいサービスの拡充にも注力しています。

■資格取得後のフォローも

━━御社が実施した「2017年のトレンド予測と資格取得に関する意識調査」によると、「武器になる資格」としてFPが4年連続1位に選ばれています。資格を取得しても働けない“資格難民”という言葉が生まれている昨今、資格取得後のフォローについてはどのようにお考えですか。

冨山:私どもがお客様にお約束できるのは、試験を受けるまでに十分な学力を身につけるプログラムとサービスを提供することですが、資格取得後もできるだけお客様のお役に立てるようなサービスを提供したいと考え、求人情報無料サービスサイト「ユーキャン仕事オンライン」を2017年12月より開設しました。

 雇用状況が好転しているとはいえ、資格難民は確実にいらっしゃるし、資格を取って就業に繋げたいと切実に考えていらっしゃる方も多いですからね。転職求人情報などのサイトを運営するキャリアインデックスと提携し、ユーキャン受講者や修了者、合格者が無料で利用でき、講座名や資格名で簡単に求人検索ができるようになっています。

━━少子高齢化などマーケットの変化に対してはどのような施策を考えられていますか。

冨山:昨年9月に政府が設けた「人生100年時代構想会議」により、中高年の再就職支援の一環として、国が特定のキャリアアップに効果がある講座に関しては、従来の還付を増やすことが決定しました。それを受け、講座を提供する我々としては、今後は、いかにその資格が就職転職に役立つかという情報を発信することにも積極的に取り組んでいきたいと考えています。

 例えば、合格された方がどのようにその資格を活かしているかを取材してご紹介したり、こういう組み合わせで資格を取ると、このように役立つという実例をご紹介したり。シニア世代にとって、資格取得は就業だけでなく人生を有意義に過ごすための糧にもなると思います。

 年金制度や保険、税金関連、不動産など幅広い知識を持って、資産運用設計などを支援できるFPもそのひとつですが、自分が身につけた知識が世の中の誰かの役に立つということは生きがいに繋がりますからね。

 今後は、シニアはもちろん若い人にとっても自己再投資が具体的に何に繋がるかという情報を収集し、リリースしていきたいと考えています。

(文:河上いつ子)

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