ベネッセ社長交代が混乱、 焦点定まらず創業家迷走?

ベネッセホールディングス、わずか3カ月で社長が交代 焦点定まらず創業家が迷走か

記事まとめ

  • ベネッセホールディングスの社長に福原賢一氏が就任し、3カ月で安達保氏に交代した
  • 創業者の息子・總一郎氏はトップ引退後、資本家として同社に影響力を行使する形に
  • わずか3カ月の社長交代に、創業家も誰を社長にするか定まっていなかったという見方も

ベネッセ社長交代が混乱、 焦点定まらず創業家迷走?

ベネッセ社長交代が混乱、 焦点定まらず創業家迷走?

安達保氏(2011年6月撮影、ロイター/アフロ)

 通信教育大手のベネッセホールディングスの社長人事が混乱しています。同社は前社長の原田泳幸氏の辞任を受けて、福原賢一社長が就任したばかりですが、わずか3カ月で、再び社長が交代する事態となってしまいました。創業者の意向が強く働いたと言われていますが、同社には何が起こっているのでしょうか。

 ベネッセは、福武哲彦氏が創業した福武書店をそのルーツとしています。新規事業として始めた通信教育「進研ゼミ」が大ヒットし、現在では5000億円規模の大企業に成長しました。哲彦氏の息子である總一郎氏ら創業家一族は、同社株の3割を保有しており、事実上、同社の経営権をすべて握っています。しかし、總一郎氏はトップを引退後、子息に会社を継がせることはせず、ニュージーランドに移住。資本家として同社に影響力を行使するという形を選びました。

 そこで白羽の矢を立てたのが、日本マクドナルドのトップを務めた原田泳幸氏です。原田氏はマック流の大改革を実施するかと思われましたが、4000万人分の顧客情報が流出するという想定外の事態が発生してしまいます。この影響で通信教育の会員数は激減。同社は赤字転落し、原田氏はその責任を取る形で今年の6月に社長を退任しました。

 後任の福原氏は、野村證券出身でベネッセ入りしてからは介護事業などで実績を上げ、財務の最高責任者として同社の舵取りを行ってきました。また創業家の財産を管理し慈善事業などを行う福武財団の副理事長も兼務していましたから、市場では手堅い人事と受け止められていました。

 ところが福原氏はわずか3カ月で辞任し、代わりに社外取締役の安達保氏の社長就任が決まりました。安達氏は、三菱商事、外資系コンサルティング会社マッキンゼー、米ゼネラル・エレクトリック(GE)の金融部門であるGEキャピタルなどを経て、現在は米有力投資ファンド、カーライル・グループの日本法人のトップに就任しています。

 同社の経営は創業家が絶大な影響力を持っており、創業家の意向が反映されることなく、こうした人事が行われる可能性は低いと考えられます。したがって安達氏の就任は創業家の強い意向ということになるでしょう。

 ただ、安達氏が本命ということであれば、わざわざ福原氏の社長就任というステップを踏む必要がなかったことを考えると、創業家も誰を社長にすればよいのか定まっていなかったようにも見えます。

 安達氏は、外資系企業を中心に豊富な経験がありますが、ベネッセの事業を直接舵取りするのは今回が初めてです。創業家が求める高い成果を上げることができるのか、今の段階ではまだ何ともいえません。


(The Capital Tribune Japan)