12年ぶり全面改良で話題沸騰中! 7代目フェアレディZは日産復活の切り札になるか?

世界初公開された新型フェアレディZプロトタイプ。オザワ大興奮

9月16日、日産は新型フェアレディZの試作機をご開帳! ということで、発表会場に自動車ジャーナリストの小沢コージが突撃。関係者にもガツガツ突撃し、世界中のファンを沸かせに沸かせている新型フェアレディZの魅力に迫った!

■V6ターボ、6速MT搭載

ついにこの目で見ちゃったぜ、生Z! 9月16日、それも日産の新聖地たるニッサンパビリオン横浜でだ。

今年5月のオンライン記者会見で日産は、1年半で12車種投入という怒濤(どとう)の新型車計画を発表した。そこでご開帳された動画に7代目フェアレディZがサプライズ登場。世界中で大きな話題を呼んだ。

マジな話、オザワは当初、新型フェアレディZの存在についてマユツバであった。ウソではないだろうが、ココ2年の日産は例のゴーン事件を筆頭に業績低迷など良い話はあまりなく、そもそも次期型フェアレディZの計画なんぞ一度も耳にしたことがなかったからだ。何せ現行の6代目はデビューしてから歴代最長となる12年間の放置プレイである......。

ところが人間という生き物は現金なモンでプロトタイプとはいえ、実車を見ると気分はガラリと変わる。もちろん、今回はモックアップ的なボディと一部スペックが公開されただけ。価格やエンジンパワー、発売日はナゾのまま。だが、それでも「コイツは来年には出る!」とオザワが確信したポイントがいくつもあった。

来年登場!? 7代目フェアレディZ。歴代モデルへのオマージュを感じるフォルムだが、令和感もしっかり表現されている

それはリアルすぎるインテリアとエクステリアのデザインだ。インテリアは試作車のそれとは思えぬ完成度。インパネ、シート共にこのまま量産化できそうなレベル。インパネセンターには伝統の3連メーターまで復活だ。

外装もビンビン。キモは初代フェアレディZをオマージュしたフォルムにある。コイツを見ただけで日産の本気度が伝わってきたし、特にフロントバンパーの横長真四角グリルは完璧に初代240Zの現代的解釈だ。

LEDのテールランプは4代目をモチーフにしているという。エンブレムは斜めに配置6速MTのシフトノブの下には電動タイプではなく、アナログなサイドブレーキ。ドリフトも楽しめる!?

一方で、ココまで伝統を重んじたフォルムには「もっと新しい要素を入れてほしかった」とか「チャレンジ精神の塊だった4代目Z32が懐かしい」という声も少なからずあった。

だが、オザワは言いたい。スポーツカーは文化であると。スポーツカーは変わる部分と変わらない部分のバランスこそが大事なのだと。現場で直撃した新型フェアレディZの統括責任者の田村宏志氏もこう語る。

「ZのDNAは昔から変わらないし、変わってはいけないと思っています」

まさにそのとおりで、フェアレディZは日本が戦後、世界で大成功した最初の和製スポーツカー。今から51年前の1969年に初代フェアレディZがデビュー。典型的なロングノーズ&ショートデッキのFRフォルム、パワフルな6気筒エンジン、リーズナブルな価格こそがフェアレディZの勝利の方程式だった。

初代S30/1969(昭和44年)−1978(昭和53年)。直列6気筒エンジンを搭載。日本仕様は2Lで最高出力は130PS。トランスミッションは5速MT。車重は標準モデルで975s

今回、公開されたスペックからもリアルさがビシバシ伝わってくる。全長4382o×全幅1850o×全高1310oという数字は現行の6代目モデルをひと回り大きくしただけの現実的サイズ。

タイヤはフロント255/40R19、リア285/35R19の前後異型タイプ。昨年9月の一部改良でスカイラインに追加されたスポーツグレード「400R」に搭載されている405PSの3LのV6ツインターボエンジンの搭載を考慮するとそれくらいのタイヤ幅は必要になるだろう。

ディテールには程よく新しさが加えられ、ヘッドライトは丸目の初代に回帰したようなティアドロップ形LEDで、懐かしさと新しさが共存しているし、実車を見て驚いたのがノーズの複雑さ。一見、初代の手直しにも見えるが造形は相当凝っている。

さらにオザワが新型Zで白眉と思ったのがエロすぎるリアだ。現行6代目は旧型よりホイールベースを100o縮めた分、お尻がカブト虫のように丸みを帯びていた。アレはアレでユニークだったが、今回再びリアを伸ばして下げた。まさに足が長く小股が切れ上がったかのような色気を獲得している。

エンジンは昨年9月の改良でスカイラインにぶっ込まれた405PS仕様の流用が濃厚。フェアレディZらしいビンビンの走りに期待したい

新型フェアレディZが復活の切り札になるには、いかにリーズナブルな価格を実現できるかだ。歴代モデルが世界最大のスポーツカー大国である北米市場で成功を収めた最大の理由もそれだ。 

初代の開発をリードした名経営者、片山豊氏も語っていたがフェアレディZというスポーツカーはある意味、リーズナブルなジャガーEタイプであり庶民のフェラーリなのだ。一流のデザインと走りを一・五流の価格で提供するのがフェアレディZの使命なのである。価格面について前出の田村氏もこう言う。

「もちろんなるべく手が届くものに」

だからこそ一部でささやかれている新型フェアレディZのフル電動化などありえない。価格が上がるし、簡易ハイブリッドを追加することはあっても基本はシンプルなV6ターボのFRスポーツ。そして6MTも選べる。

ズバリ、北米価格はギリギリ4万ドルで、ニッポンで400万円台前半の価格設定で登場するとにらんでいる。この価格を達成できるかどうかが成功のカギを握っている。

というわけで期待しようじゃないか、リアルガチのゼット・イズ・バックを!

取材・文・撮影/小沢コージ 写真協力/日産自動車

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