進化するインバウンド 台湾人、中国人は日本をよく分かってる

進化するインバウンド 台湾人、中国人は日本をよく分かってる

大前研一氏がインバウンドの現状を解説

 2017年6月の訪日外国人客数(推計値)は、前年同月比18.2%増の234万6500人で、上半期の累計は同17.4%増の1375万7300人だと政府観光局(JNTO)が発表した。年間2700万人以上に達する勢いで、3000万人の大台も見えてきた。訪日客が増えるにつれ、彼らによるインバウンドのあり方も変化をしている。経営コンサルタントの大前研一氏が、外国人のインバウンドの進化について解説する。

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 外国人のインバウンドはどんどん“進化”している。なかでも先頭を走っているのは台湾人で、2016年は中国、韓国に次ぐ約417万人が訪日した。台湾の人口は約2355万人だから、単純計算だと1年間に台湾人の5~6人に1人が訪日していることになる。彼らは温泉も刺身も好きだし、リピーターはレンタカーやレンタバイク、レンタサイクルを借りて自分の好きなところを走ったりもしている。

 たとえば、台北の「松山空港」から愛媛の「松山空港」にチャーター便で入って今治市にある世界最大の台湾の自転車メーカー「ジャイアント」の店舗で自転車を借り、四国と本州をつなぐ「しまなみ海道」を広島の尾道まで走って同じ「ジャイアント」の店舗で返却する、といった楽しみ方をしている。

 また、私が昨年バイクで北海道を一周した時は、美瑛の「青い池」近くの喫茶店で、札幌からレンタバイクで長距離ツーリングをしている4人組の台湾人に出会った。詳しいルートを教えてもらったが、1日500kmも走っており、日本人以上に日本の地方の良さを発見する旅を満喫していた。

 中国人も訪日1回目は大阪か神戸から入り、富士山を見て東京観光をする3泊4日か4泊5日の“ゴールデンルート”が大半だが、2回目以降は大分の由布院温泉や熊本の黒川温泉に行ったり、京都で着物姿で写真を撮ったり、徳島・吉野川の大歩危・小歩危でラフティングを楽しんだりしている。

 彼らは日本在住の中国人留学生が「バイドゥ」などの検索サイトや旅行サイトで発信している詳細な情報を収集し、有名観光地の“確認旅行”から日本中の“発見旅行”に、“モノ消費”から“コト消費”にシフトしているわけだ。

※週刊ポスト2017年8月4日号

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