もんじゅ廃炉で新たに高速炉? 高速増殖炉とどう違うの?

もんじゅ廃炉で新たに高速炉? 高速増殖炉とどう違うの?

もんじゅ廃炉で新たに高速炉? 高速増殖炉とどう違うの?(アフロ)

 政府は、現在トラブルで運転を停止している高速増殖炉「もんじゅ」について、廃炉を含めた抜本的な見直しを行う方針を固めました。しかし、核燃料サイクル政策は維持するとしており、あらたに「高速炉開発会議」の設置を決定しました。高速増殖炉は廃炉にするものの、それに代わって高速炉の開発を続けるということですが、これはどういうことなのでしょうか。

高速増殖炉「もんじゅ」の位置付けは?

 日本は原発の使用済み燃料をそのまま廃棄せず、工場で化学的に処理してその中からプルトニウムを取り出す政策を進めています。これを実現する一連の仕組みを核燃料サイクルと呼んでいますが、そのカギを握っているのが高速増殖炉です。

 高速増殖炉はその名前の通り、使った燃料以上の燃料を生み出せる夢のような原子炉で、これを本格的に運用すれば、ウランを外国から輸入しなくても原子炉の運転を続けることができるようになります。ところが高速増殖炉は、水と交じると激しい反応を起こすナトリウムを冷却剤として使用しており、既存の軽水炉と比較して技術的難易度が極めて高いという問題があります。もんじゅは高速増殖炉の原型炉であり、主に技術的な確実性を検証することが目的です。もんじゅの運転に成功した場合には、その後、実証炉を建設して経済性を確認し、その後、実用化に進む予定でした。

核燃料サイクルを維持するという方針は変わらず

 ところが、もんじゅは1994年に試験運転を開始したものの、翌年にナトリウム漏れ事故を起こして運転を停止。その後、別のトラブルも発生し、20年以上も運転を再開できない状態が続いています。

 もんじゅは現在、日本原子力研究開発機構が運営していますが、原子力規制委員会は、もんじゅの運営主体の変更を求めていました。仮に再稼働を目指す場合でも、4000億円から5000億円の追加費用が必要になるとの試算もあり、現実的に再稼働は不可能に近い状況となっていたわけです。

 今回、もんじゅは廃炉に向けて動き出したわけですが、政府は核燃料サイクルを維持するという方針は変えていません。あらたに「高速炉開発会議(仮称)」を設置することで開発を続けるとしています。ポイントになるのは「高速炉」を開発するという部分で、よく見ると「増殖」の2文字が消えています。

 今後は、フランスが開発を進めるASTRIDとよばれる高速炉に共同開発の形で参画する公算が高いといわれています。フランスも日本と同様、高速増殖炉の開発を行ってきましたが、開発は頓挫。現在は増殖性能を追うことはやめ、プルトニウムを燃料として消費することに力点を置くようになっています。そのための炉がASTRIDということになります。

 日本がこの計画に乗るということは、核燃料サイクルを拡大することは断念したものの、一定の規模でサイクルの実現は目指すという意思表示とみてよいでしょう。
 
(The Capital Tribune Japan)