京急車内で直送生ビールと崎陽軒オリジナル弁当 横浜の縁が生んだ「ビール電車」走る

京急車内で直送生ビールと崎陽軒オリジナル弁当 横浜の縁が生んだ「ビール電車」走る

特製のヘッドマークをつけた「京急×キリンビール横浜工場 90周年記念ビール電車」(2016年10月、中島洋平撮影)。

京急が、キリンビール横浜工場の操業90周年を記念した「京急×キリンビール横浜工場 90周年記念ビール電車」を運転。工場長、醸造長と語らい盛り上がる乗客を乗せた電車は、珍しいルートで、始発の横浜駅から終点の京急川崎駅まで約2時間かけて走りました。

ロングシートに長机を並べ、手元には崎陽軒のオリジナル弁当

 京急電鉄が2016年10月14日(金)、「京急×キリンビール横浜工場 90周年記念ビール電車」を運転。およそ80人の乗客が約2時間、貸切電車で工場直送ビールを飲みながら、金曜の夜のひとときを楽しみました。

 最寄り駅が京急の生麦駅(横浜市神奈川区)であるキリンビール横浜工場(同)の操業90周年を記念し、運行されたもので、平日夜に走行中の車内でビールを楽しむイベントは、京急では初の取り組みとのこと。参加費はひとり3000円で、申込み開始からわずか5分で完売したそうです。

 その始発駅は横浜で、仕事帰りにも参加しやすい18時49分発。ヘッドマークをつけた4両編成の1500形電車が、ふだんの停止位置とは異なる、ホームの最も品川寄りに停車しました。車両は通勤形のものですが、ロングシートの前に長机が置かれ、周囲にはキリンビールの提灯やタペストリー。車内はお祭りムードです。

 発車後、まず「一番搾り」の缶ビールと、シウマイ、チャーハン、唐揚げなどが入った「ビールに合う崎陽軒オリジナル弁当」などが配られます。それで喉を湿らせているうちに、生麦駅へ到着。キリンビール横浜工場の勝間田達弘工場長、岡田義宗醸造長が乗り込むとともに、ビール樽がかつぎ込まれました。

 工場直送、できたての生ビールが配られたところで、勝間田工場長が「乾杯」の発声。みな一斉に飲み干します。

多摩川の橋の上で方向転換 珍しいルートでの運行

 車内では生ビールが次々に運ばれるなか、勝間田工場長や岡田醸造長らが参加者と語らっていきます。今回の「ビール電車」は、京急とキリンビール横浜工場が、企画きっぷの特典でキリンビールをプレゼントすることなどを通じ関係を深めるなか、双方から声が上がり、実現に至ったとのこと。岡田醸造長は「横浜工場と京急は、どちらも横浜を象徴する存在。横浜の縁から生まれた『ビール電車』」と語ります。

 電車が京急川崎駅に到着すると、京急バスの元バスガールである司会の伊沢喜三江さんが声を高めます。

「みなさま、電車はいよいよ、高架の本線から地上の大師線に入ります。ポイントを通過するため揺れますので、ビールをしっかり持っていて下さい」(伊沢さん)

 品川方面へ再び動き出した電車は、多摩川に架かる六郷橋の上で停車。そして逆方向へ動き出し、橋の上にあるポイント(分岐器)で大きく左にそれ、下り坂の連絡線へ進入。京急川崎駅の地上にある大師線ホームに停車すると、車内では歓声が上がりました。この連絡線はふだん、営業運転には使われないもので、なおかつ横浜方面からの電車が入るのはとても珍しいそうです。

 大いに盛り上がるなか、電車は京急川崎〜小島新田間4.5kmの大師線を1往復し、再び京急川崎駅へ。ここで約25分間のトイレ休憩です。

2往復目の大師線 「あの駅」のことがクイズに

 京急川崎駅での休憩後、列車は再び大師線を1往復。ここでは、京急とキリンビールのオリジナルグッズが当たる○×方式のクイズ大会が行われました。

「生麦駅と(京急)新子安駅の間に『キリン駅』があった」

 正解は「○」。戦前は、生麦駅よりもキリンビール横浜工場へ近い場所に、「キリンビール前駅」がありました。それが戦時中、「贅沢品」とされたビールの名を隠す目的で「キリン駅」になりますが、まもなく営業を停止。戦後、再開することなく廃止された幻の駅だそうです。

 そんな京急やキリンビール、横浜工場の歴史に関する全4問のクイズは、ほとんどの人が全問正解しグッズをゲット。盛り上がりが冷めやらぬまま、電車は21時前、京急川崎駅に到着。終点です。

 参加者のうち、キリンビール横浜工場の近くに住むという夫婦は「私は面白い経路の列車、夫はビールが目当てで参加しました」「ふだん飲めないところで飲めるって最高じゃないですか」と、ふたりとも満足げの様子でした。

 横浜を代表する電車と工場の関係から生まれた、このたびの「ビール電車」。今後も両社の魅力的なコラボが期待できるかもしれません。

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