ホンダとヤマハ発が自動二輪事業で協業検討を発表、18年の販売開始めざす

ホンダとヤマハ発が自動二輪事業で協業検討を発表、18年の販売開始めざす

[写真]左からホンダ・青山真二取締役執行役員、ヤマハ・渡部克明取締役常務執行役員

 本田技研工業とヤマハ発動機は5日、自動二輪事業のうち、50ccのスクーターや電動二輪車などを含む原付一種(第一種原動機付自転車)領域での協業に向けた業務提携の検討を開始したと発表した。本田技研からヤマハ発動機に対する50ccスクーターのOEM供給や、次期モデルの共同開発などを検討する。50ccスクーターのOEM供給については、2017年3月をめどに正式契約をかわし、2018年に生産・販売の開始をめざす。ビジネス向けスクーターの協業については、今後予想される関連法規の改正のタイミングに合わせた市場投入を模索する。

 50ccスクーターのOEM供給については、本田技研が日本市場向けに生産・販売する50ccスクーター「TACT(タクト)」および「Giorno(ジョルノ)」をベースとしたモデルをヤマハにOEM供給し、ヤマハはこれらスクーターを「JOG(ジョグ)」、「Vino(ビーノ)」に該当するモデルとして販売する方向で検討を進める。新聞配達や宅配などに用いられるビジネス向け50ccスクーターの次期モデルの共同開発と、同モデルの本田技研からヤマハへのOEM供給、原付一種クラスの電動二輪車の普及に向けた協業も検討する。

 協業を検討するにいたった背景には、軽自動車ユーザーの拡大や電動アシスト自転車の普及などによる原付一種市場の縮小や、排出ガス規制および保安基準の強化への対応、電動化の推進などにより、原付一種領域におけるビジネス環境が厳しさを増している点がある。

 協業の提案は今年2月、ヤマハ発動機側から本田技研側に行われた。ヤマハ発動機の渡部克明取締役常務執行役員は、厳しい事業環境のなか、「個社での対応に非常に難しさを感じていた」と語るとともに、「国内の50ccスクーターは、(顧客が)オートバイに入ってくるエントリー領域として重要。この50ccのカテゴリーをなんとか残したいということで、この選択肢を選んだ」と提案にいたる経緯を説明。
 
 これに対し、本田技研で二輪事業本部長を務める青山真二取締役執行役員は、「スケールメリットが出るという観点で、ネガはない、ポジの方が大きいということで協業の検討に入ることとした」。本田技研も、ヤマハ発動機と同じく楽観的な状況にないと認識しており、両者の思惑が一致した。
 
 なお、今回の協業対象は、あくまでも原付一種領域にとどまる。今後の協業範囲拡大の可能性について問われた青山取締役は、「協業は原付一種に限っており、それ以外のところはない。したがって拡大はない」と回答した。

(取材・文:具志堅浩二)