小型焼却炉、バリ出荷 トマス技研 年明け供用開始

小型焼却炉、バリ出荷 トマス技研 年明け供用開始

バリ島に小型焼却炉「チリメーサー」を展開するトマス技術研究所の福富健仁社長=17日、うるま市

 小型焼却炉の開発・製造を手掛けるトマス技術研究所(うるま市、福富健仁社長)がこのほど、沖縄発の島嶼(とうしょ)環境技術の海外展開として、インドネシア・バリ島向けに小型焼却炉「チリメーサー」と建屋一式を初出荷した。11月中旬にバリ州都にあるワンガヤ市立総合病院に焼却炉を設置し、年明けの供用開始に向けた試運転を始める。

 「チリメーサー」は特許技術の燃焼制御方法によって煙まで完全燃焼させ、タイヤを燃やしても無煙で、ダイオキシンも法規制の50分の1まで抑制する。自動車1台分ほどの大きさで、全自動運転により管理やメンテナンスが容易なのも特徴だ。

 2006年には第9回環境省地球温暖化防止活動表彰で、国内大手メーカーと並んで技術開発・製品化部門の環境大臣賞を受賞。離島の廃棄物処理や漂着ごみ対策として県内各自治体に導入が進んできた。JICAの「中小企業海外展開支援事業」に採択され、急速な経済発展に廃棄物処理が追い付かないバリ島の問題解決に生かすことになった。

 福富社長は「沖縄の離島向けにやってきた技術が東南アジアや大洋州にベストマッチする」と語る。

 9月3〜19日に現地を訪れ、インドネシア政府、バリの州都であるデンパサール市、JICAインドネシア事務所との4者で実施契約を交わした。ワンガヤ市立総合病院に設置する「チリメーサー」TG−29型は1時間に約30キロの廃棄物を完全焼却する能力があり、病院から出る日量100キロの廃棄物処理に対応する。

 現地では感染性廃棄物も分別が不十分なまま焼却処理されている。煙突からは黒煙が広がり、地上にもちりや異臭が漂うなど環境問題の深刻さを実感したという。

 福富代表は「滞在中はインドネシアの市場調査も行い、現地の各施設から切迫した導入要請があった。ニーズがしっかりあれば、沖縄から技術で貢献できる」と今後の展望を語った。