ドンキの“ほぼREGZA”50インチが完売!「爆安ジェネリック4Kテレビ」は本当に買いか?

ドン・キホーテの爆安50インチ4Kテレビが2分で完売 ジェネリック製品"ほぼREGZA"

記事まとめ

  • ドン・キホーテの50インチ4K液晶テレビは5万4800円という爆安価格が話題となり完売
  • このテレビは東芝のメインボードを採用した"ほぼREGZA"のジェネリック製品
  • 国内メーカー製の50インチの4Kといえば、最安でも20万円は下らないというのが常識

ドンキの“ほぼREGZA”50インチが完売!「爆安ジェネリック4Kテレビ」は本当に買いか?

ドンキの“ほぼREGZA”50インチが完売!「爆安ジェネリック4Kテレビ」は本当に買いか?

東芝製のメインボードを使用したドンキの爆安4Kテレビはわずか1週間で3000台が完売。予約再開後も争奪戦となった

わずか1週間で3千台が完売!

ディスカウント大手のドン・キホーテが、6月15日に発売した50インチ型の4K液晶テレビは、5万4800円(税抜)という驚異的な爆安価格が話題となり、あっという間に予約中止となった。さらに、7月3日に予約を再開したが、アクセス殺到でサーバーダウンし、わずか2分で完売したという。

画質も高けりゃ値段も高い――そんなイメージの4Kテレビの世界に、今何が起きているのだろうか?

■各メーカーは大量に余剰在庫を抱えている

ドンキの「情熱価格+PLUS 50V型 ULTRA(ウルトラ)HD TV 4K液晶テレビ」がこれほど注目された理由は、東芝の「REGZA(レグザ)」と同じ“ゲームモード”(映像の動きが激しいテレビゲームに適したモード)が搭載されていたこと。

「こんな低価格で!?」と、目の肥えたゲームマニアたちが騒ぎ立て、一気に売り切れ騒ぎへと発展したのだ(実際、ドンキのプレスリリースには「東芝映像ソリューション株式会社が開発したメインボードを採用」と記載されており、このテレビが“ほぼREGZA”のジェネリック製品だったことがわかる)。

この爆安4K液晶テレビが誕生した背景を、家電ジャーナリストのじつはた☆くんだ氏が解説する。

「4K液晶テレビの値崩れ傾向は、中国の巨大家電メーカー・ハイセンスが昨年7月に“50インチ9万円台”という製品を市場投入したことで始まりました。そしてこの流れを決定づけたのが、昨年11月にDMM.makeが発売した5万9900円(税抜、当時の価格)の4K液晶ディスプレイ。

従来、国内メーカー製の50インチの4K液晶テレビといえば、最安でも20万円は下らないというのが常識でしたが、DMMはテレビチューナー搭載なしという思い切ったパッケージで、衝撃の低価格を実現したわけです。

以来、これに引きずられた国内大手家電メーカーの50インチ4K液晶テレビも、19万円、18万円…と、右肩下がりの価格破壊に突入。そこに追い打ちをかけるように、今回のドンキ製品が登場したのです。安さでは譲れないDMMは、ドンキの発売日に合わせてさらに1万円も値下げし、現状4万9900円。ギリギリでナンバーワンの座を死守しています」

安さ日本一をかけた過激な戦い。消費者としてはうれしい限りだが、メーカー側の体力は大丈夫なのか? 某大手家電メーカーの営業担当者は諦め顔でこう語る。

「全然大丈夫じゃありません(苦笑)。大手メーカー製の4K液晶テレビの損益分岐点は、50インチ20万円。しかし、現在の爆安戦争はその4分の1前後が攻防ラインですから、もう4K液晶テレビは商売にならなくなってしまいました。

その上、今では大手メーカーの開発現場は、完全に有機ELテレビに移行しています。いくら4K液晶パネルの画質性能が高いといっても、有機ELの細かな表現力には及ばない。ひと足早く大型4K有機ELテレビの市場投入に成功した韓国勢を追って、日本の各メーカーも有機EL生産技術をようやく収支の成り立つレベルまで高め、人員も生産ラインも全力投入しているところです。

そのため現在、各家電メーカーや下請けの開発メーカーは、4K液晶向けの余剰部品を大量に抱えています。ドンキの“ほぼREGZA”が爆安価格を実現できたのも、こうした在庫整理の動きの一環。今後も優良な画像エンジンやメインボードを搭載したジェネリック4K液晶テレビが大挙登場するはずですよ」

■チェックポイントはボードとエンジン

しかし、すでに市場にはパナソニック、ソニー、東芝が4K有機ELテレビを投入し、家電量販店の売り場の一等地をドーンと占拠している。いまさら4K液晶テレビを買っても時代遅れなのでは…。そんな疑問に、前出のじつはた氏はこう答える。

「いいえ、むしろ逆です。現在の4K液晶テレビの価格下落はすさまじく、10年に一度の買い時といっていい。有機ELテレビは1インチ1万円前後が相場で安い買い物ではありませんし、どちらにしても来年開始予定の4K実用放送(BS放送)を視聴するには、さらに対応チューナーを別途購入する必要がありますからね。

それに、4K液晶の画質は4K有機ELと比べればワンランク落ちますが、それでもフルHD液晶テレビよりは圧倒的に美しい。フルHD液晶を高校野球とすれば、4K液晶は日本プロ野球、4K有機ELはメジャーリーグ。4K液晶でも十分に“プロの技”を堪能できます。本気で有機ELを狙うのは、東京五輪需要が終わって急激な価格下落が予測される2020年の冬以降で十分。そこまでの“つなぎ”として、爆安4K液晶を買うのは大いにアリです」

なるほど、3、4年間の“中継ぎ登板”として考えるなら、爆安4K液晶は最高なのだ。では、いったいどんな製品を選べばいいのか?

「まず、どうせチューナーを買い足すとなれば、コスト面ではDMMのパッケージが合理的です。ただ、正直言って4Kモニターとしての性能は使い手を選ぶ。画質が白っぽいため、黒の美しさが決め手となる映画鑑賞には向きませんし、音もショボく、さらにエンジンが倍速ではないためゲームやサッカー観戦にも不安が残ります。テレビはアニメやバラエティ番組中心で見るという人には十分オススメできますね。

一方、ゲーマーにはドンキが最適ですが、7月3日の予約受付再開後も予定数量がすぐに売り切れてしまったため、次作の情報も随時チェックしておきましょう。

また、今後も少なくとも3機種以上、新たなパッケージのジェネリック4K液晶テレビが登場すると予測されています。映画ファンなど映像の深みを重視する人は、メインボードに使用されるエンジンの系列に注目し、倍速よりも色調を重視したモデルを選ぶべきです。

そして、ブランド志向の強い方なら、大手家電メーカーの4K液晶テレビの在庫処分を狙う手もあります。予想される底値は50インチ15万円。このあたりを攻防ラインとして、今年の夏から秋にかけて情報のチェックを怠らないことです」(じつはた氏)

おそらく、夢の4K液晶テレビが爆安価格で手に入るのは今年限り。メインボードとエンジンをチェックして、ライフスタイルに合った製品を選んでほしい。いずれも追加販売は期待薄なので、見つけたら即買いが基本だ!

(取材・文・撮影/近兼拓史)

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