イサム・ノグチが辿った、創作の道行を追う展覧会

イサム・ノグチが辿った、創作の道行を追う展覧会

イサム・ノグチが辿った、創作の道行を追う展覧会の画像

世界的な芸術家イサム・ノグチの、彫刻家として精髄に迫る展覧会『イサム・ノグチ 発見の道』が、4月24日(土)〜8月29日(日)まで、東京都美術館にて開催される。その幕開けを前に、オンライン記者会見が行われ、本展の見どころなどが紹介された。

彫刻、舞台美術、プロダクトデザインなど、多岐にわたる創作活動は60年にも及んだノグチ。会見では、担当学芸員である中原淳行氏を中心に、3章から成る本展の構成、ポイントとなる作品の紹介、模型を使ったオンラインギャラリーツアーなどが行われた。

「第1章 彫刻の宇宙」では、1940年〜最晩年となる80年代までの作品を展示。まず目に入るのは、香川県牟礼町の石匠・和泉正敏氏による本格的なサポートが始まった記念碑的作品、《黒い太陽》だ。さらにその先には、ノグチのライフワークであった光の彫刻「あかり」がなんと150灯も吊り下げられ、深呼吸するかのようにゆっくりと点いたり、消えたりを繰り返す。しかもこの「あかり」のインスタレーションは、来館者による撮影も可能。幻想的で“映える”思い出を作ることが出来そうだ。

「第2章 かろみの世界」では、“軽さ”をテーマに、折り紙にヒントを得た金属彫刻や、スタンド型の「あかり」などを紹介。またノグチは遊具のデザインにも情熱を傾けており、真紅の遊具彫刻《プレイスカルプチュア》を新規制作し展示する。さらに展示室の一角には、ノグチがデザインしたソファとオットマンが据えられ、ノグチ作品を実際に体感することも出来る。

「第3章 石の庭」には、牟礼町のイサム・ノグチ庭園美術館から約10点の石彫を展示。こちらの庭園には、前出した和泉氏と作り上げた晩年の彫刻が多く所蔵されており、和泉氏は「ノグチ先生の石は、すべて命を宿しているように感じます」と語る。ノグチにとって“庭”とは、“小宇宙”に例えられるほど特別な空間。かつての制作拠点であり、彼のエッセンスが凝縮されたこの牟礼の庭園の様子は、展覧会の最後、高精細な映像にて楽しめるようになっている。

会見の最後には、ノグチファンのひとりであるサカナクションの山口一郎氏から、「イサム・ノグチの魅力はやはり“体験”。本展のコンセプトも体験ということで非常に楽しみですし、僕もイサム・ノグチの一ファンとして、この展覧会に何度も遊びに行こうと思っています」とのコメントが。同じアーティストである山口氏の言葉は、本展への期待をグッと高めてくれた。

会期は2021年4月24日(土)〜8月29日(日)で会場は東京都美術館 企画展示室で実施。
詳細は公式サイトを要確認。

取材・文:野上瑠美子

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