13年ぶりに国内復帰した「ハイラックス」! その超ド級ボディと走行性能は?

13年ぶりに国内復帰した「ハイラックス」! その超ド級ボディと走行性能は?

復活したトヨタ ハイラックスZ

「え? ハイラックスが13年ぶりに復活!?」と昔を懐かしむ方も多いのではないでしょうか。

それというのも、トヨタのピックアップトラック「ハイラックス」は農業、林業、漁業や狩猟など、働くクルマのニーズに応えるオープンデッキを持つモデル。ワークユースのほかにも、趣味や遊びに活躍するタフなモデルとして、1990年代のRVブームに乗ってその名を轟(とどろ)かせた。

ところがその後、日本市場においては2004年に販売を終了。海外生産のみとなった。しかし、ハイラックスは約180の国と地域に投入され、世界累計販売台数1800万台以上を記録。グローバルピックアップトラックに成長し、13年ぶりにニッポンに復活した。

そんなハイラックスの車体構造は昔ながらのラダーフレーム構造を受け継ぎ、道なき道を突き進む悪路走破性に優れている。現在、タイやアルゼンチン、南アフリカをはじめとする11ヵ国の工場で生産されており、トヨタの屋台骨を支える重要なモデルに。なかでもニーズが高いのはタイ市場で、ピックアップトラックの税金が安く、乗用車として使われるケースが増えているという。

ボディサイズは全長5335mm、全幅1855mm、全高は180mmで、帰国子女的モデルらしく、ボディサイズはスケールが大きい。試しに一般的な駐車場に止めてみたところ、5mを超える全長は駐車枠の前端の白線に前輪が乗っかる形で、隣のクルマよりも鼻先ひとつ分、前に飛び出る長さがある。

また、ホイールベースは3085mmとかなり広め。最小回転半径は6.4mで、Uターンする場合はランドクルーザーよりも50cmほど大回りすることになる。実際の試乗でチェックした。

その前にスタイリングを。日本で販売されていた先々代モデルと比較して、フロント周りの作り込みは乗用車的な要素が強められたデザインに変化している。トヨタのエンブレムを中心に据えたフロントグリルは、水平ラインがヘッドランプにつながる形でワイド感を強調。4枚ドアを備えたダブルキャブのピックアップトラックながら、ボディパネルは力強い抑揚で描かれていて、タフなイメージを強調しているようだ。

グレード構成は2タイプを用意。標準グレードは鉄チンホイール、フロントグリルやバンパーなどのパーツをグレーやブラックでまとめた、働くクルマとしての潔さが感じられる。上級仕様は、グリルやバンパーなどにメッキパーツをあしらい、アルミホイールが標準装備。ピックアップトラックのユニークな個性を際立たせた仕様といえる。

さらに、オートレベリング機能付きのLEDヘッドランプ、単眼カメラとミリ波レーダーを組み合わせたプリクラッシュセーフティシステムが標準装備。前走車や歩行者を検知して、衝突被害を軽減する自動ブレーキシステムも備えている。

現代のクルマに求められる予防安全装備を採用した点は素晴らしいが、プリクラッシュセーフティシステムは上級仕様だけでなく、ベースグレードにも設定してほしいところ。

実用面ではデッキの使い勝手も気になる。悪路を走ることを想定して、地上高を高めていることもあり、リアのあおりを開くと、荷物を積む床面は高い位置にレイアウトされている。最大積載量は500kg。乗用目的のSUVなどと比較すると、重たい荷物は少し持ち上げて載せることになるだろう。

とはいえ、道具や積み荷は荷室高を気にせずに積み上げることができるので、そんなワイルドな使い方ができる点では、他のモデルで得られない頼もしさが!

ハイラックスに搭載されるパワーユニットは、直4の2.4リットルのクリーンディーゼルエンジンに6速ATの組み合わせ。2輪駆動と4輪駆動のロー/ハイモードを切り替えるパートタイム4WDのみの設定だ。エンジン始動時に感じる独特のビート感は、無骨さを引き立てる演出に思える。

ディーゼルエンジンとあって、走り出し直後のトルクが豊か。4人乗車で走っても力強い。驚かされたのは操舵時の手応えの滑らかさと、ラダーフレーム構造がもたらすタフな乗り味。しっかりした感触で体を支えるシートの座り心地もいい。

最後に、気になった取り回し性について。郊外の一般道を走らせてみると、車体をイメージした場所に持ち込みやすいことも手伝って、大きさを持て余す場面が少なかった。粗削りな部分も個性として光る新世代のハイラックス。優等生的なクルマが行き交う今の時代に刺激を与えてくれるクルマになりそうだ。

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●藤島知子(ふじしま・ともこ)







1975年生まれ、神奈川県出身。文教大学女子短期大学部英語英文科卒業。01年にスーパー耐久のレースクイーンを経験。その翌年からレーサーに転身。国際C級ライセンスを持つ。テレビ神奈川『クルマでいこう!』にレギュラー出演中。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。

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