ポイントカードをめぐってイライラする人々

ポイントカードをめぐってイライラする人々

「ポイントカード要りませんカード」も登場

 最近、コンビニやスーパーに行くとやたらと店員がこう聞いてくる。「ポイントカードお持ちですか?」──。なるほど、持っていればポイントが還元されたり特典が付いたりするのだろう。有り難いサービスだ。しかし、持ってない側はどうしてもこう思ってしまう。

「持ってたらもう出してるわ!」

 了見が狭い? いやいや、イラッとしている人はきっと多いハズ。この問題について水を向けると、想像以上に賛同の声が集まった。コンビニに行くたびに不快な思いをしているというコラムニストの勝谷誠彦氏が力説する。

「コンビニというのは本来、急いで買うためにある、つまり時間を買っているわけです。だから、海外だとほとんど無言でやり取りする。そのときに、『ポイントカードお持ちですか?』なんて聞くのは、こちらの時間をムダに消費しているわけだから、その分、『オレの時間を5円分返せ!』と言いたくなる。本当にこの問題は世論に訴えていかないといけません」

 お笑いコンビ・浅草キッドの玉袋筋太郎氏も続く。

「実はポイントカードは持っているんだけど、ちょっとしたものを買うのにカードを出すのが面倒くさいので、聞かれる前に『要らねえ!』って宣言しちゃう。先を制することが大事ですよ」

 このような不満を感じる背景には、どのような理由があるのだろうか。マーケティングライターの牛窪恵氏は、こう分析する。

「ポイントカードを持っていなければ、『じゃあ、メンバーではないのですね』と言われたような印象をもつので、疎外感を感じてしまう。部外者として扱われて気分がいいものではない上に、毎回毎回聞かれるのでイライラするという方が多いですね。

 また、多くの客と店員は、人間的な付き合いや関係性が築けていません。それなのに、マニュアル的に『○○はどうですか?』と勧められるので、抵抗があるのだと思います」

 実はこのポイントカード問題、会員カードやスマホ会員登録など、さまざまなバリエーションで人々をイラつかせている。元公務員の男性(71)は、こんな体験をしたと話す。

「先日、家内に頼まれてスーパーに行き、120円の豆腐を買ってレジに並ぶと、『会員カードをお持ちですか? 会員以外はレジ袋1枚5円いただきます』と。『持っていないが、家内が会員だと思う』と言っても、『ダメです』。豆腐を手に乗せて家まで帰るわけにはいかないから、5円払って大きな袋に豆腐一つだけ入れて帰りました」

 ただし、店側からすれば「お得なサービス」を紹介しているのだから悪気はない。この問題を解決する方法はないものか。

 そのために新たな試みを始めた店がある。東京堂書店では、2012年から「ポイントカード要りませんカード」を置いているというのだ。

「ポイントカードは要らないよ、というお客様もいらっしゃるかと思いますので、レジの目につくところに置くことにしました」(東京堂書店神田神保町店)

 なんと画期的なアイデア! と思いきや、実際に使う人はほとんどいないという。これも“カードを出す”行為になってしまい、本末転倒だからだろうか。

 冒頭の勝谷誠彦氏に尋ねると、さらに大胆な改善法を提案した。

「『ポイントカード言うな! うるせえ!』というステッカーを作ってですね、みんなに配って胸に貼るのはどうか。そうだ、ポストさんの付録にするといいでしょう(笑い)」

 そこまでしますか!

※週刊ポスト2016年9月16・23日号

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