8月の新千歳空港保安検査すり抜け、再発防止なるか 国交省の策

8月の新千歳空港保安検査すり抜け、再発防止なるか 国交省の策

機内への危険物持ち込みをチェックする“安全のとりで”である保安検査場(2016年1月、乗りものニュース編集部撮影)。

2016年8月5日、新千歳空港で搭乗客1人が保安検査をすり抜けて飛行機に乗るという「航空保安上極めて重大な事案」が発生。保安検査を済ませていた搭乗客の検査がやり直されたほか、欠航や遅延が生じてしまいました。これを受け国土交通省は全国の各航空、空港事業者などに対し再発防止策を示し、その徹底を図ります。

11便が欠航し159便が遅延、約2万人に影響

 北海道の新千歳空港で2016年8月5日(金)、ひとりの女性が保安検査場をすり抜け、飛行機に乗ってしまうというトラブルがありました。

 国土交通省によると“すり抜け”は正午過ぎに、国内線ターミナルの保安検査場で発生。女性客が金属探知機を通らずに横のすき間(幅およそ1m)を通過し、12時25分発予定(当日、実際は12時28分に出発)の羽田行きAIRDO 20便に搭乗したというものです。

 飛行機が駐機場を出て10分後の12時38分に、女性客が金属探知機を通過していないことが判明。保安検査場が閉鎖され、13時08分には国内線全便の運航が停止になりました。そして、検査を済ませていた搭乗客およそ1000人は、全員が保安区域からいったん退場させられ、検査がやり直されます。

 運航再開は14時59分。すり抜けが発覚し国内線全便が停止してから、再開までおよそ2時間を要しました。この結果、11便が欠航し、159便が遅延。計2万2397人に影響が出てしまいました。

「航空保安上極めて重大な事案」 国交省の再発予防策とは

 国土交通省はこのトラブルを「航空保安上極めて重大な事案」ととらえ、9月13日(火)、全国の航空事業者や空港事業者などに対し、遅くとも10月末までに再発防止策を実施するよう指示したと発表しました。

 具体的には、保安検査場では搭乗券所持者のみの入場を徹底することや、検査職員は持ち場を離れず検査業務に専念すること、また当面の措置として、「すき間」になりうる検査職員用の通路や、今回のすり抜けルートになった車いすレーンにゲートやフェンスを設ける、といった内容です。

 また搭乗口では、基本的に搭乗券を持たない人は搭乗させないよう徹底。事象発覚後の初動対応についても、「第1報」「封鎖」「運航停止」に関する空港内の手順と手段が見直されます。

 搭乗客に対しては、保安検査場において検査職員の指示に必ず従うこと、不正行為や迷惑行為などは搭乗拒否の対象になること、不正入場などにより生じる再検査や飛行機の遅延、欠航などの損害は賠償請求の対象になり得ることなどが周知されます。そして不正入場などは発見ししだい、警察に通報するとのこと。

 2020年に「東京オリンピック」を控え、テロ対策などが重要になるなか、空港の保安検査を厳格に行っていけるかどうか、その今後が注目されます。

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