亀大好き元町長、駅を亀化 駅名にちなむも動機は「趣味」(写真14枚)

亀大好き元町長、駅を亀化 駅名にちなむも動機は「趣味」(写真14枚)

闇夜に目を光らせる巨大な亀の駅舎。写真は色を塗り替える前の初代のものだが、2017年6月現在、2代目も目は光り続けている(画像:美咲町役場)。

岡山県美咲町の亀甲駅は、屋根から亀の頭部が突きでた駅として、地元の人たちに愛されています。なぜこのような駅が造られたのでしょうか。

頭部は亀好き元町長のデザイン

 岡山県の山間部に位置する美咲町には、1898(明治31)年、中国鉄道の駅として開業した亀甲(かめのこう)駅(現・JR津山線)があります。近くには、駅名の由来となった亀の甲羅のような奇岩「亀甲岩」があり、「昔この地に行き倒れた旅人を埋葬したところ、弘法大師の像を乗せた岩がその地からせりあがってきた」という伝説を残しています。

 駅舎はその名の通り、亀をモチーフにした造りになっています。屋根は亀の甲羅に見立てられ、そこから黄色に塗られた頭部が首をもたげています。目の部分には時計がはめ込まれており、しかも夜間は光ります。駅の構内にも亀の像などが展示されており、駅全体で亀のイメージを強く押し出しています。

 亀甲駅のある美咲町役場 産業建設観光課の川島聖史(まさし)さんに、駅の詳細について聞きました。

――いつ、このようなデザインになったのでしょうか?

 1995(平成7)年8月です。旧駅舎は一般的なデザインでしたが、建物の老朽化にともなう改築でこのようになりました。改築費は中央町(現・美咲町)が全額負担しましたが、詳細な金額は把握していません。

――なぜ亀の頭部を駅舎に付けたのでしょうか?

 当時の町長が大の亀好きだったからです。設計図も町長が引いたといわれています。2012年3月に、頭部の色がはげてきたため塗り替えたので、現在の頭部デザインは2代目になります。

――初代はどのような感じでしたか?

 夜になると目が光ることもあり、また現行の2代目と比べて顔色がこげ茶色っぽいこともあってか、怖いとよくいわれましたね。私の子どもも小学1〜2年生だったころは、近づきたがりませんでした。

黄色は美咲町のシンボルカラー

――頭部はどのようにリニューアルされたのでしょうか?

 クレーンを使って2時間かけて取り外しました。そして頭部をトラックに載せて、美咲町の隣町にある久米南町の誕生寺支援学校まで運び、同校の中学部の生徒さんがペンキで黄色に塗りなおしてくれました。

――なぜ黄色なのでしょうか?

 町のシンボルカラーが黄色だからです。美咲町は、1872(明治5)年に日本で初めて卵かけご飯を食べたといわれるジャーナリスト、岸田吟香(ぎんこう)を生み出した町であり、それにあやかって、町の名物として「たまごかけごはん」をピーアールしています。卵の黄身は黄色ですから、亀の頭も黄色、というわけです。

――現在、地元住人にとって駅舎とはどういった存在なのでしょうか?

 たまごかけごはんのほかに、美咲町には棚田百選に選ばれた棚田があるのですが、それらとならんで町のシンボルになっているような気がします。

※ ※ ※

 川島さんは個人的な意見と断った上で、「たとえば夏になったら、日焼けした茶色の亀とか、四季に合わせて変えられたら面白いのでは」と話しています。

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