牛丼業界に頭打ち感 宅配事業やコラボ展開で成長を模索

吉野家やすき家、松屋など牛丼業界に頭打ち感 コンビニとコラボなど成長模索の動き

記事まとめ

  • 牛丼大手の店舗数は、松屋が増加も吉野家とすき家は減少し、頭打ち感があるという
  • 松屋はミニストップで監修商品を販売するなど、コンビニとのコラボの動きを見せている
  • 吉野家は宅配サービスや糖質制限関連商品を発売、牛丼業界は新たな成長を模索

牛丼業界に頭打ち感 宅配事業やコラボ展開で成長を模索

牛丼業界に頭打ち感 宅配事業やコラボ展開で成長を模索

国民食となった牛丼も新たな業態を模索している

 王者が王者であり続けるためにはたゆまぬ努力が必要だ。国民食・牛丼を取り巻く環境について、食文化に詳しい編集・ライターの松浦達也氏が指摘する。

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 現代における大衆食文化の代名詞とも言える「牛丼」。数年前までは、各チェーンが味や価格、新商品開発などで激しいつばぜり合いを繰り広げていたが、最近は宅配や通販、コンビニとの連携などサービスのあり方についての変革が目につくようになった。

 とりわけ牛丼の代名詞と言われる吉野家が、新たな売り方やアイテムを次々に打ち出している。多様化する生活者の食環境を反映した形である。

 吉野家は2017年6月から宅配ポータルサイト「出前館」を介した宅配サービスをスタートさせた。吉野家本体はデリバリー機能を持たないが、「出前館」へと宅配機能をアウトソーシングすることで自前のデリバリー機能がなくても、宅配が可能になる仕組みだ。例えば、恵比寿駅前店なら最低購入金額は1800円から、「送料」300円はかかるものの、3名程度の注文をまとめれば注文ができる。

 同年11月には法人向けの弁当配達サービス「ごちクル」を導入。現在、港区、渋谷区、品川区など東京23区の一部で配達を行っている。こちらは価格が注文金額に応じて、配達料が変わる仕組みで、1万円以上の注文は配達無料となっている。

 ちなみに通常店舗での牛丼の並盛りは380円(税込み)だが、「出前館」は570円、「ごちクル」では600円。吉野家はショッピングモールなどの一部店舗では価格設定を変えているが、宅配サービスでも規模や展開によって価格を変えている。

 この数年、吉野家はもうひとつ力を入れている宅配事業がある。調理済みの冷凍牛丼の具だ。AmazonやYahoo!などさまざまなショッピングサイトで売られている「牛丼の具」に加えて、昨年から「食後血糖値の上昇をおだやかにする」というサラシア入りの「冷凍サラシア入り牛丼の具」を発売した。糖質制限ブームが牛丼店のメニューづくりさえも、動かした形だ。

 今年の2月には、機能性表示食品第2弾として、「中性脂肪が気になる」人向けの「ペプ牛」「血圧が高め」の人向けの「GABA 牛」をそれぞれ通販専用で発売した。外食、中食、内食といった喫食スタイルの多様化に対応すべく、サービスを展開している。

 チェーンではコンビニとのコラボの動きもある。松屋は監修商品をミニストップ店頭で展開。1月には期間限定メニューを再現した「うまトマハンバーグ丼」を販売し、2月20日からは「ごろごろチキンカレー」のほか、人気メニューをアレンジした「うまトマバーガー」「牛めしむすび」といった独自のアイテムの販売もスタートさせた。

 牛丼大手3社の店舗数を見ると、吉野家は2017年1月の1206店から1年間で1197店と9店舗減。松屋は期初である昨年4月の943店から今年の2月までで953店と10店舗増えているが、すき家は昨年4月の1963店から今年2月時点で1946店と、17店舗減で店舗数としては全体に頭打ち感が漂う。

 他の業界同様、店頭頼みではない販売方法を模索しているのは、国内ファストフードの雄、牛丼も例外ではない。

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