シベリア鉄道、すでに日本に上陸済み? それが由来という謎多き菓子

菓子のシベリアに鉄道由来説

シベリア鉄道、すでに日本に上陸済み? それが由来という謎多き菓子

シベリア鉄道、すでに日本に上陸済み? それが由来という謎多き菓子

パッケージに鉄道車両と「シベリア鉄道由来」が書かれている工藤パン(青森市)の「シベリア」(写真提供:工藤パン)。

2016年10月、その完成から100年目にして、ロシアから持ち上がったシベリア鉄道の日本延伸計画。しかし日本には100年以上前から「シベリア鉄道」が“上陸”していたようです。

青森の「シベリア」

 2016年10月、シベリア鉄道を延伸し、サハリン経由で北海道までつなぐよう、ロシアが日本政府に対し要望していることが明らかになりました。折しも10月5日(水)に、現在の形が完成し100年目を迎えたシベリア鉄道、このプランが実現すれば、日本からヨーロッパまで鉄路でつながることになります。

 その実現可能性については不明ですが、シベリア鉄道が由来という、その名もずばり「シベリア」というお菓子が、実はすでに日本へ“上陸”しています。

 青森市に本社を置く工藤パンは、同社の商品「シベリア」の由来について、「シベリア鉄道の線路に見立てているという説です」といいます。パッケージにもそれを色濃く反映させており、「シベリア鉄道由来」を紹介するほか、きっぷや列車のイラストをもあしらっています。

 この「シベリア」、基本的にはあずき餡ベースのようかんをカステラで挟んだもので、「東日本を中心に広く食されている」といわれるお菓子ですが、実は先に「シベリア鉄道の線路に見立てているという“説”です」とあるように、その起源は諸説存在しているのです。

大手パン製造メーカーにおける見解は…?

 全国に製造工場と販売網を持つ山崎製パンは、「三角シベリア」「シベリア デラックス」という商品をラインナップしています。いずれもスポンジケーキにスライスした羊羹をサンドしたもので、ほぼオーソドックスな「シベリア」といえるでしょう。とはいえこれらは「関東を中心に販売されています」とのことで、同社をして、いわゆる全国区の商品ではありません。

 では「シベリア」の由来についてはどうでしょうか。山崎製パンでは、いつから製造が始まったかについては「資料がなく回答できない」そうですが、「シベリア」の起源については、「お客様からのお問合せに対しましては、『大正8年のシベリア出兵当時に創製されたので、この名がある。シベリアの凍土を模したものといわれています』とお答えさせていただいております」とのことでした。

 前述の工藤パンと山崎製パンはライセンス契約を結び、工藤パンが「ヤマザキ」ブランドのパンも製造しているなど関係がありますが、この点だけは実に鮮明に、立場を異にしているようです。

 では「シベリア鉄道由来説」と「シベリアの凍土イメージ説」、どちらがより有力なのでしょうか。

創業100年の老舗パン店は…?

 JR桜木町駅(神奈川県横浜市)近くに店舗を構えるコティベーカリーは、創業1916(大正5)年、今年で100年目という老舗で、そして創業当時から変わらない製法で「シベリア」を作り続けているそうです。

 そのウェブサイトでは「シベリア」という名前の由来について、前述の「シベリア鉄道由来説」「シベリアの凍土イメージ説」のほか、5つもの説を紹介。たとえば「心あたたかオーバー説」として「シベリアは極寒の地、ようかんが寒くて可哀想、カステラのオーバーを着せた」という説を挙げています。ほかにも、日露戦争に従軍した菓子職人が考案したとする説や、神戸に亡命したロシア貴族の姫君が考案したとする説などを紹介していますが、どれが正解かという点については断定せず、「諸説紛々」としています。

 結局のところ、「シベリア」の由来は、まったくもって知れないようです。しかし日本国内のどこかで誕生した、という点については、どうやら確実。記事冒頭では「日本へ上陸」と記しましたが、「シベリア」は“上陸”どころか、日本が“始発”だったようです。

【写真】走行9000km以上のシベリア鉄道「ロシア号」

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