堀江貴文氏 「SNSで簡単に『いいね』するヤツは危ない」

堀江貴文氏 「SNSで簡単に『いいね』するヤツは危ない」

SNSを使いこなすために重要なこととは?(堀江貴文氏)

『多動力』に続き、最新刊『バカは最強の法則~まんがでわかる「ウシジマくん×ホリエモン」負けない働き方~』で、またしても大胆な提言を連発している堀江貴文氏。同書に記した「仕事や人生で負けないための法則」について、短期集中連載で特別解説! 4回目のテーマは、今や国民の7割以上が利用していると言われるSNSについて。使いこなすために重要なこととは?

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 私は長年、『闇金ウシジマくん』を読むべきマンガ第1位に推している。ストーリーの中に現実社会に通じるエピソードがいくつもあり、そんじょそこらの啓発書よりも読み応えがあるからだ。とりわけ印象深いのが「洗脳くん編」のストーリーだ。

 冷酷な詐欺師が「リア充志向」のOLに近づき、婚約。だが次第に暴力をふるい、女性を心身ともに支配。その後、家族にも接近して、全員を洗脳。詐欺師の狙いは一家の全財産。家族同士で殺し合うように仕向け、幕引きを図った──。

 冷酷な詐欺師は、弁舌のうまさで、善良な人々を完全服従させ、カネと人間性と思考力を根こそぎ奪う。もっともらしい空虚な言葉を並べ立て、悪びれることなど一切ない。

 人を騙そうとかカネを巻き上げようという明確な悪意があるならまだしも、本当に無自覚に、善意で洗脳を仕掛ける人間も、現代社会には普通に存在する。「洗脳くん編」の詐欺師のセリフには、現代社会に生きる、危うい人々の心を揺さぶりそうなものが、いくつもあった。

「正社員が夢という子供に今の大人が何の夢を与えられるというのでしょうか? 人間の可能性というのは無限に広がっているはずです。お金がないとダメという巨大な洗脳の中で現代人は生きている。親が子供を洗脳している世の中です」

「生きがいは理屈から生まれてくるものではありません。心の深奥からつき上がる感動がなければ生まれません」

「人間は最悪な状況下で現実逃避ができる知能が高い動物です。なので追い詰めれば客観性を失い都合よく物事を捉えるので、騙されてる事に気が付けなくなる」

 現実にも、こういう言葉を好んで口にし、ネットやSNSなどで積極的にシェアしようとするヤツは少なくない。私の知り合いにも、オリジナルの人生訓やらポエミーな啓発メッセージを公開しているヤツがいる。いかにも思いつきの薄っぺらい内容ばかりなのだが、こういう言葉に引っかかり、感動してしまう人が多いのもまた、現実だ。

 すごい数の「いいね!」が付き、「感動しました!」「シェアします」「勇気が湧きました」という大量のコメントが寄せられている。どうやら本気らしい。

 ペラペラな言葉に、簡単に心を揺さぶられる人が多いことは本当に信じられない。思考のハードルが低すぎる。彼ら彼女らも、決して地頭が弱いわけではなく、最初は判断力も低くない。ただ、「いいね!」ボタンを押すハードルが低すぎる。

 目の前の情報が真実なのか、本質なのかどうかを見極めるという猜疑心もない。しかし、それは昨今、ありきたりのごく一般人の姿だ。

 詐欺的な話に転落させられる人がいかに多いかは、「いいね!」のあふれるスマホ画面からも類推できる。多くの人が疑いの目で物事を見極める力をなくしている。人を疑ってはいけないとか、すべての責任は自分でとるべきだという、教育の影響もあるだろう。

 互いに騙している、騙されているという自覚があるかないかは関係ない。洗脳は深く静かに進行するものだ。ネット社会の根深い問題の一つである。

※堀江貴文・著/『バカは最強の法則~まんがでわかる「ウシジマくん×ホリエモン」負けない働き方~』より

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