東武の金色「スペーシア」台湾を走る? 日台で進む車両デザインの「トレード」

東武の金色「スペーシア」台湾を走る? 日台で進む車両デザインの「トレード」

金色の「日光詣スペーシア」(上)と、その車両デザインにした台鉄「自強号」のイメージ(画像出典:東武鉄道)。

台湾の鉄道で、東武特急「日光詣スペーシア」のデザインになった列車が走ります。東武ではすでに台湾のデザインにした特急「りょうもう」を走らせているため、日本と台湾でデザインを「トレード」する形です。進む日本と台湾の鉄道交流、背景にはなにがあるのでしょうか。

すでに2016年6月から東武線を走っている台湾風車両

 東武鉄道は2016年9月28日(水)、台湾の在来線特急にあたる台湾鉄路管理局(台鉄)の「自強号」1編成が、東武の特急「日光詣スペーシア」のデザインにラッピングされ、10月3日(月)から運転されると発表しました。これにともない、その台湾に登場するラッピング車両と、日本で走っている「日光詣スペーシア」で、共通デザインの記念エンブレムも掲出されます。

 東武と台鉄は、2015年12月に友好鉄道協定を締結。共通デザインのエンブレムを両社の車両に掲出する、記念乗車券を同時発売するなどして連携を図っています。

 また東武は2016年6月から、浅草駅(東京都台東区)と栃木・群馬方面とを結ぶ特急「りょうもう号」で、台鉄「自強号 普悠瑪(ぷゆま)」風のデザインにした車両を運転。そのため今回、台鉄の「自強号」が東武の「日光詣スペーシア」風のデザインになることで、日台の特急が車両デザインを“トレード”する形になりました。

「日光詣スペーシア」デザインの「自強号」は、台湾南部の一部区間を除いて台湾島をほぼ1周する潮州〜台南〜台中〜台北〜花蓮〜台東間で、約6か月間の運行予定です。10月3日(月)の運転初日には、日本では浅草駅、台湾では南港駅(台北市)でほぼ同時刻に、共通の記念エンブレムを掲出した列車の出発式が実施されます。

東武だけではない日台の「トレード」 背景はなにが?

 こうした試みの背景には、日本と台湾の交流人口を拡大する目的があります。東武は、沿線で台鉄の車両デザインをほどこした特急を走らせることで、台湾から沿線への誘客を、そしてさらに、自社の特急のデザインをほどこした車両を台湾で走らせることによって、日本から台湾への誘客を図るとしています。

 日台の「車両デザイントレード」は、東武と同じく台鉄と友好鉄道協定を結んでいる京急でも実現しています。

 台鉄は、通勤形電車EMU700形を京急の“赤い電車”風にラッピング。台湾北部から西部にかけて、宜蘭〜台北〜彰化間の区間車(普通電車)として、2016年10月12日(水)まで運行する予定です。

 そして京急は、黄色と黒の「警戒色」を排障器(スカート)にほどこし、台鉄の客車(普快車)風にした電車を、記念ヘッドマークつきで2016年2月から6月まで運行しました。

 東武鉄道は、2016年10月7日(金)に台北支社を開設。訪日旅行者の多い台湾に社員を常駐させ、これまで以上に東武沿線への誘客を図るとしています。

 いま、日本で訪日外国人観光客(インバウンド)戦略に注目が高まるなか、ますます活発化している日台の鉄道交流。今後、さまざまな「日本の鉄道車両」が台湾を、「台湾の鉄道車両」が日本を走るかもしれません。

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