埼玉・ネギの里に東京駅赤レンガ駅舎が出現!? 宙に浮かぶ荘厳な深谷駅、なぜできた?

埼玉・ネギの里に東京駅赤レンガ駅舎が出現!? 宙に浮かぶ荘厳な深谷駅、なぜできた?

線路をまたぐ橋の上に駅舎が建てられている(2008年3月、恵 知仁撮影)。

大正時代に造られたレンガ造りの東京駅丸の内駅舎と、そっくりの駅が埼玉県に存在。なぜそっくりなのか、そこには「日本資本主義の父」にちなむ、もっともなワケがありました。また、その内部はどうなっているのでしょうか。

地元産のレンガで造られた東京駅を、地元に

 ホームや線路の上に造られた駅舎を橋上(きょうじょう)駅といいますが、荘厳すぎる橋上駅が埼玉県に存在します。

 それは、「深谷ネギ」で有名な深谷市にあるJR高崎線の深谷駅です。駅舎は、大正時代に造られたJR東京駅丸の内駅舎、通称「赤レンガ駅舎」にそっくり。しかも橋上駅であることから、見る角度によっては宙に浮いているかのようです。

 なぜこのような駅舎が造られたのでしょうか。深谷市に聞きました。

――深谷駅の駅舎は東京駅を模しているでしょうか?

 はい。東京駅丸の内駅舎を模した橋上駅舎として1996(平成8)年に造られました。それまでは1934(昭和9)年築の木造平屋の駅舎が北口にのみ建っていたのですが、駅南側に住宅が増えたことから、南北どちらからも利用できる橋上駅舎に改築されました。

――なぜこのような駅舎を造ったのでしょうか?

 東京駅丸の内駅舎に使われたレンガのうち、大部分にあたる752万個ものレンガが、市内にあった日本煉瓦製造という会社の工場で製造されたこと、そして明治時代にその会社を設立したのが、現在の深谷市で生まれた実業家・渋沢栄一(編注:1840〜1931。第一国立銀行(現在のみずほ銀行)設立などに関わり、「日本資本主義の父」とも呼ばれる)であったことにちなんでいます。

東京駅そっくり、でも深谷は「レンガのようなもの」!?

――東京駅丸の内駅舎は総数で800万個以上のレンガが使われていますが、深谷駅は何個使われているのでしょうか?

 建築基準法の関係でレンガは使うことができず、レンガに見えるものはレンガ風タイルです。ドームや窓枠、尖塔なども再現し、全体的に東京駅に近いものとなっています。

――駅構内はいたってふつうの駅に見えますが、2階(改札階)の上の部分など、コンコース以外の駅舎内部はどうなっているのでしょうか? 東京駅のように貴賓室などがあるのでしょうか?

 2階のコンコース以外の部分は一部、市民ギャラリーになっています。3階部分は立ち入り禁止で、通路や窓はありますが、特に用途のある部屋は設けられていません。私たち市の職員も、窓から懸垂幕を掲げる際に立ち入る程度です。

――市民や観光客の反応はどのようなものでしょうか?

 市民インタビューなどでも、この「東京駅に似ている駅」が深谷の特徴のひとつとして挙がっており、市の玄関口として認知されています。近年はドラマやマンガに登場することもあり、それらのファンなど、駅を目的に訪れる方もいらっしゃいます。

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 ちなみに、日本煉瓦製造の工場から深谷駅に通じていた線路跡は現在、遊歩道になっており、その途中にはレンガ造りのアーチ橋や鉄橋など、明治時代の鉄道施設が所々に残っています。

【地図】深谷駅と旧・日本煉瓦製造の位置

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