「糖質制限ダイエットは体に悪い」は本当?

「糖質制限ダイエットは体に悪い」は本当?

ダイエットは長らく「カロリー神話」がまかり通っていたため、現在の糖質制限を「長期のエビデンスがない」と見る人も。でも麻生さん自身、糖質制限をおこなったことで14年間も健康スリム体型を維持している 画像提供/sasaki106 / PIXTA(ピクスタ)

「糖質制限」「糖質オフ」「ローカーボ」…これらのダイエットについて、聞いたことのある人は多いと思います。知人から「痩せた」という評判を聞く一方で、「糖質量を制限するダイエットは体に悪いらしい」なんてネガティブな情報も耳にすることも…。また、とりあえず見よう見まねで始めてしまい、失敗した人も少なくないでしょう。

でも「糖質を摂りすぎる=中性脂肪が増える」ことは実証されており、正しい方法を覚えればスッキリと痩せて、健康的な体を目指せるのだとか。そこでこれから3回にわたって、管理栄養士であり、糖質制限ダイエットに詳しい麻生れいみさんに正しい糖質制限ダイエットについて教えてもらいましょう。

そもそも「糖質」とはなんでしょう? なぜ糖質量が多すぎると太るのですか?

「もともと私たちの体は、食事を摂ると血糖値が上がり、インスリンと呼ばれるホルモンが分泌されます。インスリンは糖をエネルギーに変え、血糖値を下げる働きを持っています。しかし、糖質を摂りすぎて血糖値が急激に上がってしまうと、インスリンが多く分泌されてしまいます。インスリンには余った糖分を脂肪に変える働きもあり、体に不必要なほど糖質を摂取するとこれが原因で太ってしまうわけです」

とはいえ、糖質オフをしてしまうとエネルギー不足で体に悪いのでは?

「まず、糖質はごはんやパン、パスタ、蕎麦などの炭水化物や、お菓子などの甘いものにのみ含まれているわけではありません。多くの食べものには、量の差はあれ糖質が含まれているので、完全に糖質を“オフ”することはほぼ不可能です。また、私たちの体には、筋肉のたんぱく質を構成しているアミノ酸、脂質を構成するグリセロールから、肝臓で糖質をつくる『糖新生』という仕組みもあります。それにより、糖質を摂らなくても、体に必要なブドウ糖が作られるわけです」

「『脳のエネルギー源はブドウ糖のみなので、糖質を摂る必要がある』という意見がいまだにありますが、それは正しくありません」と麻生さんは言います。

「体は、糖質→脂質→たんぱく質の順で、エネルギー源として消費します。そのため、あえて糖質を枯渇させることで、脂肪が使われるようになります。これが糖質制限ダイエットで痩せるメカニズムで、体内の中性脂肪が脂肪酸になり、その脂肪酸の一部からケトン体という物質が生成され、脳や体内のあらゆるエネルギー源になるのです。ケトン体エネルギーを生み出すことで、これまで溜め込んだ体脂肪が燃えて、痩せやすい体になっていくのです」

ただし、麻生さんによると「糖質三昧の生活を送ってきた方は、ケトン体がすぐに動き出さないという場合もある」といい、「最初の1週間で、糖質をスッパリカットすることが鍵になる」と指摘します。

これまでの食習慣を変えるには、やはり最初は気合を入れてかかる必要がありそう。ただ、いきなり食生活を変えるのは不安な面も…。糖質制限ダイエットで、デメリットは本当にないのでしょうか?

「ダイエットをする方は早く結果を出したいと焦るあまり、極端な糖質制限をすることでエネルギー&栄養不足に陥ってしまう人がいます。糖質量を減らす代わりに、脂質とたんぱく質を補うことを忘れてしまうと、ふらふらしたり、痩せなかったりすることも。正しい知識を得たうえで実践することが大切です。

また、今まで手軽なおにぎりや丼ものなどを中心に生活していた人の中には、健康的なおかず中心の糖質制限ダイエットに『お金がかかる』という印象を持たれる方も。でも、メタボになることで引き起こされる病気を未然に防ぐための投資と考えてみましょう。いずれかかる医療費より、はるかに安く健康体になれますよ」

麻生さんによると「現在の日本人の多くが、日に250〜300g前後の糖質を摂取しているといわれている」そう。たとえば、普通盛りのカレーライスや牛丼一杯で100g程度、チョコパンや肉まん一つで40g程度の糖質量があるので、日に3食しっかりと炭水化物やスイーツを食べていると、300gはあっという間。でも、これでは余分な糖質を溜め込む一方で、どんなに運動したり、カロリー計算したりしても、いっこうに痩せません。

麻生さんが提唱する方法は、準備期間を経て、日に130g程度まで糖質量を抑える生活を続けるというもの。「そんなの無理!」なんて思わず、正しい方法を身につけていきましょう。

(富永明子)

次回は、少しの努力と工夫で実現できる糖質制限ダイエットの始め方を、具体的な制限量や方法とあわせて、麻生さんに教えていただきます。


※当記事は2016年09月29日に掲載されたものであり、掲載内容はその時点の情報です。時間の経過と共に情報が変化していることもあります。

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