女性優遇企業に「アメ」を配って女性採用を後押しする実態

女性優遇企業に「アメ」を配って女性採用を後押しする実態

堂々と女性を優先採用する企業が続出

 全国各地の政府系機関に次々と「女性優先採用」や「女性限定採用」が現われ、しかもそれを政府が推進している。国家主導の「女尊男卑」の時代ともいえるが、政府系機関に限った話ではない。

 民間企業でも「新卒・中途採用において、同程度の能力であれば女性を優先的に採用する」といった文言を掲げる企業が続出している。

 なぜこんなことが起きているのかというと、平成17年施行の「次世代育成支援対策推進法」や昨年4月施行の「女性活躍推進法」を根拠に、政府は企業に対し、子育て支援や女性採用の「行動計画」を作成させ、達成した企業を厚生労働大臣が優良企業として認定する制度を実施しているからである。

 実態は“強要”に等しいが、一方で「女性活躍加速化助成金」という助成制度では、企業が女性活躍に関する「数値目標」と「行動計画」を策定し、その目標を達成したら、助成金(30万円)が支給される。

 自治体でもこうした支援が盛んに行なわれており、例えば東京都では「女性の活躍推進人材育成研修」を開催。それを受講して社内に「女性の活躍推進責任者」を設置すると、奨励金30万円が支給される。

 さらに、その「責任者」が東京都の「フォローアップ研修」を受講した上で「行動計画」を届け出て、かつ行動計画の「社内向け説明会」を実施すると、さらに30万円(計60万円)の奨励金が上乗せされる。

 女性を優遇する企業に“アメ”を配って、女性採用を後押ししているのである。

 多くの職場でこれまで女性の割合が低かった背景に、企業が女性を差別してきた経緯があるのは確かだろう。しかし、それを是正するために女性を優先採用するのは、女性差別が男性差別に変わっただけではあるまいか。

※週刊ポスト2017年5月26日号

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